54:奴隷化
現在の時刻は夕方前、16時位、俺の元屋敷のテレポーターでカエラさん宅へ、そこから道を挟んで反対側の冒険者ギルド内へと足を踏み入れる。
「元気かいキャロル、ちょっと訪ねたいんだが、カエラさん達が居るだろ、案内してほしい」
「マグロ、元気かいじゃないわよ、コロコロコロコロ貴方の立場はどうなってるの? 伯爵から皇帝になったと思ったら突然放り出してただの冒険者、何を考えてるの?」
「それについては場所を変えよう、案内してくれ、うーん、ツガットは居ないか、帝都かな」
「ええ居ないわ、それじゃ付いて来て、案内するわ」
こうしてカエラさんの泊まりこんでる部屋へと案内された。
「マグロさん、そちらの用事は終わったの?」
「粗方は終わって、相手は拘束済み、ちょっとカエラさんの力を借りたくて呼びに来たんだ、こっちは何事も無かった?」
「こっちに転移する際に宮廷魔術師に拘束されそうになったのだけど、スラちゃんが消化しちゃったわ、でも、それ以降は追跡も無しですよ」
居ないと思ったらすでに排除済みだったか、セルに探す必要が無い事を伝えないと手間ばかりかかって永久に見つからないな。
「へぇ、大活躍じゃないかスラちゃん」
「そんな事より説明してくれるのじゃなかったの?」
「時間が無いからザックリ行くぞ、ライネルの上層部がスタンピートを引き起こした魔族を匿っててな、その排除をしてるって訳、トップも拘束して、シャルの家族も長男を除いて拘束済み、もう一人メイド長も拘束済み。
後は口を割らせて、その内容次第で今後の行動は不明かな」
「ゾロゾロと嫁と称して連れて来たと思ったら、そんな事に巻き込まれてたのね、それでカエラさんを迎えに来たって事は口を割る算段が付いたんでしょ?」
「ああ、セルの発案でな、どうせ死刑だからと一時的に以前の奴隷化を施して、強制的に喋らそうと言う訳さ、それでお願いに来たって訳」
注釈:主素材に奴隷化する相手より格が上の種族、もしくは同位種かつ相手よりLvの高い者の血が必要。
「確かにその方法なら手っ取り早いけど、ここに来たって事は素材もあるんでしょうね。
ま、そちらは良いけど、帝国の方はどうするの? 中途半端に放り出されたらそれこそ混乱するわよ」
「だな、帝都にはライネルの貴族が28家来てるし、そっちにも説明が必要だからな。
一旦、ライネルで洗いざらい口を割らせた後に全員を連れて行くつもりだ。
結託してた連中一揃え連れて行けばこれ以上に無い証拠だからな、晒し者にするのが一番だろ。
俺の奴隷として登録すれば逆らえんからな」
「それも大事でしょうけど、私が訪ねてるのは、マグロは皇帝の座に復帰するのかって事よ」
「しないだろうな、と言うより出来ないな、理由はどうあれ一度放り出した人物が再度就くなんて、また放り出すんじゃないかと民が付いて来ないだろ。
それより28家に協力して裏から支える方が安定すると思うんだが、キャロルはどう思う?」
「確かに、政策は良くても簡単に職務を放り投げる人物にはなってほしくはないでしょうね、特に皇帝を補佐する人達が、変わる度にすべての面のすり合わせがその都度発生すると考えたら忠誠心が皆無でしょうし」
「そう言う事だね、今も彼らで協議してるだろうから、俺はとりあえず彼らの考えを聞いてから行動を決めないとね、再度就けって話が出た場合は蹴るけどね。
それじゃ、カエラさん、ライネルに待たせてるから早めに行こう。
キャロル、魔族の件はライネルから各国に発表されるから、それまで流布しないでくれよ、口を割るのに明日中掛かったと想定したら明後日か明々後日だと思うけどね」
「当然ね、それに、帝都へ首謀者を連れて行くのなら、ライネルからの発表に帝国も賛同する事になるでしょうね」
「当然そうなる様に誘導してみるさ、それじゃカエラさん、手間だろうけどお願いするよ」
こうしてライネルへ帰還すると問題が発生していた、まぁ些細な問題だけどね。
シャルが意識を取り戻し、拘束を外そうともがいてる場面に帰還したのだ。
「元気だな、ティア、また意識を刈りとらないのか?」
「魔族だけじゃなく、シャルも対象にしようと考えてた所にゃ」
「そうか、ならそっちも任せる、こっちは塗料の準備が必要だからな。
そうだ、まってくれ、開始前にお願いがあったんだ、さすがに自分の血を大量に摂取するのに斬るのは躊躇うだろ、それでちょっとティアに斬ってもらいたいなんて思ってたり」
