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41:サイラス

 冒険者ギルドで決める事も決めたので、先ずは結婚の事だな。

 元領主館でカエラさん達と合流してライネルの我が家へ、まぁカエラさんに伝えてくれとサイラスに頼んだが、一晩では捕まらないだろと勝手に思っての行動だ。

 後になって発覚した、この判断は間違っていたと。

 今日は疲れた、時間勝負でする事が多かった為、昼食も食べれなかったしなぁ。


 そして夕食後、全員集合だ、話すには気が重いがなぁ、その前に嫁たちに気持ちを確認するって事をしてなかったな、はぁ、先が思いやられるな、如何なることやら。


「集まってもらったのは他でもない、男性は直接関係のない話だが、聞いてもらった方が良いだろう」


「マグロのハーレム軍団設立の話かにゃ?」


「そこ! 頼むから話の腰を折らないでくれ、一気呵成に伝えないと折れそうでな、気合いでも入れないと話せないんだよ!」


「マグロ、気合いを入れるのと八つ当たり気味なのは別ですわよ」


「そう、だな、すまないティア」


「理解してるから良いのにゃ、からかって悪かったのにゃ」


「まずは結論から言おうと思う・・・・この場に居る女性全員に俺は求婚する!」


 後は想像にお任せします。

 なんてことで濁したいがそういう訳にもいくまい、不老の事は話したが、強さの部分は曖昧だからな。

 ユリウス陛下より強くなってると説明し、力を意識せずに普通に生活するように頼んだ。

 それとメイドの件だな、妻にメイドをさせる訳にもいかないと思い提案したが、それでは暇になり過ぎて生活が乱れる為、メイドの役割は続けるそうだ。

 だが、彼女達をメイド用に建てられた別館住まいはさせられないので本館の2Fに引っ越してもらった。

 後は結納品だろ、さすがに31人分も用意できるはずもなく、現金を実家へ、帝国の宝物庫より奪って来た品で、効果が低い物を本人に渡すべく選んでもらった、Lv1200オーバーで宝物庫に入れられていた装飾品を装備したらオーバーブーストだからな。

 彼女達は俺と結婚できることを喜んでたよ、顔を合わせて早々に生活環境を主と同等まで引き上げられ、尚且つ、給料と服の支援をお金に糸目をつけずに大盤振る舞い。

 それにクランの件だ、通常の貴族は跡目を継ぐ長男を有名な冒険者PTに入れさせてLvを上げる、依頼するのだからそれなりにお金がかかる、当然嫁に行く彼女達は対象外だ、家を出るのが確定してる彼女達にお金を掛けられないからな。

 そう言う事で、マグロへの好感度が急上昇していた、と言う訳だ。


 嫁の4人には土下座して謝罪しましたとも、軽率な行動で嫁が31人も増えたんだからな。

 と言っても彼女達はあまり気にしてなかった、それだけの甲斐性があれば当然とでも言うのか、俺の思考が付いて行かないがな。

 それに伴い、シャロを奴隷からの解放をカエラさんにしてもらった。


 結婚式だが、結困式とでも言いかえるべきだ。

 そう、アグニスさんにばれたんだよ、夜中に押しかけられ祝辞を頂いたまでは良かったんだが、例の暴走が今回も炸裂し、明後日が結婚式となった。

 当然式で振る舞う料理を準備する時間なんて存在せず、すべて外注、ついでに婚礼衣装のオーダーも間に合うはずもなく、既製品のサイズ合わせが必要だ。

 それに、単に外注と言えども打ち合わせや大広間の飾りつけやらで、てんてこまいだ。

 貴族の御息女の結婚式である為、そこらの服屋で間に合わせろとはいかず、ランクを下げる事はできない、服屋1軒で31人もの衣装のサイズ調整など従業員総がかりだ。

 

