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40:よ、嫁が・・・

 翌朝、朝食後に王宮へと赴き、謁見の間に。


「お時間を頂き誠にありがとうございます」


「よく来てくれた、先ずはマグロに依頼されたカサンドラの交易状況だな。

 カスタル方面が今回のスタンピートで混乱してる為、こちらの便は現時点では半数程度、対処としてナノタルからの購入量を増やし、マハタル方面の交易が1,5倍ほどだそうだ」


「なるほど、襲われる件数に関しても情報がありますか?」


「カスタル方面はスタンピート後に襲われてはいないとの事だ、マハタル方面は変わらずに一定数との事だ」


「なるほど、そちらも盗賊から捕まえれば上まで釣れそうですね」


「そうだな、だが、この情報で方針を変える必要があると思うぞ、おい、説明して差し上げろ」


「は、盗賊達の証言と証拠品から判明してる事です、命令系統と内容ですが、まず、聖王国ブランドの枢機卿ですが、顔は知ってるものの名前は不明。

 それから直属の諜報員からカサンドラの側近であるクラトルへ我が国へ渡る物資の阻止が依頼され、自身の身分を利用し、交易の場所や護衛の人数、日時の情報を取得。

 そこから2方向へ別れますが、先ずマハタル側ですが、協力者であるイサイトへ流れ、利用した冒険者は不明、セクタルとマハタル間に居る実行犯へと指示、規模は正確な数は不明ですが30人前後との事。

 次に捕らえたカスタル側ですが、クラトルから指示を受けたのはサルラス、それから冒険者のロドリゲスが実行犯へと指示書を手渡し、金銭を受け取り、クラトルへ直接手渡してた模様。

 次に、奪ってた交易品ですが、マハタル側の利用してた商家は不明、カスタル側は判明し、領収書も押収品にありましたが2種類存在してます、ですが、証言から商家は一商家のみで他の商家には売ってないとの事、これにより途中からは偽装した領収書と判明、その商家ですが、ラインハルト家です」


「なんだと!」


「何事だマグロ」


「陛下もご存知でしょうが、ラインハルトはカスタルの領主です、ですが、もう生きてません」


「どうしてだ? スタンピートにでも巻き込まれて逝ったか?」


「それは私の方から説明致しますわ、ラインハルトはブレイズドラゴンの国外への持ち出し禁止を執拗に言ってましたわ。

 それでマグロは、ブレイズドラゴンの価格を算出して税金を出すと主張されたのですが、前例が無く、オークションに掛けられ、その金額に対して支払う事に全員が合意したのですわ。

 説明は不要ですが、ラインハルトは自身で競り落とせば良いと思っての合意だったと思いますわ。

 それで、マグロが競り落としたのですが、競り負けたラインハルトが通常は1割の所を、領主の権限である税率の変更を掲げまして、3割求めたのですわ。

 それで1割なら通常の取引として終わらせ、3割を支払うのならマグロのクランと戦争、何方を選ぶかラインハルトに突きつけまして、ラインハルトは戦争を選びましたの、それで死んだのですわ」


「なるほどな、カスタル方面の主要人物としては、サルラスとロドリゲスを残して全滅してるな、補助してた人物は居るだろうが、この2名を捕らえれば協力者も判明しよう、そちらを捉えるのも時間の問題か」


「それで、追加で説明が必要なのですが、この戦争の際にラインハルトの邸宅を戦勝者として受け取ってます、その際に金品や書類を持ち出して来ています、これは検証の為にお渡しします、ですが、荒い探索でしたので見逃しがあるかもしれません、今一度軍部の方で探しますか?」


「それは渡りに船だな、一度総浚いしてみよう」


「我が家のテレポーターでカスタルへ飛べますので、後でご案内します」


「流石マグロだ、面白い事をしておるな、だが、そのテレポーターを利用して不定の輩が入りこむとも限らない、運用には注意するように」


「はい、一応ですが、悪意がある者を弾く結界魔法陣を構築しております」


「なるほどな、対策があるのであれば問題ない」


「ラインハルトの件はそうとして、証拠を提示してサルラスとロドリゲスのPT確保を冒険者に依頼を出しますか? 逃げられる前にクラトルの身柄を確保する方も重要そうですが」