「以外にマグロは臆病さんなんだにゃ、ティアに任せるにゃ、ザックリ切り飛ばしてあげるにゃ」
「嫌な表現が混ざってるけど仕方ないか、龍化するんで樽1杯分お願いするよ、それと鱗を1枚剝いでくれないか、痛そうだけど、武器は俺のハルバードが丁度良いかな大きさ的に、斬り付ける場所は左手辺りをよろしくね」
全員に後退するようにお願いして龍化する、龍の血が必要だから龍化した姿でないと不都合だからな。 ティアが全力で切り掛かるも全くのノーダメージ、雷の魔力を込めた一撃を放つもそちらもノーダメージ。
ティアでは不適合だと言う事で、今度はセレスが風の魔力を限界まで込めて切り掛かるとやっと傷つけることが出来、採集が完了し、全力で切り掛かってやっと傷つく程度なら鱗の採集は無理って事で諦めた、自分で取りたくは無いからな。
俺って頑丈だったのね、あのティアの全力で無傷って凄いな、龍化した状態のステータスはVITが飛びぬけて強化されてるのかもしれない。
ティアの全力で叩きつけたハルバードだが、良い実験になった、刃こぼれ一つなく、アダマンタイトに魔石を混ぜた所で不都合など一切なかった、これはもう、どんなに叩きつけても壊れる事は無いだろう。
それを見ていたシャルはガクガクと震えていた。
人化した俺は、テレポーター魔法陣用の塗料入り樽を取り出し、新たに取り出したポーション製作用のデカイ鍋に調合するように渡しておいた。
「シェル、塗料の作成をお願いするよ、俺が作るより知ってるシェルが適任だからな」
「任せてください、此方の準備が整い次第、カエラさんと協力して順次契約していきます」
「ありがとうシェル、で、シャル、洗いざらい話してくれるとこの様な手間は要らないんだがな」
「貴様何者だ! あんなサイズはありえん!」
「何者って言われてもな、俺は俺としか返事のしようがないが、俺に質問に答えてくれないか、あの魔族の言う陛下とは何処に居る?」
「知らないわよ、会った事も無いのに答えられる訳がない」
「ほんと、強情な連中だな、さっさと喋ったらどうだ」
俺はシャルの胸をモミモミして徐々に力を入れていく、最終的には指がめり込み血が流れだす。
「ぎゃぁああああ!」
「今は殺しはしないさ、ほら、さっさと喋れ、喋るまで何日でも続くぞ」
「知らないのは話しようが無いだろ! 私が知ってるのはブロッサス様の事のみだ!」
「それは良いな、だったら、奴の拠点は何処だ!」
「ぐっ、この大陸の南方にある10からなる島の一つが拠点だと聞いた事がある」
「リスタルから船で何日程度だ?」
「実際に行った事が無いから分からん」
「ふん、拷問は一応止めておいてやる、質問にはペラペラ答えろ、そうすれば痛い目に遭わずに済むぞ」
「マグロ様、島の数からバルカント諸島だと思います、リスタルから行くと考えた場合、場所的には約南南西で帆船で向かった場合は順風で約5日、風次第では倍以上に期間が必要です。
ですが、暗礁が多く、船では近付けません、帆船で向かうにしても小舟に乗り換える必要があるのですが。
潮流が速い為それも不向きです、私たちが行く場合は帆船から【フライ】で飛ぶ方が安全でしょう」
「龍化して行くのが手っ取り早いけど実際の位置を知らないから無謀か、それならセレスの案が一番確実そうだな。
行きのみ送ってもらい船は帰還させ、帰りは飛んで帰るのが手か、それともリスタルに拠点を買ってテレポーターでも設置するか、発動するか怪しいけど」
「マグロさん、塗料が完成しました、用法はどうしますか?」
「ん? シェル、用法ってなに?」
「今の奴隷化は拘束力が低く、命に関わる命令は出来ません、ですが、この魔法陣を使用した奴隷化は制限がありません。
命令してそれに違反した場合の反動の強さや、拘束力なども魔法陣の書き方で調整できます、どうされますか?」
死なれては情報源として利用できないからな、その点は配慮、後は口答えすら反動がある様にすればいずれ口がかるくなるだろ。
「そうだな、反動の強さは痛みのみの方向でショック死しない程度で上限限界で気絶禁止、止めるまで永続化。
嘘をついた場合はこの限りでは無く10秒間ショック死しても可笑しくないほどの激痛を、その後、先に説明した痛みに変更。
武器の所持禁止、魔法行使の禁止、魔力を利用するのも禁止、ユニークスキルやアクティブスキル使用も禁止、自殺の禁止、行動に関する拒否も禁止、口答えや無言すら禁止にできるか?
