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63:終決

 突然そいつが現れた、空間把握で常時探知していたが接近する者は居なかった、瞬間的な転移をして来たのだろう、ゲートとは別の転移手段を持っているようだ。


「そこまでにしてもらおうか、マグロ、その手にしてる女性は余の嫁なるぞ、死にたくなければ即刻拘束を解き余に引き渡せ」


「余? 名前は知らないがブロッサスが陛下と呼んでた相手か?」


「そうだ、貴様のせいで余の計画が失敗した、そのつけをガハッ!」


 そう、話の途中に割り込んで対象の横をすり抜けるようにして両足を蹴り砕き前屈みになった際に背中に肘を食らわせ地面に縫い付けた。


「いやいや、探す手間が省けたよ、どうやって探そうかとも考えてたんだよね、まさかそっちから来てくれるなんてこんなラッキーな事は無いな、それで、お前の名前は何なの?」


「マグロ様、転移系の魔法を使える様ですので彼女に例の手法を頼んでは如何ですか? その方が情報を聞き出すのも早いと思いますが」


「そうだな、セレスは此奴の魔力に干渉して魔法を使わせないように注意しててくれ、ティア、そいつとアマリアの両肩と骨盤を粉砕して動けなくしろ。

 俺は此奴の両肩を粉砕したら彼女を迎えに行って来るわ、それと事態の説明もだな、長くても30分程度頼めるか?」


「こっちは任せるにゃ、変な魔法を使おうとしたらその度違う場所を粉砕してやるにゃ」


【ゲート】で移動しカエラさん達の元まで移動、【ゲート】で宿に戻り陛下と呼ばれてるのを拘束したからと説明し、この地の護衛も必要なのでカエラさんのみを連れて島に転移した。


「今戻ったよ、変わりはないか?」


「こっちに抜かりはないにゃ」


「ふむ、もっと釣れると思ったんだがな、的外れか。

 転移を使用可能なのが送ったとすればアマリアが連絡を入れて応援を頼むと思ったんだがな、俺が居なくなったら即来るかなと、と言う事は此奴本人が使って来たって事で確定だな。

 んんんさん、例の塗料を出しますから魔法陣も書けますかね?」


 アマリアはカエラさんの名前を知ってるか、隠す必要無かったかも・・・・・


「あの時の設定でしたら書けますが、内容を変えるのであれば私の手には余ります」


「あの時の設定でお願いするよ、まずそっちのアマリアから、スキルで連絡してるだろうからいい加減に止めないとね」


 書くのに手間が掛かる為一人当たり10分程度掛かったが無事に奴隷化が終わった。


「リスタルにですが、そっちに転がってる仲間がいる可能性が高いんだよね、シェルとシャロにファサラと護衛の皆さんが居るんで余裕で対処するとは思うのですがどうしましょ? きっと宿屋の場所をアマリアが教えてるはずですし」


「それならいっそ、此方に戻ってもらってはどうにゃ?」


「折角の観光が台無しだが、命の危険があるよりはマシか? それじゃとりあえず食事を済ませるように伝えて来るか、それで改めて迎えに行くって事にしよう、一応注意する様に言って来るよ」