「余の名前で証拠がある故クラトルを引き渡すように書面を一通用意しよう、それを持ち、カサンドラの元へ余の代理人として行ってくれるか、自殺されないように例の手法でな」


「了解しました、それではもう一通したためて頂けませんか、サルラスとロドリゲスPTの身柄確保の為の書状も下さい」


「ではこうしよう、クラトルの身柄と引き換えに渡そう、マハタル方面は冒険者ギルドへ身柄確保の依頼をした後にするぞ」


「では、当面としてはこの様に行動します、それと相談があるのですが」


「ほう、珍しいな、何かトラブルか?」


「トラブルと言いますか、ドジを踏んだと言いますか」


「マグロが言い淀むとは、初めての事ではないか?」


「実は、冒険者ギルドでPTからクランへ変更して、執事やメイドの方を含めて加入させました」


「それの何処が問題なんだ? 彼らを強くして安全性を高めたいのだろう、普通の事だと思うがな」


「いえ、それがですね、全員がLv1200を超えました」


「・・・・は?」


「ですから、加入した全員がLv1200を超えました」


「其方の元に行ったメイド達が、余より強くなったと申すのか?」


「申し訳ありません!」


「一先ず、其方を鑑定させてくれ、それでメイド達を鑑定せずとも判断がつくだろう」


「偽装は外しますので、隅々までどうぞ」

「・・・・本当のようだな」


「どうしましょう」


「いや、余に聞かれてもな」


「それと追加でもう一点」


「まだ何かあるのか?」


「種族制限突破のユニークスキルを鑑定してもらえますか」


「ちょっとまってろ」


「・・・・」


「なるほど、不老を手に入れたか、それもクラン員全員が・・・」


「彼女達は老いなくなったと喜んでいました、ですが、彼女たちが結婚して分散したらと考えた場合、かなり不味い展開になるかと、愚考しております」


「懸念してたのはそれか! 確かに不味いな、もう腹を括るしかないだろ、マグロよ」


「どの方面へですか?」


「そこの狼族はマグロの奴隷であろ、その少女も含めて、いや、クランの女性全てと結婚しろ!」


「マジですか!」


「本気だ、マグロが抑止力となって彼女達を纏める以外に手が無いんだぞ、余でも止める事は不可能だ、これは命令だ、良いな、絶対に嫁にしろ! 彼女達のご両親へは余が通達しておく」


「りょうかい、いたしました」


「しかし、女性はそれで良いとして、男はどうするかな、無理やり奴隷にする訳にもいかんからな。

 仕方ない、そっちは今までの通り接しろ、離反したら、全員で叩け、全員が同時に離反してもこちらは27名か、それだけ居れば制圧も余裕だろ」


「すみません、俺を含めると36人です」


 注釈:マグロと共にし、戦闘している者が本人も含めて6名、メイド16名、追加で雇った人が7名、交易に身を転じた者が5名、カエラさんと盾職が1名、合計で36名。


「何だ、他に連れ込んだのか?」


「いえ、転生してすぐにお世話になった方がサパンの奴隷商人で女性でして、例の皇帝から資産を全て奪われていた為、こちらに招いてクランへ入って頂いてます。

 現在はライネルとストレイル間の交易路の構築中です。

 そして、その護衛にと奴隷を5名購入しまして、内1名が女性です。

 そしてメイドの5名がその者の商いに参加し、その穴埋めに7名雇いましたのでこの人数です」


「なるほど、恩人に手を貸すのは当然だな、先ほどのテレポーターもこの件絡みか」


「はい、我が家の敷地に食糧庫を建築中です」


「食料の交易商か、それはありがたいな、そもそもなぜこの様な事態になったのだ? スタンピートの為だとは分かってるが理由を話してみろ」


「一つ目は俺が神より授かった祝福の効果の為です、取得経験が3倍になり、クランメンバーが増えても分散による低下が発生しません。

 それで、今回のスタンピートで、先方の騎士団と冒険者達では全滅する相手が出現した為、そこから先の戦闘は、我ら6名で全て倒しました。

 数としては2日以上の期間倒した為、破損が激しく打ち捨てた個体もありますが、回収した魔物は合計で16万匹以上です」


「・・・・それで3倍と言う事は、ざっと48万匹分の経験値をクラン員全員が取得してこの事態か、それで何を倒したんだ」


「打ち捨てた個体もありますが、回収した個体数ではウロボロスが19732匹、ドラゴンが19248匹、頭2つの犬が12571匹、頭3つの犬が22326匹、キメラが17354匹、サイクロプスが12567匹、ギガンテスが32560匹、ヒドラが25382匹、以上です」


