79:スキル共有化
目を覚ますとセレスに抱きしめられていた、流石セレスの胸だ龍の姿となった俺でも相変わらずの感触と弾力で包んでくれる。
それは兎も角他の人も大丈夫と言っていたが居るかな? と周りを確認する。
「マグロ様、お目覚めになられたのですね」
「クルゥアアア」
おっといかんいかん、しゃべれないのを忘れてるって・・・えーと、念話ってどうやるんだ? 増えてる念話スキルと神属魔法を鑑定してみるか。
鑑定
念話:相手を思い浮かべ伝えたい事を思い浮かべる事で対話が可能になる、自身が中心となる事で連結も可能。
神属魔法:龍語魔法の神化版、全属性を扱う事が出来る。
最初にパスを繋げて思考で会話と考えればいいのかな、此方は兎も角神属魔法は曖昧だな、ブレスが全属性って事で良いのかな? それじゃセレスと意志疎通しないとどうにもならないんでものは試しだな。
〈こちら怪盗=マグロ、セレス聞こえてるなら答えてくれ〉
〈聞こえてます、と言うより伝わってきます、心配しましたが意識が戻り何よりです〉
〈それはこっちのセリフだな、圧し潰したんじゃないかとヒヤヒヤしていたが、無事でよかった、迷惑を掛けてしまったな〉
〈お戻り頂けただけで十分です、マグロ様、皆さんも心配していましたが睡眠欲には勝てず眠られました、早速起こしましょう〉
〈俺も十時間睡眠を取らなきゃならないし、朝まで寝よう、セレスも寝てないんだろ?〉
〈少しですが寝てました、マグロ様が身じろぎされたので気が付いたのです〉
〈なるほどな、今の所は寝よう、明日カエラと合流してスキル共有化の事も決めないといけないからな〉
〈それは此方からも報告が必要ですが明日にしましょう、お眠りください〉
と眠るのだった、そして翌朝だたぶん、時間経過の感覚が狂っているのでしかたがない。
〈皆起きてるようだな、今回は本当にすまない、どうもこうなる様に細工を施されていたらしい、それが今回条件を満たしてあの惨状だ〉
〈これが念話なのですね、不思議な感じですが頭に響いて来ると言いますか、それは兎も角ですね、マグロさんお帰りなさい〉
〈ただいまシェルそれに皆も〉
〈かなり危ない状況ではあったがの、皆無事じゃ、しかし今の婿殿を見ていると妹を思い出すのぉ〉
〈へぇ、姉妹だったのか〉
〈そんなこと良いのにゃ〉
と俺をひっつかみ目の前にぶら下げる。
あーティアが怒ってるな、当然だが殺す処だったし、怒られて当然か、本当にすまない事をした、俺の意思でなった事では無いにしてもだ。
〈これじゃ子供が作れないのにゃ、1年もお預けなのにゃ、と言っても成ってしまったのは仕方ないのにゃ〉
そっちかよ! てっきり圧し潰される方を指摘されると思っていたが以外だな。
〈確かになぁ、すまないなティア〉
その一言で抱きしめてくれた。
〈そもそもマグロ様は特殊な個体、私達は子を成せるのでしょうか?〉
確かにな、龍族だけど全くの逆だからなぁ。
〈男性側が人族で、女性側が龍種ならば前例はあるがの、逆も可能では無いかの?〉
〈子供に関しては俺がこんな状態だから待ってもらうほかないんだけど、それよりスキル共有化をどうしようか?〉
〈それじゃがな、神より神託という形ですべての会話を聞いたのじゃが、スキルに関しては補足があっての、嫁達で話し合い決める様にと言われておる、マグロが決めては確執が生まれかねないらしいの〉
なるほどな、不要なスキルを押し付けられてへそでも曲げたら厄介か、それなら各自選ぶ方が納得するな。
〈それじゃカエラが居ないんで決めてないのか?〉
〈二人だけは決めたのじゃ、全てを共有化するならばマグロが一番信頼してるであろうセレスに託したのじゃよ。
次点で戦闘に関して一番活躍してるのはティアであろう、シャロも魔法が使えないので候補には上がったが諜報と暗殺に特化しておるからの、ティアに選んでもらう事にしたのじゃが、これが何とも言えないのじゃよ〉
〈? 共有化出来たけど使い方が分からずに宝の持ちぐされにでもなったのか? 時空間魔法を俺に教えろと言われても困るんだけどさ〉
〈そうじゃないにゃ、スキルを選ぶんだよにゃ、だからスキルを選んだにゃ、そうしたら全部共有化されたにゃ〉
〈は??・・・・もしかして、ステータスってスキルも別途表示して見れるよな、だから大枠で選んだって事なのか?〉
〈それで合ってるにゃ〉
〈おいおい、まじかよ! こんな抜け道作るなんてバグ以前の問題だぞ〉
〈それでじゃがな、大枠で決められないかと思ったのじゃ、それで候補じゃがな、ユニークスキル、パッシブスキル、アクティブスキル、此処までは普通じゃな、それから生活スキル、野営スキル、補助スキル、加工スキル、攻撃スキル、防御スキル、移動スキル、治療スキル、魔物退治スキル、魔物使役スキル、戦争スキル、素材獲得スキルじゃな、実際に決めたのは2名のみで後は合流後に話し合うとなったのじゃよ〉
〈なんだか被ってそうな表現が混ざってるな、攻撃、魔物退治、戦争、素材はほとんど一緒じゃないか?〉
〈確かにな、攻撃しなければ相手も倒せず素材も取れんからの、素材に至っては鑑定と無限収納袋がセットになって共有化されると睨んでおるがな。