 当然ながら全員が精神的にへたばり、式の翌日の食事は式での余り物となった。


 そして式から二日後の朝食後、ユリウス陛下からの呼び出しがあり、王宮に向かった。


「マグロ、突然すまんな、アグニスの暴走で体調不良などなってないか?」


「疲弊はしましたが、全員無事で体調崩した者はおりません、ご配慮感謝します陛下」


「呼んだのは2方面あるが、とりあえずカスタルの件だ、マグロはロドリゲス達の捕縛の依頼を出したか?」


「出しました、陛下の書状で依頼を出すためにはギルドマスターを通すのがスジかと思い、サイラス殿を通して依頼しました」


「少々不味かったかもしれんな、サルラスの口を割らせて、更に証拠品を探したのだがな、サイラスが加担していた証拠が見つかった」


「は? サイラスがですか」


「そうだ、実行犯の討伐部隊を組織しない事を取り決め、安く買い叩いた交易品での売り上げの分配方法と、これは裏切者を出さない為だろう、ラインハルトとクラトルを含めた3者の署名と捺印が押されている。

 元領主館だがその様な書面は発見されていないが、保身の為だ、何処かに隠してる可能性が高い、隠し部屋があるかもしれん、改めて探索する様に指示しておいた」


「それは決定的な証拠ですね、もし、ロドリゲスがこの3者の取り決めを知っていたら、口封じされてるかも・・・探索ですが、シェルは覚えたてで実行可能か分かりませんが、俺とシャルなら空間探知で隠し部屋があっても間取りを把握可能です」