「犬って、頭の数からオルトロスとケルベロスであろう、それはまあいい、かなり上位の魔物ばかりだな、それが途方もない数だ、上がったのも頷ける、相談、いや命令だ、余と信頼できる側近をマグロのクランへ加入させよ」


 ちょっと気になる点があるからな、こっちか制限を掛けとくか。


「命令でなくともご加入頂くのは一向に構いませんが、陛下とアグニスさんのご家族の方のみにして頂けませんか。

 アグニスさんの家族はシャルを含めて4名、陛下を含めて5名でお願いします」


「マグロの知らない者達を入れるのは抵抗あるものな、5名でよかろう、冒険者ギルドにその旨伝えておいてくれ、言い忘れていたが、クランへの招待は極力控えるように、では、以上だな」


「何度もすみません、もう一点、ブレイズドラゴンを解体したので持参してます、こちらでお渡ししますか?」


「ほう、楽しみにしてたぞ、こちらで受け取ろう」


 前回は直接置くという愚考をしたからな、今回は【アイアンウォール】で巨大な受け皿を作りその上に置いて行く


 肉:20000kg

 牙:大20本


「どうぞ、おすそ分けです」


「前回といい今回といい、世話になりっぱなしだな」


「いえいえ、恩に恩で報いるのは当然です」


「では、これで完了か?」


「はい、以上です」


「では一時、待合室にて待機を頼む、したためるゆえな、それと、入口に人員を待たせておくゆえ、案内を頼んだぞ」


「了解致しました、陛下」


 陛下よりの書状を受け取り、接収してきた金品も含めて渡しておいた、高価なアクセサリーも含まれている為、証拠品かもしれないからな。

 マグロは単独で冒険者ギルドに加入の件を、シャル達にはカスタルの屋敷へと案内してもらった。

 合流前にちらっと結婚の話をセルに伝えて、後日に詳しく話す事を伝えて貰った。

 

 そして合流後、カスタルの詰め所にあるテレポーターを利用して現在地はというと、カサンドラ殿の屋敷前だ。


「そこの者止まれ、こちらへ何用だ」


「カサンドラ殿への謁見を希望する、我らはライネルのユリウス陛下より直々に依頼を受けた使者である」


「使者殿、本来であれば先ぶれの使者や通信水晶で陛下の代理が来る旨を連絡するのが通例、本当に依頼を受けたのですか?」


「無論だ、陛下より、カサンドラ殿から常日頃食料に関して多大な恩恵を受けている為、この度オリハルコンの鉱石を取得したので、お礼の品として直接お贈りする様に預かってきておる、これがその書状だ、開けるなよ、首が飛ぶぞ」


 書状を手渡す


「確認致しました、確かにユリウス陛下の刻印が刻まれております、ご案内しますので此方へ」


 案内人とは別に走って向かう者がいる、先に知らせるつもりだろう。


「此方です、(コンコンコン) カサンドラ様、ユリウス陛下よりの使者をお連れしました」


(どうぞ、お入りになって)


 中へ入るとその者は妙齢の女性だった、少々ふっくらとした印象か、少し丸みを帯びた顔が可愛いな、特徴的な耳でもないから人族だろう。


「初めましてカサンドラ殿、怪盗=マグロ=ヴァンティユと申します、マグロと呼んで下さい、この度は突然の訪問にもかかわらずお会いして頂き、感謝の言葉もありません」


「カサンドラと申します、お気軽にカサンドラとお呼び下さい、ユリウス陛下の御使者とお聞きしております、全ての職務を放棄してでもお会いしますとも」


「品が品ですから、周りの方々はご遠慮願えませんか」


「聞いての通りです、皆は下がりなさい」


「私どもは失礼いたします、御用の際はお申し付けください」


 2分後。


「よし、聞かれる距離から全員が離れた様だな」


 オリハルコン10kgと書状を取り出す。


「その品は?」


「少々口調を崩させてもらいますね、カサンドラさんも普段の言葉使いで構いませんよ、では改めまして、オリハルコンは常日頃のお礼の品、と言う事で陛下からではなく俺からです、要件はこちらの書状です、先ずは此方をご確認を」


