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55:ファサラ

 食後、主だったも者達に集まってもらい、懸念してる事を話合う事にした。


「皆の知識を借りたい、相手の陛下と呼ばれる人物がカラドボルグと名乗ったそうだ。

 俺の元の世界では伝説として語られてる剣でな、雷を纏った魔剣だと言われてる、まぁ、実在するのか怪しいけどな。

 その武器の名前を名乗ってる事から、それに属す魔剣を所有してるか、それに準じた攻撃方法だと思ってる」


「マグロさんの懸念されてるのは違う事なのでは? 私たちに属性魔法は効果がありませんし、危険でもないので改めて話す必要もないと思いますが」


「そうだにゃ、雷撃纏わせての攻撃ならティアも会得したにゃ、マグロには効果が無かったのにゃ」


「俺が懸念してるのは時空間魔法を使って別空間を物置代わりに使ってるって事だ」


「それはそれで便利そうですね」


「はぁ、危険性が分からないか? 分かりやすく言えば俺たちの体にその穴を開けて荷物を取り出そうとしたらどうなると思う?」


「ぽっかり穴が空くにゃ?」


「そうだ、それを応用して切断する事も可能だと考えていた、対単体戦闘では魔法抵抗力さえ突破出来れば何でも切れるだろうと【時空間断裂】 もしくは【空間断裂】 いや【スペーススラッシュ】当たりの名前を付けようかと以前から考えてたんだ」


「その様な効果であれば、回避もしくは魔力抵抗力の強化が必要?」


「回避は魔力感知が出来る者じゃないと不可能だろうし、手っ取り早いのはステータスのINTにポイントを全振りして強引に引き上げる事だと思ってる。

 それで相談なんだが、どうする方が良い? 魔法に熟知してるのはセレスにシェルだろう、どう思う?」


「マグロ様、マグロ様の特性をお忘れですか? 【ブラストノヴァ】を面で放てば相手の魔力を削りながら相手の体まで削れます、後は如何に魔力を込めるかに掛かってきます。

 先日お見せ頂いた際にはMP71万を超えていました。

 そして相手の成長速度を見るに、上がっててもLv1000を超えるか超えないか、種族が魔族な事からハイエルフの私達と比べた場合、魔力の上がる幅は精々同程度でですが、私たちはマグロ様の影響下にあり4割ほどステータスが高めです。

 この事から相手が全MPを使って発動したと想定しても、MP20万も込めれば跡形もなく削りきる事が出来るでしょう」


「シェルはどう思う?」


「セレスさんと同じ意見ですが、1つ追加があります。

 次元の壁に穴を開ける際には魔法攻撃力次第ですが、パッシブスキルの消費MP減少が限界まで育ってたと仮定した場合、最低でもMP500は消費します、それだけの魔力を放てば感知は簡単です、発動前に潰せます」


「そう言えば、帝都では俺の魔法も潰されたな、理屈は同じなの?」


「理屈は同じですが、実力に差が有り過ぎます、あの時は肝を冷やしました、本当に限界でしたから」


「うーん、なら俺だけ全振りしとくか、飛ぶ際も少々といっても消費するし、最大値が増えれば回復量も上がって後が楽だしな」


「その程度の相手であれば不要と思いますが、保険と考えれば損ではないと思います」


「それじゃそうしよう、対カラドボルグはこれで終了、明日は残りの者から聞き出して、時間に余裕があれば帝都入りかな」


 怪盗=マグロ

 年齢:16歳

 Lv:2673

 種族:竜人族(特殊、龍王)

 職業:ウィザード

 状態:良好

 HP:1050721

 MP:710919→1510419


 STR:200460  

 VIT:168376

 DEX:144673(+350)

 INT:176818(+350)→443318(+266500)

 LUK:120310

 EXP:216350/2774000

 フリーポイント:266500→0


「マグロさん、ブロッサスが話さない場合は如何されるのですか?」


「本当なら他にも居るだろう魔族の活動を聞きたいってのが本音だが、奴の拠点の奴隷を解放するのが先決だからな、それまでに口を割らせる事が出来なかった場合は現地で首を刎ねる。

 当然侵入者に対しては排除の命令を与えてるだろうから無力化したいからな、俺達では手加減が難しい、強制的に動かされてる者達を傷つけるのも嫌だしな」


 こうして夜も更け各自部屋へと戻り今晩はシェルを抱き枕に就寝する、俺は何時になったら嫁達とマッタリイチャラブ生活が送れるんだ?