「そうだったな、では、シャルは探索班に加わってもらえないか?」


「了解しましたわ、陛下」


「では探索はその様に、現時点でも証拠がある、この会談が終わったら直ぐに向かってもらう事になる」


「証拠が有れど相手は冒険者ギルドマスターです、俺たちが強引に身柄を確保する事に問題が生じませんか?」


「カスタルの領主が居れば協力を要請できたのだが、決まってるのかすら分からない状態では協力要請はできないゆえな。

 証拠を持ってカサンドラ殿に要請するしかあるまい」


「あちらはあちらで、内部に裏切者が居る状態です、身動きがとれないのでは?」


「そこが2点目に繋がるんだが、クラトルは口が堅くてな、そちらからは情報は取れていないが、奴の屋敷からの押収品に協力者の役割も書かれている名簿が見つかってな。

 これを持ってカサンドラ殿の元へ迎え、そして一時的にでも彼女の命が危険になるかもしれん、警護を頼めるか?」


「それでしたらうってつけの者が居ます、シャロとスラちゃん、頼めるか?」


「はい、マグロ様、お任せください」


 マグロから脱皮するかの如く現れる。

「わたしががカサンドラさんにはりついていてまもればいいの?」


「そうだよ、頼めるかな」


「まかせてよ!」


「変わったスライムだな、喋れるとはさすがはマグロの手の者か??」


「紹介がまだでしたね、帝都で仲魔になった召喚獣です」


「帝都って事は、例のスタンピートも潜り抜けてるとなると、余よりも強いのか」


「はははっ・・・」


「それでは、セクタルに居る裏切者についてもこちらへ護送致します、クラトルが口を割らずとも近くに居た者ならば知ってる可能性もありますからね」


「では、その様に行動を頼む」


 証拠品の2点を受け取り帰還、セクタルへの直通テレポーターは無いのでカスタルの商館(元領主館)へテレポーターで移動した。

 シャルはこの場で探索班に合流、俺たちは5人で都市のテレポーターを使いセクタルヘ。


 前回の門番だった者が警備に当たっていた為、取次も短時間で済み直接カサンドラさんの元へ。


「カサンドラさん、今回も突然の訪問で申し訳ない、証拠品が見つかったのでお持ちしました。

 それと名簿の全員を確保するまで身の安全が脅かされる恐れがありますので、こちらで護衛を致します、シャロ、スラちゃん、頼む」


「マグロ様より護衛の任を頂いたシャロです、よろしくお願いします」


「わたしはカサンドラさんにみっちゃくごえいをするミスリルスライムこと、スラちゃんでーす」


「シャロさんは分かるんですが、こちらのスライムは・・・・」


 ミスリル50kgの塊30個入りのマジックバックを手渡す。


「これ、スラちゃんの食料です、夕食時に1個食べさせてあげて下さい、1個が重いので気をつけて下さいね、地面すれすれに出すのがコツです」


「はぁ、護衛宜しくお願いします、お二方?」


「まずは、カサンドラさんの手下で、セクタルの地に居る者を捕獲しましょうか、対象者はこれです」


 と名簿を手渡す。


「では、拝見いたします」

「ここまでくい込まれているなんて。

 幸い、騎士には裏切者が居ませんね、騎士団に捕縛させましょう、これを手渡す訳にはいきませんので、羊皮紙に対象者を書き写します」


 カサンドラさんが騎士団に勅命を下したので此方の件は待つばかりだ、後はギルドマスターか。

 マハタルは後回しにすると思ってたが、カサンドラさんはマハタルの領主に要請し、同時進行で事が進んだ、この事はマグロは知らない。


「では、そちらは時間の問題ですが、もう一つ、大きな山が残ってます、これを見て頂けますか」


「これは、なるほど、あれだけの被害で討伐隊を組織するのに反対してた理由はこれですか、早速、身柄確保に向かいましょう」


「冒険者ギルドは国と対等だと聞いた事がありますが、根回しも無しに確保して大丈夫ですか?」


「逃げないとは思いますが、カスタルの領主館はマグロさんの手に渡り、クラトルが捕らえられた事も知ってるでしょう、何をしでかすか分かりません、身柄確保を優先させましょう」


「なるほど、それもそうですね、逆に証拠を捏造して罠に嵌める手はずを整えるかも、急ぎましょう」


 こうしてカサンドラさんと騎士5名を連れてカスタルの冒険者ギルドに乗り込んだ。


「セクタル領主のカサンドラです、至急ギルドマスターのサイラスに会わせなさい」


「カサンドラ様に、それにマグロ様、至急、お伺いしてまいります」


「その必要は無い、我らも向かう、案内してもらおう」


「わかりました、ご案内致します」

 

(カサンドラさん、先に俺が話します、聞きたい事があるので)

(ではマグロさんの用事が済んだのち、私が引き受けます)

(お願いします)

 こうして11人で乗り込んだ。


「マグロに、それにカサンドラ殿、それに騎士? 何だか物々しいな、如何したんだ」


「ロドリゲス捕縛の件はどうなった? カエラさんに捕まった場合は連絡をとお願いしてたが急用でな、彼女を連れて屋敷に戻ってたんだ、連絡取れずに困って無かったか心配してたんだ」


「その件は受けたその晩で解決してな、宿屋に居るとの通報を受けて、その場に居た冒険者に緊急依頼を出して対処してもらったんだが、相手との実力が拮抗しててな、身柄の確保が出来ず皆殺しになってしまった、申し訳ない」


「話が違うんじゃないか? ロドリゲスのランクは分かってたんだろ、なぜ拮抗してる者を行かせたんだ?」


「逃げられると困るだろ、だから急いだんだ」


「お前、口封じの為にわざと拮抗した者を行かせて殺す様に仕向けただろ、もしくは、向かった奴はお前の手の者か、それとも俺からの依頼内容を生きたまま身柄確保から生死問わずにでも変えたか?」


「何を言い出すんだ、そんな事をしても何も得はしないだろ」


「まぁいい、その場に居たギルド職員に聞けば事情は分かるだろ、後はカサンドラさんにお任せします」


「任されました、それではサイラス、貴方を一連の交易襲撃の首謀者の一味として身柄を拘束します、これが証拠です」


(・・・・・・)


「何をブツブツ話してるんだ、言いたい事があるならはっきり言え」

 

 証拠隠滅の為にファイアーボールを放って来た、魔法の詠唱だったのか、馬鹿だな、証拠隠滅できたとて、攻撃魔法を放っては余計に罪が重いだろうに。

 だが、遅いんだよな、護衛の任に着いてるシャロが割って入り、両手で握りつぶし、一気に間合いを詰めて拘束する。


「ありがとうサイラス、その行動で十分だよ、同じ名前の別人だとか、適当にでっち上げた証拠だろうと言われるより、あんたの不利になる証拠だから証拠隠滅の為の行動だとはっきりと断言できるからな。