「それは受け取る訳にはいきません、お持ち帰り下さい、貴重品ゆえ宝物庫に保管した、とでも説明しておきます。

 書状を拝見させて戴いますね」

「クラトルが交易の妨害を、その証拠がそろっていると」


「簡単に説明しますと、我らは今回の調査を陛下から受けた冒険者です、カスタル方面の実行犯は捕まえてます、後は連絡役の者達ばかりですね。

 こちらへ確認が来たかと思いますが、カスタル方面の被害が無くなったのが証拠です。

 サルラスとロドリゲスの名に覚えはありますか? その者たちがカスタルでの連絡役です」


「サルラスは商会のカスタル側での責任者で、ロドリゲスはその友人、クラトルとも頻繁に会っていました」


「それなら身柄確保は容易のようですね、身柄は此方に引き渡して頂きますが、宜しいですか?」


「本来であれば私どもで調査すべき案件、ですが、裏切者が混ざってる以上、その選択肢はありませんね、お手数おかけしますが、よろしくお願いします」


「では、身柄確保もですが、クラトルの資産を差し押さえましょう、証拠品がどっさり出てくるでしょうね、家探しするのに陛下に頼んで騎士を何名か連れて来ますよ」


 サクッと捕らえることが出来た、敵対って事で赤いマーカーで表示されてるからな、どんな基準なのかさっぱり判らないが、仕方ないだろ、自分で構築しておきながら、と言われそうだが、この世界の摂理なんて知らないからな。

 クラトルへ質問してみたが何も話さないので、威力を超がつくほど押さえて電撃を、ヒールは強めに与えて拘束し、移動型テレポーターで身柄をユリウス陛下へ預けてサルラスとロドリゲスの身柄確保の指令書を頂いた。

 クラトルの資産を差し押さえる旨を説明して騎士達5名に来てもらう、クラトル所有の屋敷の差し押さえと、勤めていた者達は関係者かもしれない為に拘束した。

 後の家探しは彼らに任せて、帰還する場合はカスタルの元領主館に行くようにお願いして移動型テレポーターは回収した。


 本当ならクラトルの口を割らせればごっそりと情報を聞き出す事も可能だが、その前に今回の件が知れ渡っては、捕らえる前に逃げるなり証拠隠滅される可能性が有る為この点の対策をしないと支障が出るからな、その辺をつめておかないと。

 

「カサンドラさん、テレポーターと通信水晶ですが、他にも仲間がいると前提して、クラトルの一味に知られない様に使用制限を掛けて下さい、確か通信水晶は冒険者ギルドと商人ギルドにもありましたよね、そちらにも連絡しておきますか」


「そちらはお任せください、テレポーターの使用制限は私でないと制限を掛けられないので、ですが、手の者を使えないので私が出向いて説明します、通信水晶の件もお任せ下さい」


「お手数ですがお願いします。

 それで、一応ですが、サルラスとロドリゲスの身柄確保の為の書状を準備してますが、何方か案内してくだされば、俺達で確保します」


「そうですね、ロドリゲスは何処に居るか不明ですが、サルラスの居場所ならば判ります、カスタルの地理にも明るい者をつけましょう。

 クラトルの協力者かどうかの判別がつきませんのでマグロさんに監視して頂いて宜しいでしょうか?」


「了解しました、ロドリゲスの身柄確保が出来なかった場合は、冒険者ギルドを通じてストレイル全土に身柄確保の依頼を出しておきます、それは俺の管轄ですね、書状があるのでスムーズに応対して頂けるでしょう」


 サルラスも簡単に身柄を確保出来た。

 拘束してちまちま対応するのも面倒だ、そうなれば、分かるだろ?

