32:新魔法の実用化
翌朝起床後、食堂にて。
現時点では食材の量が減ってるって感じはしないな、深刻化するほど切羽詰まってはいない様だ、ストレイル内でトラブルか? 深刻化したらライネルにとっては致命的だよな。
「セル、蒸し返して悪いが食料を購入不可能な者が出るほど深刻化はしてないんだな?」
「そこまで酷くはありませんが徐々に減ってきている感じはします、以前であれば屋台の品が品切れ、という事は起こってませんでしたが、数店品切れを起こしてる店舗が御座います」
「なるほどな、その店舗を覚えているなら材料の購入状況を聞いて来てくれないか」
「了解しました、マグロ様」
「話してた大工さんとは連絡取れたか?」
「本日の昼食後、一時間経過した位でお見えになる予定です」
「それなら少しは戦闘可能だな、話は変わるが今日は昨日説明したように全員で冒険者ギルドに赴き、全員に加入してもらう、カエラさんと防衛隊も含めてだな、これで全員がまんべんなく成長できるだろう。
加入後は戦闘組は奴隷も含めてお昼までダンジョンで戦闘、昼からは増築の打ち合わせがあるからすまないな。
カエラさんは新たに商人ギルドに登録は必要かな?」
「奴隷商から交易商への変更と、国家間を跨ぐので国際免状への切り替えが必要ですね」
「それって新たに登録費用が掛かったりしますか?」
「商業ギルドで国家が違っても統一規格がありますから金額は変わりませんが、登録費用が必要ですね」
白金貨の袋を一袋と、金貨の袋を十袋を取り出した。
「では、資金はこれをお使いください」
「すみませんマグロさん、早く自立して必ずお返しします」
「支援は惜しみませんと伝えたように、困った事があれば相談してください、当面はこの地で顔の繋ぎや受皿の構築って所ですか、店舗も必要ですし、売り子のさんの確保もですね。
セル、その辺り、商売に詳しいメイドさんがうちに居るかな? 彼女のサポートをお願いする。
それとヨハンナ、馬車を使って彼女の足になってくれ」
調整はその程度で切り上げ、ヨハンナのみ御者として、マグロは体力が余ってるので他の者を乗せようとしたが、主が乗らないのに乗る訳にはいかないと誰も乗らなかった。
冒険者ギルドに到着し、ごった返す時間帯なのも合わさり、三十名程度で乗り込むから余計に混雑する。
金貨五十枚を添えてPT名をクラン名に変更し、マグロをマスターとしてクランを立ち上げ、自宅を拠点として登録して全員を加入させる。
《加護の一部恩恵が改変されます、PT適用からクラン適用へ改変されました》
ん?? 加護の内容が変わったのか? ちょっと見てみるか。
鑑定
地球神の加護:全スキル+1、Lv上がる際に基本ステータスに+5、同じクラン員にも効果摘要、Lvアップに追加P50、同じクラン員には効果半減、経験値2倍重複する、クラン員EXP配分で減少無し。
アルタール神の加護:全スキル+1、Lv上がる際に基本ステータスに+5、同じクラン員に効果摘要、Lvアップに追加P50、同じクラン員には効果半減、経験値2倍重複する、クラン員EXP配分で減少無し
PTとクランでは微妙に違ってたのか、しかし、勝手に変わる辺り、俺って神様に常時見られてるのかな? ま、気にしても仕方がない、エウシオン様に感謝だな!
