プロローグ 物語の始まり
円卓の座席に一人の人物が座っていた。
「ハァー、誰も来ないな」
ため息をつきながら腕時計をみる。
「まったく、集合時間から30分以上オーバーしているのに、誰も来てないじゃないか!」
(今日は重要な案件で、円卓会議を開くからこいと言われているのに…)
「あいつらは責任感が無いのか」
このまま座って居ても仕方ないので、席を外し会議室、元いい中央神殿から離れる。
「散歩でもするか」
今思えば、こんなことさえしなければ、あのようにはならなかっただろう。
しばらく歩いていると何故か半壊している祭壇を見つけた。
「何故壊れているんだ?」
この祭壇は頑丈で風化しにくい素材で出来ているため自然に壊れ難いはずである。
「これは!人工的につけられている、しかも、まだ新しい傷だ」
この神殿には私を含めて五人しか入れないはずである、だとすると…
「襲撃された?それも罠に?」
まずは、この神殿を調べなければならないだろう。
カチッ
(ん?今何か踏んだか?)
足元をみると魔方陣が浮かび上がり、神殿のほうに動いて行く。
それらが神殿の柱に向かって光線を放ち、収束され一つの黒く巨大な球体を作りあげる。
「あれ、どう見てもブラックホールだ」
やらかした、ナンテコッタイと思っていると光線が止まり、その球体は周囲の物を飲み込み始める。
(ダメだ、おしまいだ)
そのまま私は飲み込まれていった。