 警告も含めて伝えて戻って来た。


「とりあえずこの陛下とやらの鑑定だな」


 鑑定

 ダレン=ガルド

 年齢:746

 Lv:***

 種族:魔族

 職業:******

 状態:重体

 HP:******

 MP:******

 STR:*****

 VIT:*****

 DEX:*****

 INT:*****

 LUK:*****

 EXP:******/******

 ユニークスキル:****、***

 パッシブスキル:******、*******、*******、*********、*******

 アクティブスキル:***、***、*****


「なんじゃこりゃ、鑑定妨害のスキル持ちか? それとも阻害系の魔道具でも持ってるか?」


「マグロ様、全裸になるまで剥ぎ取れば分かると思いますよ」


「剥ぎたいか?」


「遠慮しておきます」


「だよな、それじゃ個別に開始しますか、おいダレン、カラドボルグは如何したんだよ、お前たちの元旗頭だったんだろ?」


「あんな甘ちゃんの腰抜けが旗頭の訳が無いだろ! 全員一致で奴はとうの昔に追い出したわ!」


「それじゃそいつ今何処に居るんだ?」


「知るかボケ! あんな奴の行動なぞどうでも良いわ!」


「奴が連れてた龍族が居ただろ、今は何処だ?」


「奴を追い出す時に全員始末してやったわ!」


「お前以外に転移できる奴は居ないのか?」


「時空間魔法は貴重だ、俺様以外に使える訳が無いだろうが!」


「お前の協力者は何人居るんだ?」


「大量にいるに決まってるだろボケ、そんな事言わせるな!」


「お前の拠点は何処だ?」


「いう訳がああああああああ!」


「うるさいな、痛くても黙ってろ、俺達の誰かに伝えるまではそのままな。

 さて、次はアマリアだな、お前、拠点を知ってるか?」


「知らない」


「あら、本当に知らないのか、奴隷に混ざって監視してたのか?」


「そうだ、ブロッサスを監視していた」


「お前が連絡していた奴の住んでる地名を言え」


「ナノタル、リスタルだ」


「何だか近場にこいつらの拠点が在りそうな感じだな、殲滅してストレイルを占領するとしたら聖王国と帝国より先に占領する必要があるからな。

 此奴に聞いてもらちが明かんか、ダレン、さっきの質問は解除だ、アマリアは本当にお前の嫁だったのか?」


「ふっ、違うに決まってるだろ、嫁なら手元に置き何処にも行かせぬわ」


「嫁だと言って、単に利用してただけって事で良いんだよな」


「勿論だ」


「お前を外した場合、魔族を先導して導く様な気概の有る奴は居るか?」


「居る訳が無いだろう、どいつもこいつもイェスマン、一切意見を出そうともしないクズ共だな」


「その屑の中で一番レベルが高いのはどれくらいだ?」


「奴らは自身を強くすると言う概念も無く魔物を退治しようともしない、ストレイルのSランクの方が余程マシな程度だ」


「なぁ、なんだか、此奴さえ居なければ放置してても大丈夫な気がしないか?」


「その様ですね、この魔族が居なくなれば率いる者は居なくなり自然に瓦解するかもしれません」


「しかもアマリアの渡す金で生活する様な素振りだったし、働いて無いのかもな、人数は分からんけどヒモ生活?」


「マグロ、それならどうする気にゃ?」


「この陛下とそっちの転がってるのは殺すとして、アマリアをどうするかね、単に利用されていただけなんてショックで倒れかねないな。

 それは良いとしてだな、ダレン、北方のお前たちの基地は如何したんだ?」


「あのような場所で長期間暮らせるか! とうの昔に捨てたわ! 奴があの地なら人も来ず安全に暮らせるとか抜かしやがって、周りに石材があったから建物を建てるのは苦労しなかったが、最悪の環境だった」


「肉は魔物を倒せば手に入るとしても、水で困ったんだろ、井戸を掘ろうと結局は凍り付いてるからな」


「その通りだ、水魔法の使い手は大勢居たが、飲み水に利用可能なのは僅か数名、結局は疲弊して全滅寸前になった」


「なぁ、戦争の折になぜ隣国にまで手を出したんだ?」


「1国落とした事で調子に乗った下の者達の暴走だ、俺は見せしめに殺してでも止めるように進言したが、奴は同族だからとこれを頑なに禁じた、言葉で止まるはずもなくあの結果だ。

 1国で止まっておればこの様な屈辱的な事になっておらんかったものを」


「確か転生者だと言ってたな、それで元の世界のルールでも持ち出して殺すのを躊躇ったんだろ」


「そうだ、よく分かったな」


「これじゃ、その転生者に掻き回されてとばっちり受けた種族って事になるのか、どうするよこれ。

 会う事があったらそいつも殺すべきかね?」


「ああ、是非殺してくれ、俺達では歯が立たず反旗を翻した際も全滅覚悟で挑んだんだが奴はそのまま出て行った、お前の強さならあるいは、手が届くかもしれん」


「結論を出す前に皆を呼んで意見を聞こう、どうも釈然としない事態だからな」


 危険度が皆無になったのでとりあえず治療を施しその場に放置、リスタルへ転移し話があると全員で島へ転移、聞いた話と500年前の戦争の際に行われていた事も説明し、今に至る。