命令権を設定可能なら俺以外にもセレス、ティア、シェル、シャロも含められるか?」
「用法に関しては可能ですが、命令権は含める事は不可能です、塗料にそれぞれの血を混ぜるのなら可能ですが、どうしますか?」
「うーん、手間がそれほど掛からないならお願いしようかな」
「ではその様に、マグロさんほどの量は必要ありません、数滴ですから手間は掛かりません。
ですが、1点だけご注意を、マグロさんの血が主となってますのでマグロさんの命令権が上位となりますので、他の人にはマグロさんの命令を上書きできません。
ですが、逆は可能です」
「なるほどな、フリーな状態にしておかないと受け付けない訳か」
「そうです、では、ユリウスが龍化したままなので、解かせる必要もありますからかの者から始めます」
「そうだな、ユリウス、ブロッサス、アグニス、ファサラ、シャル、カロライナの順にお願いするよ、書く場所は背中にな」
セルに宮廷魔術師の事を伝え、その後は予定の調整を話し合った。
決定事項は洗いざらい聞きだして全て書面化する事。
帝都に赴き、必要なら処刑、利用価値があるなら生かして利用する事も検討。
他の情報次第だがバルカント諸島に赴き調査する事。
穴だらけだが仕方がない、帝都からバルカント諸島への予定間は得られる情報次第で前後するかもしれない。
ブロッサスから何も情報を得られなかった場合でも、奴の拠点なら他の魔族との交流もあるはず、奪い取ってそこで生活してれば、進展させることが出来るかもしれない。
終わった者から対処する、ユリウスは人化させ【エキストラヒール】で治療して地下の取調室へ。
残りの者も順次連れて来るように命じてある。
俺達のPTはシェルとカエラさん、その護衛達を残して全員で移動だ。
「さて、聞き取り調査でも始めますかね、いやぁ、これで立場落ちすぎて死刑囚か。
貴様とブロッサスは何処で知り合った?」
「話す事はな、があああああああ!」
「話さんと永久に激痛コースだ、意識も飛ばないし死にもしないから頑張って耐えてくれ。
話したくなったら話せ」
「マグロ様、ブロッサスの奴隷化が済みましたので連れて参りました」
やけに早かったな、ユリウスの様に人化が不要だったからか?