 一方的に離婚宣言した28家のお嬢さん方は納得してないだろうな、だけど肌もあわせてないがキスすらしてないから、新たに旦那を探すだろ。

 嫁さんが強すぎて尻に敷かれるのが確定だけどな。


 翌朝朝食後に王宮へと赴き、叫び続けるブロッサスを一旦止めて無理やり食事をさせ再開する。

 一人ずつ呼び出して始めるか、ブロッサスには適当な質問を出して放置する、今日はアグニスからだ、だが、ユリウスから粗方聞いたからな、聞く事が無い、放置してファサラから開始するか?


「おいアグニス、魔族との対戦からこっち、ユリウスと行動を共にしてたのか?」


「答える訳があああああああ!」


「しかし、進歩が無いな、放り出しとけ、次はアグニスと思ってたが、ユリウスから聞き出して聞く事が無いんだよな、聞きたい事何かあるか?」


「特にこれと言っては有りません」


「それじゃ、次はファサラだな」


「何の用ですか、マグロさん」


「勿論話を聞く為さ、ユリウスやアグニスとは何時出会った?」


「出会ったのは幼少期です」


「あの二人が魔族に帰順して龍族を狩ってたのを知ってるか?」


「知ってます、幼馴染だった私は討伐対象とはされず、なぜ魔族が戦争に至ったのかを説明され、それに賛同した私も彼らと共に活動するようになりました」


「では今の考えを聴こう、ブロッサスがスタンピートをひき起こし、ストレイルに住まう者達を殲滅する行為をどう思う?」


「間違ってると断言します、如何に迫害されていたとの立場だとしても限度があります、彼らは迫害していた者たち以上の悪だと言えます」


「それじゃ、戦争後に狩りだしてた行為に関してはどう思ってるんだ?」


「魔族が迫害を受けていたのは知っていました、そして「回りくどいな、率直に言え!」」


「迫害を受けていた者達を狩っていたのです、当然の結果だと思っています」


「ほう、それならユリウスやアグニス、そしてファサラ、お前も討伐されて当然だと思ってるって事だよな」


「そうです、ですがあの時点では魔族は手を下せる者達はいずれも重傷、代わりに私たちが動いてたにすぎません」


「魔族の先兵になってた訳か、それじゃ、魔族のひき起こした戦争に対処せずに放置した方が良かったのか?」


「そうは言っていません、彼らは独立戦争を起こしたんです、自分達が迫害を受けない国を作ろうと決起したのです」


「戦争を起こした行動理念は理解した、なぜ魔族を迫害するのかを調査し、それに対する意識改善策を施して徐々に待遇改善と言う策もあるが時間が掛かるからな。

 その間も迫害が続く事を考えれば短期決戦に持ち込む事もあながち間違ってない。

 それじゃ何で魔族対他の種族って構図になったんだ?」


「彼らは1国を落としました、そこで止まれば他の国も静観したのでしょうが、更に隣国へと攻め入りました。

 この事からこの大陸の国々では単なる報復の為に戦争を起こしたのだと考え、連合を組み、魔族対他の種族と言う構図になった訳です」


「1国では魔族の領地としては狭すぎたのか? 大陸全土の魔族が集えば生活圏が確保できないとか?」


「領地としては事足りていたはずです」


「ほう、それじゃ単なる報復戦争だと捉えられるのもあながち間違って無いな。

 1国落とした際に自分たちの自由を勝ち取る為の戦争であって、他の種族への報復戦争ではないと宣言すればここまでの事にはなって無いはずだ、なぜ多数の国へ侵攻したのか聞いた事はあるか?」


「彼らの意思に反して、末端の者達が止まらずに、これまでの報復を掲げて攻め入ったと聞いてます」


「なぁ、矛盾してないか、末端ならいざ知らず、陛下と呼ばれてた奴の判断で龍族を狩ったんだろ、報復ではないと言うなら龍族を狩り出す必要も無い訳だ。

 結局は自由を勝ち取る為の戦争と言いながら、行動は報復だよな、どう思う?」


「確かにその通りです」


「その通りって、ファサラ、その程度すら気がつかなかったのか? 