それと補足じゃが、セレスとティアの証言から、上書きされた部分も含めて使用可能になった魔法の発動方法まで知識として得られたそうじゃ〉
〈うーん、上書きって事はだ、俺の熟練度まで下がった部分もあるって事だよな、それと二人共俺の魔法を全て使えるって事なのか?〉
〈それで合っておるが一部間違ってもおるな、予想じゃが婿殿は無属性のシルバードラゴンじゃ、それゆえ無属性魔法はかなり強力なはずじゃが、二人は種族からして違うからの、無属性魔法は同等の威力では放てまいて。
まあ、熟練度が下がったとしても恩恵の方が大きいのでな、まったく気にしなくて良いの。
もう二つ補足じゃが念話スキルと神属魔法は共有化されておらぬよ、そして無限収納袋の中身は共有化されておる〉
〈それで勝手に中身出して夕食も済ませたのにゃ、しかしマグロの蓄えてるのは桁違いの量なのにゃ、魔物をどれだけ貯め込んでるのにゃ〉
〈ほとんどスタンピートの魔物ばかりだな、ドラゴンゾンビの骨まで一応回収してるけど、使えるかどうかは不明だな、呪われてるんで浄化したら消えるかもしれない、そこは試さないと判断が出来ないな。
2人にはお願いがあるんだよ、中身を共有してるのなら余分に解体と売却は控えてくれ、硬貨を売却して両替程度に止めておいてくれたら助かる〉
〈それは当然ですね、必要な素材がいざありませんでは手間が掛かります〉
〈もう一つあったな、二人はこれまでの様に空でも良いからマジックバッグを持ち歩いてくれ、変に勘繰られるよりダミーを持っていた方が良いだろ。
後は繰り返し説明が必要になるからとりあえず暁の宿に戻って食事にしよう、焼肉ばっかりで飽きたからな〉
「それなら宿に行って食事にするにゃ、【ゲート】にゃ」
部屋に直接転移するもカエラとアルヴァール、クララにアンナはおらず、既に食堂で食事の最中らしい、これまた皆で ゾロゾロと一階へ降りて合流し、食事の注文をする。
「アンジェお帰り、それでマグロさんが見当たらないけどどうしたの? あんなに強い人なら魔物に後れを取るなんて考えられないし」
アンジェはティアに抱かれる俺を譲り受け? アンナに紹介? した。
「私の結婚相手のマグロちゃんよ」と。
「キャー可愛い! どうしたのこの子・・・・今、マグロちゃんて言った?」
「言いましたわよ」
「如何したらこんな姿になるの!」
「色々とあったのですわよ、とりあえず食事を、後はお部屋で説明しますわね」
「確かに人に聞かせていい話とは思えないわね」
こうしてアンジェに介助され食事を済ませたのだが、お察しの通り簡単に話が済むはずもなく、それぞれの大枠でのスキル共有化まで終わったのがお昼となった。
内訳は戦闘に参加しないカエラは生活スキル、これ以降の説明を省けば、シェルは戦争スキル、シャロは魔物退治スキル、アレッサは素材獲得スキル、アンジェは攻撃スキル、以上だ。
そして実際に共有化、主用スキルもしくは熟練度が上書きされたスキルのみ選抜すれば。
注釈:新(新たに覚えたスキル)、更新(本人所有と重なったスキル)、元(更新されず元から所有してるスキル)
カエラ:竜の目(新) 上位鑑定(新)、上位偽装(新) 無限収納袋(新) 自動解体(新) 売却(新) 多重起動(新) 同時並列思考(新) 火魔法(新) 水魔法(新) 氷魔法(新) 回復魔法(新) 光魔法(新) 時空間魔法(新) 魔力探知(新) 製作魔法(新)
シェル:竜の目(新) 無限収納袋(新) 無詠唱(元) 多重起動(新) 同時並列思考(新) 火魔法(新) 水魔法(更新) 風魔法(更新) 土魔法(更新) 氷魔法(更新) 雷魔法(更新) 回復魔法(新) 光魔法(新) 時空間魔法(更新)
シャロ:竜の目(新)、無詠唱(新)、多重起動(新)、同時並列思考(新)、火魔法(新)、水魔法(新)、風魔法(新)、土魔法(新)、氷魔法(新)、雷魔法(新)、光魔法(新)、時空間魔法(新)
アレッサ:竜の目(元)、上位鑑定(新)、無限収納袋(新)、自動解体(新)、無詠唱(新)、多重起動(新)、同時並列思考(新)、火魔法(新)、水魔法(更新)、風魔法(新)、土魔法(新)、氷魔法(更新)、雷魔法(更新)、光魔法(新)、時空間魔法(新)
アンジェ:無詠唱(元)多重起動(新)、同時並列思考(新)、火魔法(更新)、水魔法(新)、風魔法(更新)、土魔法(新)、氷魔法(新)、雷魔法(更新)、光魔法(新)、時空間魔法(新)
〈ぶっ飛んだ共有化だな、俺が七人増えたんじゃないのか?〉
「共通事項が多いからの、ただ、検証が必要な事も有るの、ここから各自の熟練度で上がるのか婿殿に依存するのか、それ次第では婿殿が頑張って上げる必要があるの」
〈ステータスは全般的に下がったが魔力量に関しては下がって無いからな、初級魔法を連発すれば嫌でも上がるだろうから気にする点じゃないが、検証は兎も角そのうち分かるだろ〉
「マグロ様、これ以上は詰める事が出来ませんから食事を済ませ、ツガットさんが待っているはずですから冒険者ギルドに向かいませんと」
〈例の事をツガットに調べてもらえるようにお願いしないといけないからな〉
「次期カラドラスのトップに就くお方の奪還ですね」
〈そう言う事だな、ツガットが知っていれば手間が省けるんだがなぁ〉