「それではカエラさん、お昼まで戦闘訓練してくるよ、移動が大変だろうから馬車は使ってね、昼から大工さんと打ち合わせあるから遅れない様にね」
「わかりましたマグロさん、馬車をお借りします、それと彼らをお願いします」
そこで別れ、合計十一名でダンジョン内部へ、帝都へ行った五人は手を出さない方針だ、相当の危険な場面にならない限りとの条件付きだが。
シャロはレベルが上がってるので余裕すぎた、スキル【ソードダンス】を使い三体を同時に切り刻んで倒したりと、後は経験と腕を磨くだけだ。
そんなスキル何処で習ったのやら、剣舞を極めなければ踊りながら攻撃と回避を同時に行うなんて器用な真似は不可能、けっこう裕福な出だったのかもしれないな。
カエラさんの護衛達には連携プレイを心がけて貰った、武器は良品の為、近接武器の切れ味に弓の貫通力も申し分ない、これなら俺たちが居なくても安全にレベルを上げられる、今日は一階層で切り上げる、時間が無いからな。
素材は一度俺が回収して全て整形し、柱サイズに仕立て直してカエラさんにプレゼントだ、俺はお金を稼ぐ必要が無いからだ。
ダンジョン入口から歩くと屋敷まで一時間程度掛かるが、俺一人別行動、例の使い捨て魔道具を買わないとな、馬の世話人二個、メイドと執事達で二十二個、俺のPTが六個、カエラさんとその護衛達の六個、全部で三十六個。
それと水と風の魔法書だ、初級、中級、上級をそれぞれ2冊ずつと、同じく火、土属性を1冊ずつ、回復と光属性が上級まで取り扱いがあった為、上級は2冊追加して買うが、闇は無かった。
購入して帰宅し、昼食後。
「テレポーター用の塗料までは作っておきたいんだけど、それで金属のインゴットを粉砕出来る人居ない?」
「マグロさん、私出来ますよ」
「ミスリルと魔石だけど大丈夫?」
「魔石は問題ありませんがミスリルは時間が掛かりそうですね、量はどれほどですか?」
「魔石大二十個と同量程度のミスリルかな」
「ではミスリルを十kgほど出しておいて下さい」
魔石大二十個とミスリル十kg、帝都で買ってもらっていた樽二つを取り出して渡した。
「それじゃそれぞれの粉末をこれにお願い、飲み水用だけど、次に出た時にでも買うよ、俺は大工さんと話し合いがあるから後はお願いね」
塗料の素材だが、ミスリルは魔力伝達に、魔石は発動の際の一時的な魔力保持に、トレントの樹液は魔力流す際に抵抗無く阻害せず液状化させる為だ、割合は二:三:八だ、混ぜ合わせた後、製作魔法で馴染ませて塗料は完成である。
魔法陣はテレポーター用もテレポート用も同じ塗料で書き、魔石の半分に割った片割れを中心部に設置するのは同じだが魔方陣の模様だけが違う。
発動方法もテレポーターの場合は中央の魔石に流し込めば連結した魔法陣へ自動転送だが、テレポートは違う、魔法陣に設置した魔石の片割れを持ち、魔石に魔力を流し込み詠唱が必要だ、同行者は発動者の半径1m以内に居る必要がある、はみ出たら? 恐ろしくて書けないな。
我が身は時を超え空間を超え彼方へ向かう者なり時と空間を司る神よ我に力を与えたまえ、がテレポートの詠唱だった。
時空間魔法書を執務室で見ながらカエラさんと待つ事三十分程度、大工さんが着た様だ、応接室で話すことになった。
「大工のゴランだ、貴方がマグロ殿にカエラ殿か、この度は改築と増築されるとか、規模とか造形などの要望は決まっておられるかな?」
「怪盗=マグロだ、この度はお引き受けくださりありがとう、正直、商売用の倉庫は想像がつかないのでカエラさんの要望でお願いします、ですので俺とカエラさんからの要望は別件だと思ってください、支払いは一括して俺が支払います」
「カエラです、よろしくお願いします、それでは先にマグロさんからお願いしますか?」
「そうですね、では先にお願いしますか、大まかに二点あります、今現在メイド達の住んでいる別邸をこの本屋敷と同程度の内装へと手入れしてもらえますか、それと一階の三部屋程度の壁を取り払い一つの部屋へと改良して頂きたい、強度が低下すれば崩壊の危険がありますのでその点も合わせてお願いしたい」
「それは大幅な手入れが必要ですな、それをお引き受けするのに一つお願いがあります、手入れをしてる最中、別邸を使わずどちらかに引っ越しして頂きたい、壁にも手を入れる為埃が舞いますからな、安全面も考慮して頂きたいがどうですかな」
「呑みましょう、そうですね、明日中には空の状態にするよう言っておきましょう。
二点目ですが目立ってはいけないので建てる場所は屋敷の裏にお願いします、四頭だての馬を連結した状態で出入り可能で余裕で入れる棟を正方形で二棟並べて建ててほしい」