 心が折れるまでいたぶり、話をさせて下さいと言わせて、証拠品も押さえた。

 従業員も少なからず事情を知ったうえで協力していた者と、単に利用されてる者と、全く関係してない者の三者三様居たが、サルラスの証言と証拠品から選り分けて協力者と共にライネル行きだ。

 行った先がライネルの王宮だ、俺と同じく直通だが、待遇が天と地ほどの差が有るな。

 その護送にはシャル達に任せて案内人もカサンドラの屋敷まで送る様に頼んだ、移動型テレポーターも勿論預けたぞ。

 

 俺は単独行動だ。

 サルラスからの情報を元に、人に道を尋ね歩きながらロドリゲスの頻繁に立ち寄る酒場や宿泊施設を回ってみるも居なかった為に、冒険者ギルドへと赴いた。


「Bランク冒険者で【真摯の断罪者】のマグロだ、サイラス殿への面会を希望する」


「これはマグロ様、ようこそいらっしゃいました、少々お待ちください」


 待ち時間も5分程度と、最優先で会うことが出来た。


「マグロに話す事があったから丁度良かった、戦争で屋敷の権利がマグロに移る事が正式に決まった、これからは気兼ねなくこちらに滞在してくれ」


「へぇ、難癖つけてくるのが二人や三人は居ると思ってたが意外だな」


「居た、だが、マグロと敵対する事の危険性をじっくり教えたら納得した、それで俺に面会と聞いたが何用だ?」


「俺から説明する前にこれを読んでくれ」

 

 陛下からの書状を手渡す。


「なるほど、ユリウス陛下の蠟封か、では拝見する」

「了解した、だが、俺に裁く権限は無いぞ、身柄確保のクエスト発注を容認する程度だな」


「何が書かれてるのか知らないから手短に説明するよ」


 陛下直々の依頼を受けてストレイルに来た事。

 セクタルに着いて早々スタンピートが発生してる事を知った事。

 カスタルに向かう際に今回の実行犯である盗賊を捕らえて証拠共々ライネルへ送った事。

 そしてスタンピートクエストに参加した事。

 オークション終了後にライネルへ帰還し、盗賊と証言から主犯は聖王国の枢機卿である事。

 同じく盗賊と証拠品から、ラインハルトが盗品を買っていた事。

 枢機卿に依頼された者達がクラトルであり、それを実行してた者達が居る事。

 そしてカスタル側で捕らえる必要があるのはロドリゲスのPTのみだと言う事。

 

「理解はしたが全然手短に感じなかったな、一連の交易路での襲撃事件はこれが原因だったんだな」


「その言い方だと、知っていて対策を取らなかったのか?」


「ラインハルトと協議を重ねて討伐部隊を編成させる方向で話してたんだがな、奴が乗り気でなかったのはこの為か、これなら辻褄が合うな」


「ところで、ロドリゲスはPTを率いてると聞いて勝手にPT扱いしてたが、実際はどうなんだ?」


「PTだぞ、近接4名に中距離1名に遠距離1名だ」


「スタンピートでは生き残ってるのか? 勝手にCランク以上だと決めつけてるんだけど」


「1名が死亡したな、近接一人だ」


「では懸賞金を掛けよう、成功報酬で一人に金貨200枚、5名同時だとさらに上乗せして金貨200枚」


「ただの身柄確保にそれほど必要か? その一割で良いと思うがな」


「なに、金額が跳ね上がれば尽力する者達も増えるだろ、そうだな、実力的に捕まえる事が不可能な者からの情報も大切だな、決定的な情報提供者にも情報提供料を進呈しよう、これも金貨200枚出す、しかも全員がバラバラで行動してるかも知れん、よって情報提供も5名分だな」


 白金貨3枚を手渡す。


「多いぞ、釣りが必要だな」


「いやいや、必要ない、大半の人は探すだけで給料無しになるだろ、情報提供次第ではもっと余るだろうけど、残った金銭で料理や酒とか飲み物を振る舞ってくれ。

 無論、ストレイル内の冒険者ギルド全てにだぞ。

 それと捕らえたらだが、接収した屋敷に今現在だとカエラって女性がいるからそちらへ伝えてもらえれば俺まで連絡が来るはずだからお願いするよ」

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