 今更言い訳は通用しないぞ、証人もこれだけ居るんだ、カサンドラさんも居る、案内してくれたギルド職員も居る事だ、致命的だな。

 彼女にも護衛をつけて、あんたの刑が執行されるまで守るからな、何か言いたい事はあるか?」


「・・・・」


「ではマグロさん、身柄も確保しましたから、サイラスが持ってるであろう証拠も探しましょう、それに、ロドリゲスの件も含めて状況の確認も必要です。

 騎士たちをこの場に残して証拠の探索や状況の確認をさせましょう、一時、彼の拘束をお願いできますか。

 ギルドにある通信水晶を使用させて頂き、他の領主やギルドマスター達との会談の場を設ける為の調整を致します」


「拘束でしたら任せて下さい、生け捕りは得意ですから」


 俺はサイラスの拘束担当となり、カサンドラさんは、シャロと二人で1Fへ下りて行く。


「そこの職員さん、今回の件を知った事を知ってるのは我らと敵対してるサイラスのみ、実際に襲って来るような輩は居ないと思いますが、如何しますか」


「私の名前はアルヴァールです、職員とは呼ばないで下さい」


「マグロは肝心な事が抜けてますね、サパンでの事を忘れてませんか、彼女が案内してサイラスを拘束して連れ出せばアルヴァールさんが事情を知ってるかもしれないと思われて攫われる可能性がありますよ。

 彼女には退職して頂き、我が家へ来てもらいますか?」


「可能性は0ではありませんが、冒険者ギルドを敵に回す様な者は居ないと思いますよ」


「甘いですわよ、3週間ほど前でしたわね、サパンの冒険者ギルドが襲われて全員が拷問を受けましたわ」


「最悪な展開を想定したらそうなるにゃ」


「退職して、保護して頂いた方が良いのでしょうか」


「どう転ぶか分からないから断言はできないが、来てくれるのは有りがたい、冒険者ギルドの受付嬢なら優秀なのは間違いないし、カエラさんには手が足りてないから来てくれるなら、それはそれで有り難いが」

 

「カエラさんとか、手が足りないとか、何の事ですか?」


「アルヴァールさんの能力を見込んでの提案なんだが。

 俺の嫁のカエラさんがライネルとストレイル間での交易商として現在準備中なんだ、その方面で手を借りたい、もちろん衣食住すべて責任を持つよ。

 現在だとライネルには店舗が1軒と各倉庫が3棟、ここカスタルに店舗か拠点かまぁ良く分からないが1軒ある。

 実際に見てもらって、同僚になる人も紹介が必要だし一度来てみるか? それで判断してもらえば良いからな」


「本日お伺いする事はできません、業務に差し支えますので、明日お伺いしても?」


「ではその様に、この場に居る誰かがお迎いに来ますので、明日朝、朝食後辺りでギルド内に来るようにしますね」


 セレスのスラちゃんに彼女の護衛を任せ、今晩の分のミスリルを先に食べさせてあげた。

 サイラスの身柄と共に、カサンドラさんの邸宅へと帰還。

 サイラスは牢屋と言う宿屋に放り込み俺たちはカサンドラさんの執務室へ。


「疑問に思ってたんだがにゃ、身柄も証拠品もライネルへ送ってるのは、今後どうするのにゃ?」


「ああ、そう言えばそうだな、証言も証拠も揃えば、最終的には聖王国グランドへ繋がる証言をした人物と証拠のみで事足りるんだよな、カサンドラさん、どうしましょ?」


「聖王国グランドとは何の事でしょうか?」


「あれ、説明してかなったっけ?」


「マグロさん、してませんよ」


「あちゃー、では急遽ですが説明を。

 端的に言えば、捕らえた盗賊からの証言で聖王国の枢機卿がクラトルへ依頼し、クラトルは自身の立場を利用して交易品を奪ってた、と言う事が分かってます」


「そうでしたか、クラトルが口を割れば、もしくは聖王国へと繋がる証拠品が見つかれば、クラトル以外はストレイルで裁きにかけるべきですね」


「そうですね、大半が捕まるのも時間の問題、これでマハタル方面のみを残して掃除は完了しますね、サイラスを連れ出す訳にはいきませんし、彼の口を割らせるのはお任せするとして。