「馬込みだと10mほどか、余裕を見て前後に一mとして十二mは半端だから七間、一面を扉として高さは平均的な箱馬車と想定して二、五mほど。
特殊な品を作られるとしても余裕を見て四m、それだけの建築物となるとかなりの強度をもたせないと長期間使用には不安があるか。
では正方形で七間四方、内部の高さが四mでどうですかな?」
七間だと十二、六mほどか、それだけ余裕があるなら乗り入れも大丈夫だろう。
「それでお願いします、長期間使用にも耐えれるように頑丈に作ってください、金属が必要でしたら整形までしてお渡ししますので言ってください」
「それでは床材と基礎と壁材を金属で作りますか、屋根はメンテナンスの為に木材が良いでしょう」
「では鉄にしましょうか、今日中にでも基礎と壁は作っておきます、それで壁の厚さはどうします? 扉の取り付けがしやすい厚さにしますが」
「そうですな、長期間使用するとの前提ですからな、三十cmにしますかな、我らの仕事は扉の取り付けと梁から上の部分ですな」
「俺の方は以上ですね、ではカエラさんどうぞ」
「マグロさん、かなり大きな建物になりますが良いのでしょうか?」
「どの程度の広さですか?」
「食料品卸売りの場と考えてますので、冷凍倉庫と冷蔵倉庫を考えてます、床面積で一つが二十㎡です」
「四㌃ほどか、うちの敷地が約二、五haで、その内1haほどは本屋敷も含めて建ってるからな、屋敷の裏が5反ほど開いてて、屋敷の前面が一haほどの空きがある、門から右に入った場所に建てると王宮側に背を向ける形になるから好ましくない。
門から左に入ってつきあたりに建てましょうか、それと温度管理と湿度管理が可能か分かりませんが穀物倉庫も作って三棟でどうです? ただ、穀物類ってほとんどの収穫時期が年に一度で、一気に大量に積み込むから四㌃では狭いから一反にしますか、並びは一番角に穀物倉庫、そのお隣に冷蔵倉庫、次に冷凍倉庫でどうです」
「かなりの規模になりますがマグロさんは良いのですか?」
「一番心配してたのは、大量に扱うと他の商会が潰れないかって事でしたが、現在は食料が減ってきているとの情報もありますし、今のうちに入り込めば被害に遭う商会も無いだろうとの考えもあるんですよ」
「そうでしたか、ではお言葉に甘えてそのサイズで三棟お願いします」
「倉庫は金属で作らない方が良いな、熱伝導率が高いので冷蔵や冷凍の倉庫には不向きで、穀物倉庫に使えば金属は湿気を吸わないのでカビなどが心配だからな、床と基礎だけ石材で、後は総木材建築が良いでしょう、断熱を考えてその分厚くする方向で」
「その辺りは知識がないのでゴラン殿にお任せします」
「では、現地を拝見して実際に何処に建てるか決めますか、では明日から総動員して五棟分を同時進行しますよ。
別邸の方は終わった者達に任せれば良いでしょうな」
「そうだ、ゴラン殿、倉庫の床は此方で作っておきますよ、基礎から上をお願いします、それで冷蔵と冷凍と脱湿気機能って付けられますか?」
「可能ですよ、そうですな、その手の知り合いが居るので建築中に機能を着けます、発動に大量の魔石が必要になりますが宜しいかな?」
「馬車の軽量化のように自然の魔力を吸収する形で順番に持ち回り的に永久化ってできませんか?」
「一度に使用する魔石の数が五-六倍ほどになりますが、それで良ければ頼んでおきます」
「魔力の減りに気がつかずに溶けましたでは品がダメになりますからね、ぜひお願いします」
三人で現地を視察、床面積を確認してマグロは三十cmほど地面を掘り、地面から十cmほど上部に出るように【ストーンウォール】で倉庫の床を一瞬で作成。
もちろん十cmの段差だと使い勝手が悪いので倉庫前面がゆるい坂になる様に【ストーンウォール】で整えた、雨水対策だな。
屋敷の裏に回り、倉庫方向へ門を向けて並べる事を考えてたが、それだと土地の使い方が勿体ない、本屋敷が背になる様に並べる、こちらも三十cm掘り下げて四十cm厚さの鉄で、前面も倉庫同様だ、壁も鉄製でつなぎ目無しの一括整形だ。
「屋敷裏の二棟は一週間程度で、冷蔵と冷凍倉庫は二週間程度で、穀物倉庫は面積はあるが終わった人員を別邸と振り分けるのでその都度追加されるから一ヶ月程度見ておけば完成するだろう。
別邸の方も補強を必要としてますからな、一月ほど見ていて頂きたい。
魔石の大量発注も必要で、先方の報酬が分からんからこの場で見積もりはできない、明日には出せると思うが、それで宜しいか?」