 ストレイルで引き起こした事もそうだ、自分達で首を絞めておいて挙句の果てには殲滅して新たに国を興すつもりだったんだぞ、その陛下は。

 そいつの命令を実行する奴を様を付けて呼ぶってどうよ、お前もストレイル殲滅に賛成してると捉えられて当然なんだぞ!」


「おっしゃる通りです」


「その返答じゃ意味が解らんぞ、賛成だったからブロッサスを擁護してるシャルを捕らえた際に攻撃して来たんじゃないのか?」


「主人は仕事の話を一切家庭内に持ち込みません、今、マグロさんから聞いて知ったのです」


「嘘を禁じてるから本当に知らなかった様だな、どうしたものか・・・」


 当時としては龍族を狩った事も、魔族の待遇を慮っての事、そして断れば当然自身の命に関わって来る、この状況では断れないからな。

 帝都で敵対行動したのも単にシャルを助ける為で、ブロッサスの事を知らなければ当然の行動、殺す理由が無い。

 ファサラなら放逐しても問題ないがアグニスとシャルは知ってて動いていた、こちらは首を刎ねる以外の選択肢が無い、斬ったら報復に来るかもしれんなぁ。


「マグロ様、どうされたのですか?」


「いやな、ブロッサスを匿ってた事を知らないから、俺達がシャルを生け捕りにした際に助けようと攻撃して来た、これは誰でもとる行動だろ、俺も嫁が攻撃受けてたら助ける行動に出るからな。

