第三話 自己紹介
「倒せたな、今の私でも倒すことはできる、こいつらは弱すぎて相手にならんな」
「てめえ、なに訳のわからんことをいっている!」
「ん? ああ、もう一人いたのか、簡単に言おう、君じゃ私には勝てない」
ジャックが目の前から消え、男の方を見ると、胸の辺りから血を噴き出して倒れた。
「はあ、これじゃ練習相手にもならない」
ジャックが短刀を拭いた後、こちらに向かって歩いてくる。
「ヒィ!」
私もあのようにされてしまうのだろうか、そう思うと股の辺りが濡れてくる。
「怖かったね、ごめんよ」
以外なことに、彼は私に謝った。
「ああ、いっいえ大丈夫です」
「女の子にこんなところ見せるべきではなかった」
確かに見せるべきではないと思う。と安心していると漏らしてしまったことが恥ずかしくなってきた。
「怪我をしているね、軽傷だけど、化膿したらダメだから治そうか」
「ああ、大丈夫大丈夫ですから」
(ダメ!今は来ないで)
今来られたら、バレてしまう。
「?なら応急措置だけでも」
そんなことはお構い無しに、彼はこっちに近づいてくる。
「よし、まずはっと」
(あわわわわ!)
「よし、これで終わり!」
足跡を追跡していたら、少女が男に襲われていたから、たすけたのだが。
(はあ~、完全に印象悪いよな)
見ず知らずの人の前で、殺しておきながら味方だから信用してくれと言っているようなものである。
「あの、ありがとうございます」
少女が立ち上がってペコリと頭を下げる。
「いや、そうでもないよ。そうだ自己紹介……あっしてたね 」
あの時にしていたことを忘れていた。
「君の名前を聞かせてくれるかな?」
少女に名前を聞く。
「わっ、私の名前は、エリュ、エリュ・ミディウムです!」
「エリュ、素晴らしい!いい名前だ!」
後に、この少女との出会いが、あのようになるとは思ってもいなかった。
次話から レガリア等の解説を、この後書きに入れようと思います。