「うるさいから別室にしよう、場所を変えるぞ」
同じ地下、うるさい事この上ない、1Fの待合室で聞き出す事にした。
「お前への質問はとりあえず、お前の言う陛下は何処に居る?」
「ぐうううう!」
「こっちも話す気は無しか、ここは騎士を一人残して地下へ戻るぞ」
地下へ行くと静かになっていた。
「はぁはぁはぁ」
「マグロ様、500年ほど前の大戦の折に出会ったと申しております」
「ふむ、敵同士だったよな、なぜ協力関係に発展したんだ?」
「・・・があああああ!」
「学習能力が本当に無いな、無言でも激痛コースだぞ、さっさと喋れ」
「しゅ、終盤の頃、深追いし過ぎた余とアグニスは捉えられたが、協力する事で生きながらえた、それから命を助けられた恩もあり、徐々に協力していくようになった」
「協力する事とは何だ? 何を協力した?」
「陛下も含めて上位魔族達を乗せて避難させたのだ」
「なるほど、お前とアグニスの責任でとり逃がした訳か、世界の敵確定だな」
「馬鹿すぎるにゃ、これから魔族の襲撃があった場合は全てこいつらのせいにゃ!」
「確かにティアの言う通りだな、協力していくようになったって事は、逃がした後でも離れずに協力してたって事だろ、何をしてた?」
「対魔族に参戦してた他の龍族を捕まえての奴隷化だ、それと排除だ」
「貴様、ブレイズドラゴンの事をうまいと言ってたな、倒した同族を食べてたな!」
「ぐぅぅうう・・・そうだ」
「奴隷化した同族はどこだ!」
「陛下と御一緒してる」
「場所は!」
「・・・があああああ!」
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「こ、の、大陸、北方の、永久氷結の地に城を建てて住んでおられる」
「一番近い国名、もしくはそこに属する国名は何だ?」
「ルサラルドだ、ルサラルド共和国」
「一番近い町、そこからの方角と距離は?」
「最北端の町、ライオネルから北西だ、距離は飛んで半日」
「一番最後に会ったのは何年前だ、その時の魔族で一番レベルが高いのは誰だ」
「200年ほど前だ、その時は陛下がLv800台だとおっしゃっていた、それ以来会っていないので不明だ」
何か変だな、300年間で上がったとして、少々低くてもそこまで個人で強ければ大抵の奴なら勝てる、先制攻撃して即離脱を繰り返せば、相手が数万だろうと完全撤退せずに勝てるはずだ。
何か見落としがあるような気がするな。
「その陛下って奴は何者だ? それと名前も教えろ!」
「・・・ぐあああああああ!」
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「ふむ、そんなに言えない事か、俺が思うに俺みたいな異世界からの転生者か?
毎年Lv1上げたとしても戦争時は500、単独で戦っても戦争に勝てる戦力だよな、転生間もなくでレベルが低く、この300年で800まで上がったと推測すれば辻褄があうんだよな」
「はははは! その通りだ、陛下は異世界からの転生者、戦争当時はLv100も無かったと記憶してる。
名前はカラドボルグと名乗られた」
「短期間で経験を獲得可能な特殊スキル持ちか、それなら納得できるな、名前からして雷系の魔剣持ちと推測可能か、それかそれに準じたスキル持ち。
で、結局な話、なぜ魔族は戦争を仕掛けたんだ?」
「魔族は疎まれた存在だった、魔族と言うだけで忌み嫌われ差別され、裏通りなど人目につかない場所では暴行も受けていた。
陛下はその事に心を痛められて発起された、結果は御覧の通りだがな」
「なるほどな、俺をストレイルへ派遣したのは何故だ? ブロッサスがしていた事を知らなかったのか?」
「派遣したのはシャルの報告で適任だと考えたからだ、敵には譲歩せず残らず殲滅、正に最適だった。
ブロッサス様が捕らえられてきた時には驚愕した、まったく聞いていなかったからな。
マグロが生きたまま連れて来たので逆に安堵もした」
「クリニスは今何処に居る?」
「奴はライネルの代表としてストレイルに赴いている、まもなく聖王国へ向かうはずだ」
? 確かアグニスの後釜にするとか言ってたが、他国に派遣するのか、思い切った事をするんだな。
それとも、俺が集中攻撃を受けるような事を言ったからそれに対抗する為に据えたか、まあ、今更だな。