 それとブロッサスの行動は間違っていると断言もしてる。

 それに、戦争後に協力してなければ死んでるか奴隷にされてるかの二択だろ、それで殺したら魔族と同レベルだと思わないか?」


「確かにその通りです、ブロッサスの所業を知り、匿い擁護していた者達とは別に考えるべきだと思います」


「ではそうしよう、俺だけの判断では無理だからな、他の者とも話し合おう、一時保留する、ファサラはこの場で待機を」


「色んな立場の者が居るのにゃぁ」


「そうだな、では次にシャルか」


 セレスが退室し、シャルを連れて戻って来る。


「シャル、ブロッサスをなぜ様付けして呼ぶんだ?」


「ユリウス様と両親の命の恩人だ、様を付けて呼ぶのは当然でしょう」


「ふむ、正確には間違ってるな、ユリウスとアグニスの命の恩人であって、ファサラは別だ。

 それはどうでも良いが、ストレイルを壊滅させようとしてたのを知ってなお呼ぶのは何故だ?」


「先に答えた答えと同じよ」


「ファサラ、どんな教育したんだ、馬鹿やらかして命を落とそうとした奴の命の恩人だからと言って、その後の行動が最悪なんだぞ、それでも敬称付けるってどんな考え方だよ」


「申し訳ないとしか」


「処刑決定だな、これなら魔族がどんな悪人だろうと天秤に掛けた相手が3人ならどんな命令でも従うって事に繋がるぞ。

 念を押すぞ、この様な考えでは放逐は不可能だ、処刑する、シャルを別室へ、カロライナを中へ」


 またセレスが連れ出し、カロライナを連れて入室した。


「カロライナ、お前は誰の命令で、誰を監視するために送り込まれた?」


「ユリウス陛下の御命令で、主にセルラルファを、そしてマグロ様のお連れになったPTの方々を」


「セルラルファが監視されてる理由は知ってるか?」


「知っております、そうでなくては務まりません」


「知ってなお、なぜその様な職務を受けた?」


「命令だからです」


「はぁ、目線が上の者からの命令なら何でも聞くって事だぞ、やましい事だと思わなかったのか?」


「軍では上官の命令は断ることが出来ません、受けて当然です」


「ちぃ、救いようのない馬鹿だな、上官の命令ならどんな命令だろうと受けるって事か、善悪の判断すらせず遂行するって盲目的にもほどがあるぞ。

 話にならん、別室に待機させろ。

 そうだ、聞いておくべき事があったな、ファサラ、長男のクリニスは魔族と結託してる事は知ってるのか?」


「シャルと同等の知識を有してます」


「では、シャルと同様に妄信してるか?」


「わかりかねます」


「セル殿、身柄確保に行くにしても聖王国への使者が変更される事態になるよな。

 いっそ、帰還命令出して人員を入れ替えた方が良くないか?」


「マグロ殿、ストレイルとの合同任務ですので、簡単には参りません、現在先方と協議中です」


「なら仕方ないな、そっちの件は任せる、セル殿ならクリニスを抑える事も可能だろう」


「協力をお願いするかもしれません、その際はお力添えをお願いします」


「了解した、俺にも関係してるからな。

 ファサラ、関係無い事だが一つ聞きたい事がある、龍族ってどうやって子供を作ってるんだ?」


「ご存知無かったのですか? てっきりシャルから聞いてるものと。

 では改めまして、先ず女性が卵を産み、24時間以内に男性が精子の代わりの魔力を込め、それから1年間温めますと孵化します。

 毎日最低8時間は接触してる必要があります」


「温めるのは男女どちらでも良いのか?」


「何方でも構いませんが、両親のどちらかと限定されてます」


「生み放題なのか? 何か制限は?」


「10年間隔で1個が限界です、2個目を産むと死ぬと言われてます」


「幼少期の食事は何だ?」


「肉なら大半の品で大丈夫です、ですが柔らかくした品に限ります、大体6時間間隔です、一歳になったあたりから朝昼晩の三食になります」


「俺が聞きたい事は以上だな、後はブロッサスか」


「マグロ様、得た情報は何処まで公表しますか?」


「セル殿はどう思う?」


「ユリウスとアグニスの戦争後の行動。

 ストレイルで起こったスタンピートがブロッサスが引き起こした事。

 マグロ様がブロッサスを生け捕りにし、情報を引き出す為に預けたが、ライネル上層部との協力関係を看破した為、今回上層部もろとも捉えた事。

 情報を引き出した後処刑する事。

 これを文官に文章へとしたためさせ発表したいと考えてます。

 ファサラ殿も龍族討伐へ参加されたようですが、その時点では選択の余地が無く、拒否した場合は命が無かったと考え、伏せるべきだと考えてます」


「概ね俺と考えが同じだな、それじゃ、ファサラの扱いは如何すれば良いと思う?」


「これからはマグロ殿の側に居てもらっては? 放逐するのもどの様な行動に移るか不安がある為に無理ですので」


「セル殿、本気か? 仮にも俺は旦那と娘、場合によっては長男の命を奪う仇だぞ、その事に躊躇は一切無いが、ファサラから考えれば、どの様な理由があるにせよそれは変わらん。