「さて、どうするかね、もうさ、考えずに放棄したい位だわ、その転生者に掻き回されたせいで窮地に陥った哀れな種族にしかみえないんだよな」


「マグロ様の考えではこの者は処刑、あちらのお金を受け取っていた者も処刑、アマリアは再考、カラドボルグと名乗っていた転生者も殺すべきか後程判断 ですよね」


「その通りだな、スタンピート引き起こすように命じたダレンの処刑は決定事項だ、あちらの金を受け取っていた者もな」


「どうでしょう、アマリアさんを解放されては、ブロッサスを監視していたのみなのはこの奴隷化での発言なので揺るぎません、一切スタンピートには関わっていませんから」


「決を取ろうか、解放に賛成ならしゃがんでくれ」


 躊躇もなく全員がしゃがみ込み解放が決定した。カエラさんに頼み解放する。


「アマリア、謝罪はしないぞ、魔族の陣営に居たことには違いないからな」


「命を助けて頂けただけで十分です」


「今まで渡したのはそのままとして、武器だけ渡して無いからな、あの弓は渡せないが鍛冶屋にあった弓を買って渡すよ、それで、今後は如何する?」


「それなら俺達と一緒に冒険者にならないか? 実力も知ってるし、遠距離攻撃に特化したアマリアなら大歓迎だ、それに、そこの魔族とは妻でもなんでもないのならそれこそ好都合、俺達は機会があればアマリアに嫁になってほしいなと常々話していたからな。

 ぜひ一緒に行動しよう」


「いいの? 私は魔族に加担してたんですよ」


「あのブロッサスと仲が良かった訳じゃないんだろ、それなら大丈夫さ」


「・・・私も、仲間に加えて下さい」


「3人の処遇は何とか決まったとして、これ以上追い詰める必要ってあるか?」


「マグロさん、迷っておられるのでしたら彼らをこれ以上追うのはお止めくださいませんか?」


「その方が良いだろうな、ダレンとブロッサスとは違って何をするでもなさそうだからな、それならそこのも解放するか? 別に敵対してると言う訳でも無いからな」


「マグロ様、彼らに選択肢などありませんでした、何卒ご慈悲を」


 これも決を取れば全会一致、治療は済んでいるので奴隷から解放し、ゲートにて宿屋の前に送った。


「ダレン、これが最後の質問だ、カラドボルグと名乗るそいつの見た目を教えてくれ、髪の色、眼の色、背の高さ肌の色をな」


「黒髪で黒目、背の高さは180cm前後、肌の色は浅黒い、そこのアマリアより若干白い程度だ」


「それなら目立つな、会う事が出来たら一応会話を試みるつもりだが、排除する方向で検討する、それで良いか?」


「それで十分だ、さあ、我を殺してスタンピートの件に終止符を」


 無理に苦痛を長引かせる必要も無いだろ、と皆を下がらせ龍化し、上に放り投げてブレスで消滅させた、そして人化し、オークションの件も話し合う事にした。


「アマリア、解放された者達の行先などを伝えてないだろうな? それ次第で彼らにも危険が及ぶぞ」


「伝えておりません、伝えたのはブロッサスの目の前での死と、全員が解放された事だけです。

 今日の事は観光で向かう為、資金援助をかねて直接会ったのです」


「それなら一応は安全か、まぁ行先を変えたい場合は当日でも構わないからな、どうとでもなる、それは各自考えてもらうとしてだ。

 6日後にナノタルで年に4回開催される内の秋開催だそうだ、マグロが出品されるらしくてな、それを競り落とそうとティアと相談してた所だ。

 そこでなんだが、皆も参加するか? 参加するなら資金を融通するぞ」


「マグロさん、助けて頂いたばかりかこうして皆に日用品から装備品などを頂き、これ以上の恩恵にあっては心苦しく思います、オークションへは皆様方のみで行かれて下さい」


「そう言う事なら分かった、ナノタルへは明日マハタルのテレポーターを利用して向かうがどうする? 明日までの観光の予定がこんな形になってしまったからな、一緒に行かないか?」


「それでしたら是非お願いします」


「それじゃそうしよう、ナノタルへは直接転移が出来ないからな、到着したら集合場所を決めて各班に分かれて行動する事にしよう。

 それと、セレスは資金を持ってたな、ティアには渡したからシェルとシャロとファサラだな、こっちにマジックバッグを向けて広げてくれ」


 こうして各自にティアと同じ金額を配布、観光の際は支払うようにお願いした。

 俺、セレス、ティア、カエラの4人だけ夕食を食べてないので食卓に出来合いを出して食事を済ませた、そしてカエラさんを一人連れて部屋へ入る。

 



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