 今回捕まえた者達を引き渡して頂けますか? それと今後の調査に不要な者達と証拠品をカサンドラさんへ引渡す様に陛下に掛けあってみます」


「いえいえ、今回こちらで捕まえた者達はこちらで調べます、名簿ですが証拠品ですので法の裁きにかける際に必要になりますのでそれまでお貸しいただきたく。

 マハタル方面ですが、かの地の領主に協力を要請して現在、捕獲の最中です。

 それと引き渡しの件をよろしくお願いします」


「ふむ、でしたらその件も踏まえて用報告ですね、後はマハタル方面も手筈済みでしたか、それならお願いがあるのですが」


(≪コンコン≫、カサンドラ様、カスタルへ同行された騎士団の方がお戻りです、報告の為戻られたとの事です)


「話の途中ですがお聞きになりますか?」


「入って頂きましょう、何か進展があるかもしれませんし」


「その者をお通ししなさい」


(畏まりました)


 約3分後。


「失礼いたします、ロドリゲスの調査が完了しましたので、その件だけでもと思い、報告に戻りました」


「では、報告を伺いましょう」


「はっ、先ずはクエスト発注に関して依頼書に書かれていた内容ですが、発注者は怪盗=マグロ様、対象者はロドリゲスPT員5名、報酬は一人に対し金貨100枚、直接的な情報提供者には金貨50枚、対象者の生死は問わず。

 盗賊への情報提供の証拠が揃っており、刑を執行するとの理由も書かれておりました。

 そして、飲食店5店舗へ金貨20枚ずつ配布し、金額内で振る舞う様指示されていました」


「サイラスに頼んだ内容と大分違うな、俺は生きたまま確保して一人に金貨200枚。

 情報提供には、5名が分散してる可能性も入れて、最大5名分、一つの情報に対して金貨200枚。

 5人同時に確保した場合にボーナスとして金貨200枚。

 ロドリゲスの行先が不明な為に、ストレイル5都市に対して飲食提供と考えていたから全額で白金貨3枚を手渡した、差額はどうなったんだろうな」


「依頼書を作成したギルド職員に話を聞きましたが、サイラスより手渡された金額は金貨650枚との事、帳簿への記載も同額でした」


「サイラスが差額を着服したのは確実なんだが、こいつは馬鹿だな、調べられたら即ばれるのにな」


「依頼が完了すれば調べられないと考えたのでは?」


「サイラスの資産を調べる様に指示しましたが、差額は発見されてますか?」

 

「いえ、現在も4名で確認しながら書類も含めて確保中ですが、金貨100枚程度の現金しか発見されておりません」


「直ぐに使える金銭は手元に置くとしても、大金は何処かに隠しているのか、それとも協力者が居て、そちらへ流したか、強引にでも口を割らせますかね。

 少し席を外します、ティア、力を貸してくれ、奴の口を割らせるぞ」


「やっと決意したのにゃ、最初からマグロが口を割らせればこんな手間は必要ないのにゃ」


「今までは間接的な被害だったから甘い対応をしてたが、今回は直接的な被害を被った。

 出張るのは当然だろ、口を割るまで三日三晩だろうと張り付くぞ!」


「お待ちくださいマグロさん、マグロさんが手を煩わせるまでもなく私どもで対処します」


「ダメですよカサンドラさん、マグロが本気になったら誰も止められませんわ、無理に止めようとするなら敵対行動とみなして、カサンドラさんも、ただではすみませんわよ」


「すまないなカサンドラさん、俺と敵対した奴は殲滅すると決めてるからな、止めてくれるなよ」


「マグロさん、止める事は諦めましたが、殺さない様に注意して下さい」


「勿論です、その為にティアを連れて行くんです。

 では、皆は夕刻には屋敷へ戻り、この事を伝えてくれ。

 それと、明日朝一番でアルヴァールさんを迎えに冒険者ギルドへ、そして、カエラさんに同席してもらって色々と説明を頼むよ、こちらが早く片付けば合流するから」

 

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