「と言う事らしい、セル殿、手を打っておいてくれ」
「マグロ殿、今のライネルの者達では捕らえる事が出来ません、格上で返り討ちに遭うのが関の山です」
「うーん、人員は後程話し合おう、俺たちのPTが最適だろうけど予定が詰まってるからな」
「そのカラドボルグと名乗る人物の所有するスキルと得意な攻撃方法は何ですか」
「答えろユリウス」
「得意な攻撃方法は主に剣術、戦闘方法と普段の行動から所持してるスキルは、剣術、盾術、風魔法、水魔法、雷魔法、時空間魔法、無詠唱、鑑定だと思われる、以上だ」
「話を聞く限り鑑定はしなかったようだな、時空間魔法を所持してるだろうと言う根拠は何だ?」
「鑑定しては敵対者とみなされるから余はしていない。
時空間魔法は次元の壁に穴を開け、そこに所持品を保管されていたからだ」
厄介な能力だな、俺の考えてた【空間断裂】が使用可能なら、Lvなぞ関係無く切断が可能、対抗するなら3つほどしか手が無いな。
1:魔力感知をフル活用して回避の一手
2:こちらも同水準まで時空間魔法を鍛えて同質の魔力をぶつけて相殺
3:魔法抵抗力を相手の魔力以上に強化する事で、完全に無力化
簡単なのはポイントをINTに全振りして強引に上げる事、如何に対象を選ばず切断可能と言えど、相手の魔法抵抗を上回る事が出来なければ魔法の効果が一切でない事はスタンピートで体験済みだ。
もしかすると、俺の【ブラストノヴァ】で魔法その物を削れるかもしれないが、賭けになる以上試せないからなぁ。
「なるほどな、ブロッサスの拠点は何処だ? それと、その地にブロッサスの手下は居るか?」
「ぐっ! バルカント諸島、中央部の一番大きな島にある、豪邸が建ってる為直ぐに分かる。
手下は居ない、居るのは全てブロッサス様の奴隷だ」
奴隷化を終えたカエラさんも来てる事だし、聞いておくべきかな。
「カエラさん、この場合はブロッサスを殺したら全員解放されるかな?」
「全て与えられた命令は解除されますが奴隷化は解除されずに残ります、主人不在の状態と言えますね。
奴隷商に頼むなどして解放する必要があります」
「それなら現地でブロッサスを殺す方が混乱しないかもしれないな、それとも、酷い命令をされてる可能性から早めに殺すべきか?」
「マグロ様、それぞれ一長一短がありそれは答えが出ません、ブロッサスが口を開けば良いのですが、未だに叫び続けてると報告もありますから、口を開かせるのは容易ではないと思います」
「そこだよな、帝都にも証人として連れて行く予定だし、あちらで他の者の意見も聞いてみるか、即決する必要も無いからな。
次の質問だ、俺に報酬として与えた書物に罠の類を仕込んでないんだろうな?」
「仕込んでいない、あれを熟読し、理解すれば龍語魔法もマスター出来よう」
「最後の質問だ、お前にとってセルラルファはどの様な存在だ?」
「簡単に言えば邪魔な存在だ、俺に意見しおって、それまでの功績から命だけは助けたが、常時監視させていた」
これで裏が取れたな、セルは白、そのまま王に就いてもらおう。
「ユリウス、お前たちと魔族が結託している事を知ったうえで協力していた奴の名前を全て書き出せ、書記官はユリウスに書き物を。
今日はこれまでにして夕食にしよう、後は明日だな、全員から聞き出せたらティアには悪いが此方の件を優先させてもらおう」
「もちろんにゃ、この件を放置したらダメなのにゃ、マグロは逃げないのにゃ」
「ん? 俺は逃げないけど魚のマグロはたえず移動してるから逃げてると言えなくもないが」
「それはさておきマグロ様、ブロッサスにも命令を与えて地下牢に放り込みましょう、1Fでは迷惑が掛かりますよ」
「そうだったな、叫んでるまま放り込んどくか、聞く者が居ない時にボソっと話して継続を止められるもの嫌だし、俺達のPT員に聞かせろと補完しとけば良いか」
全員一ヶ所に放り込み、部位欠損してるアグニスとサファラを治療し、一人一食食事をしろ、話はするな、暴れるな、この牢屋から出るなを命令、ブロッサスにはそれ+俺達の誰かに聞かせろと追加の命令を与えておいた。
これで永久に痛みが消えない、食事は無理だろうな、一食抜くけど大丈夫だろ。
後から聞いたが、牢屋番は下った者達の手によって排除完了したらしい。
俺たちはカエラさん達も含めて1週間借り受けた宿へ戻り、食事した後話し合いだ。




