4:初戦闘
2016/09/12:行間調整。
流石に長居し過ぎたのか、此方を認識したであろう敵が三体、森側から接近して来るのが空間把握で見て取れる、相手が森の中では魔法を当て辛い為、町側の草原へ百mほど走り振り返る。
犬か? 狼か? とりあえず鑑定。
アストロウルフ
レベル5
状態:良好
HP:130
MP:28
STR:25
VIT:15
DEX:35
INT:10
LUK:8
スキル:嗅覚探知
速度重視のステータスか、なら此方も速度重視の魔法で対処だな。
アストロウルフに接近される中【ファイアアロー】×三【ストーンアロー】×三、各属性一発ずつ当てるべく発動する。
前方二体に対し二発ずつ命中し息絶えるも一番離れてる個体に対してはファイアアロー一発は外しストーンアローが足に命中し、アストロウルフは前のめりになり転がった。
速度重視の敵だと分が悪いか、見えてるんだから避けられるわなぁ。
もう一発体制の崩れている所に魔法を当てる【エアアロー】 身動きが出来ないアストロウルフの頭に見事命中し息絶える。
ちょっとグロイが殺したのだし当然だな、血の匂いが拡散する前に収納しないと余計に集まって来るだろうな、その手のスキル持ちだし、と思いながら回収した。
回収して自動解体を試してみるか。
アストロウルフ×三解体
アイテム
アストロウルフの牙×六
アストロウルフの毛皮×三
アストロウルフの肉×三
内臓がどうなるのかと思ってたけど不要な部分と判断されたら処分も自動か、ステータス確認したら今度こそ町に行くか。
ステータス
怪盗=マグロ
年齢:16歳
Lv:1
種族:竜人族(特殊)
職業:見習い魔法使い
状態:良好
HP:275/275
MP:47/162
STR:60
VIT:40
DEX:35
INT:50
LUK:25
EXP:450/1000
加護で三倍になってるはずだから元は五十か、数さえ倒せればLvも上げやすそうだな。
町に向かいながら相手に察知される前に遠距離から魔法で倒して回収し、東門に到着した頃には六体倒していた。
門番が四名、盾に片手剣スタイルか、剣は抜いておらず腰に剣帯を巻き付け帯剣していた、その中の一名から声を掛けられた。
「止まれ、見ない顔だな、よく見れば竜人族か、でも変だな、普通の竜人族には翼は無いはずだが、まあ良い。
滅多に山奥の里から下りて来ないのにどんな要件だ? 入るならば身分証を、無ければ犯罪確認して銀貨一枚だ」
引き籠りの種族か、これを利用して通るのが目立たないな、常識にも疎い点を強調出来ればなおさら良いな。
「俺はマグロ、世界を見たくて里を飛び出したんですよ、身分証は持ち合わせてないから銀貨1枚でお願いする、それと人族と接した事が無いから一般常識を身に着けたい、有用そうな場所を知っていたら教えてほしい」
「マグロか、滅多に取れない幻の魚の名を付たのか、相当ご両親が好きだったのだろうな、ではこちらの水晶に触れてくれ、名前と犯罪経歴が映し出される。
問題なければ銀貨一枚払ってもらい仮証明書を発行する」
水晶
名前:怪盗=マグロ
犯罪歴:無し
どんな原理なんだ? まぁ異世界だしそんなものと思っておくか。
机に椅子とか準備してる辺り、何をするのかと思ってたらそこの手の作業をする為の様だ。
しかし、こっちにもマグロって魚が取れるんだな、意味が通じずただの名称として認識される予定だったが、ちょっとやっちゃったか?
「問題ないな、仮証明書では十日間の滞在しか認められていない、十日以上滞在するのなら追加で料金を支払うか正式な証明書を取得する事だな。
それと一般常識なら図書館でその手の本を読む事をお勧めする」
図書館ねぇ、誰でも知ってる知ってて当たり前の事を書物化してるのかねぇ、ちょっと胡散臭いけど候補には入れておくか。
銀貨一枚手渡し追加の質問をする。
「なるほど有難うございます、戦闘で身を立てようと考えてますが、お勧めのお金の稼ぎ方ってありますか?」
「騎士に志願すると言う手もあるにはあるが世界を見たいのならその選択肢は無いだろ。
それなら冒険者ギルドに登録するのが最善だろうな、証明書にもなるから一石二鳥だ。
ただ、冒険者になるなら一人での活動はお勧めしない、一人だと挟撃された場合、実力に差がないと相当な確率で此方が殺されるからな。
そこでPTなのだが冒険者同士で組むのもありだが相手がどんな人物なのか知らなければ背中は預けれないしな、それと報酬で揉める事も有る。
マグロは来たばかりでは知り合いもいないだろ、それでは背中を預けられる冒険者なのか判断基準が無い為に危険に身を晒す恐れがある。
それを解決できるのが奴隷だ、命令には従順で主を裏切る事も無い、報酬は主が受け取る為に報酬で揉める事も無い、一般常識の点からも補佐してもらえば良いと良い事ずくめだろ」
なるほどな、裏切られたり、そもそも最初から罠にはめる為に近付いて来るのが居ないとも限らない訳か、街中にも赤いマーカーが有る事から敵対、もしくは犯罪者なんだろうな、その時は容赦なく火の粉を払えばいいか。
それは兎も角奴隷か、為になる助言を聞けたのは朗報だな、手っ取り早く稼いでさっさと購入して、へましない様に補佐してもらおうかな。
「なるほど、一考の余地ありですね、それで、こちらの町にもその様なお店が?」
「数店舗あるからな、何処の奴隷商が適正か分からんからそこは冒険者ギルドで聞いてくれ、資金に余裕があるなら帝都まで出向くのが良いかもしれんがな、此処は田舎町だからな、そんなに扱ってる店舗は無いだろ。
それじゃ此方が仮証明書になる、冒険者ギルドで登録する際に先方に渡してくれ、場所は町の中心部が広場になっている、そこを右折したら左手に見えてくる、ようこそ帝国クランドルの町サパンへ」
話しながらも手を動かし書いていたからな、小さい羊皮紙に名前、許可期間、罪歴無し、担当した者の名前に捺印が押されていた。
奴隷と一括りでかたずけるべきではないかもな、借金とか犯罪とかで奴隷になる者もいるだろうが、理不尽な理由でなった者もいそうだな、買う際にはこの点を重点にすべきか。
「色々と情報ありがとう、心配していた点が解消したよそれではまた」
「なんの、これも仕事の内さ、それでは良き旅を」
先の話から帝国の端も端、田舎なのだろうが中々整備が行き届いている石畳の道、馬車がちらほら見える辺り、土むき出しだしでは移動に支障があるからな、手間をかけてでも整備したのだろう。
木造中心の建物か、平屋が大半、ぽつぽつと二階建てが確認できる程度か、三階建てとなると、相当な大きさの木が必要になるから建てられないんだろうな、切り出しは大変な重労働だからな。
そんな事を考えながら町の中心部に向かい歩を進める、そこではたと思い出した、お勧めの宿屋を聞いておくべきだったと。
残金:金貨五十七枚、銀貨四十九枚、銅貨0枚