 仇の側に止めるのは酷じゃないか?」


「それではマグロ様、本人に聞かれてはどうでしょうか」


「そうだな、案は3つある、全てに関してだが、一度奴隷化を解き一般的な奴隷化に置き換える。

 一つ、セル殿、もしくはこの地の貴族にでも主になってもらいライネルで生活する。

 二つ、帝国に赴いた28家のどれかに主人になってもらい帝国で生活する。

 三つ、俺に付いて来て生活を共にする、これが一番お勧めしないけどな」


「マグロは卑屈だにゃぁ、本人が決める事にゃ」


「お許し頂けるのでしたら、私はマグロさんに付いて行きたいと考えてます。

 これまでご迷惑をお掛けしたライネルに変わり私がお詫びいたします」


「俺と共にに来るとの判断はさておき、お詫びなど必要が無い、それに、ファサラがすべき事でもないが、ライネルへ入った当初から迷惑を与えていたと考えてるのか?」


「そうです、ユリウスの送り込んだ者達の事を考えれば、マグロさんからの情報を得る為だと嫌でも解ります。

 これを思えば来られた当初から迷惑を掛けていました。

 それに、先ほどの質問ですが、娘に死ぬまで卵を産ませるおつもりでは? そしてお育てになるとの考えで」


「・・・良く分かったな、どうせ死刑だ、シャルの子を残そうと考えていた、罪滅ぼしにはならんけどな」


「それはいけません、死刑囚の子を残しては醜聞が悪すぎます、その様なご決意なら、私が卵を産みます」


「いや、それは公表しなければ誰が相手なのかなんて分からないだろ」


「マグロは甘いにゃ、公開処刑すると言ってたにゃ、公開産卵するのにゃ、大多数にもろばれにゃ」


「ぐ!」


「と言う事です、マグロさん、私に産ませて下さい」


「あのねファサラ、嫁でもない貴方の卵を受け取って育てる訳にはいかんでしょ」


「マグロ様、いっそご結婚されては? 幸いと言いますか、ファサラさんは見た目はシャルと同年齢と言われても可笑しくないですし。

 それにシャルより優し気な顔立ちなので、私的にはシャルより好みですが」


「って事は、俺の案を遂行するならファサラと再婚しろって事よね」


「そうなるにゃ、ティアも賛成するのにゃ、龍族の幼少期の姿を見てみたいのにゃ!」


「ファサラさんに産んでもらえば宜しいではないですか、何か問題でも?」


「そこまで嫁からの賛成の言葉もあるなら結婚して産んでもらおう、躊躇いもあるけど、一人は寂しいものな。

 だが内密にな、俺の立場が怪しくなるし、嫁さん奪う為に処刑したなぞ思われたくないからな」


「当然だにゃ」「ありがとうございますマグロさん」


 嫁が元嫁の母親を結婚相手に進めるってどうよ、俺の頭が追い付かないな・・・


「一つ念を押しておくぞ、ガイエンの時みたいに反対するなよ、知っていて加担した挙句、此方を殺す気で向かって来てたんだからな。

 庇いだてした場合は、そいつも切る。

 それじゃ、ファサラの一般奴隷化と、元々所持してた資産の返還だな、例のマジックバッグに全て入ってるのかな、服やら生活雑貨も入ってるだろうし」


 国宝級だと言ってたアグニスの持っていたマジックバッグを渡して後はカエラさんにお任せする。

 後はブロッサスか、喋らないだろうからそのまま帝都へ連れ出すか。

 ブロッサスの元へと赴き激痛の反動を止めて改めて質問する。


「おいブロッサス、ユリウスが洗いざらい話して陛下の名前もこの大陸にある北方の拠点もばれたぞ、何か言う事は無いか?」


「がはははは! お前はおめでたいな、そんな事を聞いて満足でもしてたのか?」


 ん? ユリウスの持ってた情報とブロッサスの持ってる情報に差異がある?


「お前の言う陛下とはカラドボルグではないのか?」


「さて、どうだろうな」


「正確な名前を教えろ」


「教えるわがああああ!」


「うるさいから一言も発さずに激痛を味わえ」


 この一言でぴたりと叫び声が止み、激痛を味わってる動作はそのままだ、最初からこう命令してればよかったな。


「マグロさん、ファサラさんの一般奴隷化と着替えが完了しました、何時でも帝国へと赴けます」


「こっちは進展したかもしれないな、ユリウスの言う陛下と、こいつの言う陛下は別人かもしれない、それとも単なるブラフでユリウスの出した名前の者かもしれない。

 まぁ、どちらでも行動は変わらんけどな。

 セル殿、俺達に直通の通信水晶を売ってくれないか? 冒険者ギルド経由で連絡は付くが面倒だからな」


「特殊な品ですので、今すぐにお渡しは不可能です、2-3日ほどお時間を頂けたら準備可能ですが」


「一般人でもお金を積めば買える品なのか?」


「冒険者の立場で考えた場合はSランクになれば無償で貸し出されます、緊急時の連絡を取る為です。

 商業ギルドでも手に入れるのは不可能ではありませんが、相当な信用が無ければ如何に積まれようと売って頂けません」


「それじゃお願いする、金額が分からないから言い値で構わない」


「マグロ殿がユリウスへと収めた品を確認してます、そちらから頂き、後程余った品は返品させて頂きます」


「大量にあるから返品は不要だ、と言いたいが、出回っては不味い品が混ざってるな、聖銀とオリハルコンは返してくれるか、金とミスリルは返さなくて良い、後、ドラゴンの素材も返品は不要だ。

 それで代金としておこう」


「それでは代金が高すぎますが、私への直通と一般的な物と2種用意させて頂きます」


「それでお願いする、帝都では処刑しない予定だが、先方次第ではアグニスかシャルを処刑するかもしれん。

 ユリウスはこの地で処刑するのは決定だが心に止めておいてくれ」

遅くなり申し訳ありません、別の選択肢から関わる人物等が変わって来る作品を書いておりました。

送り込まれし断罪者Ver1,5です、此方共々よろしくお願いします。

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