「お支払いは何時でも可能なので此方は構わない、俺達が居なくても大丈夫な様に、ある程度はセルに渡しておくよ、白金貨二百枚もあれば足りるかな?」
「魔石を大量に使ってもそれだけの資金があるなら余裕ですな、それじゃ明日からよろしく頼む」
受け皿側は店舗を買うのみで、後は出来上がるのを待つのみか、後はテレポーターとテレポートの実用化だな。
「後は塗料が作れ次第試すだけか、する事無くなったな・・・・・ん?」
今まで鉱物類とか何気に、切りもしてないのに一kg単位で取り出してたよな・・・粉末で取り出せるんじゃないか?? 自動解体で粉にするのも可能な気が・・・。
「自動解体にてミスリルを五kg粉末化し眼前へ取り出せ」
すると顔の高さに粉末状のミスリルが出現し地面に落ちた。
「だあああああ、シェルの所に行って謝罪しないと!」
「如何したんですかマグロさん、それにその粉は?」
「ミスリルの粉なんだけど、シェルに粉末化を頼んだんだ、だけど自力で作れるのを発見したんですよ、すみません、直ぐにシェルの元に行ってきます」
メイドにシェルの居場所を聞き駆け込んだ。
「シェル、ごめん、スキルを試してたら粉末化出来たよ」
「マグロさん、それは良かったですね、それでは粉末化してない残りも含めてお渡ししますね」
「ありがとう、これで塗料を作れば後は魔法陣を書いて、後は実験するだけだよ」
「マグロさんは魔法陣を書いた事あるんですか? 無ければ書きしましょうか?」
「おおお、塗料は直ぐできるからお願いしたい、設置は三階の寝室を一部屋潰して専用部屋にしたいと考えてるんだ、それで筆とか必要か?」
「水魔法の水流操作で書くので大丈夫です、一つ相談なのですが、その塗料と大魔石をわけて下さい」
「それは良いけど何に使うの?」
「結界魔法の魔法陣作成です、テレポート用の塗料なら強固な結界が張れそうです、魔石は魔力の供給用ですね」
「ほうほう、それは良いな、とりあえず作ってみて足りない様なら追加で作るからその辺は大丈夫だよ」
三階のまだ使って無いがらんどうの部屋にて塗料を作る、其々の割合で計量し、端数の計算が面倒だからと十三kg分樽に入れて混合適用化させた。
「それじゃ、この図の通りに二種お願いするけど、テレポーター用のこの魔法陣は二個お願いするよ、直ぐに試そうと思うから」
魔法陣を書き込む間に魔石大を二個、自動解体で等分に真っ二つにし、テレポーター用には一個の魔石から切られた魔石をそれぞれにはめ込んで、テレポート用には一個の片割れをはめ込んだ。
「よし、準備完了だね、テレポーターから試すかな、魔力を魔石に流せば良いはずだから検証も簡単だ」
「それでしたら先ず、私が試します」
止める間もなく魔力を流し込み魔法陣が光り輝くと、もう片方に瞬間移動した。
「おー成功だな、距離が近いから不安だが、これ以上の検証は後にして残りのテレポートだな」
「塗料も問題無いようですね、テレポートを試すので魔石の片割れをお貸しください」
「たぶんだが、時空間魔法を取得してないと使えないと思うんだよな、だけど試してくれるか、魔力を込めて詠唱は、我が身は時を超え空間を超え彼方へ向かう者なり時と空間を司る神よ我に力を与えたまえ、だ」
問題なくシェルも使えた、テレポートを使った為か、時空間魔法のスキルを取得していた、また、テレポーターの魔石を片方外して新たに切った魔石の片割れを填めておいた。
「問題なく成功したな、行った先々で拠点確保しながら行けば、短期間での移動が確保できると、それじゃシェルに残りの塗料と余った魔石を渡しておくよ、塗料が足りなかったら言ってくれれば作るから、昼食にして後は食後にしようか」
「わかりました、マグロさん、お借りします」
夕食まではマグロが無詠唱でテレポートを発動する特訓をし、シェルは屋敷を中心に結界魔法の魔法陣を完成させ、悪意ある者の侵入を拒む障壁が完成した、もう一つの成果は結界魔法陣を細く書き小型化し、石板に書くことで持ち運びが可能になった、むろん発動用の燃料は魔石だ。
そしてその日の夕食後、全員に食卓へ集合してもらった。
「急で悪いが別邸に手を入れる、それで工事が完了するまで本宅で生活してもらう事になった、マジックバッグを貸し出すから二階の部屋に引っ越ししてくれ、これは明日中にお願いする。
それと全員が対象なんだが、魔法適正検査用の魔道具を買って来たので各自使ってくれ。
それに合わせて火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、回復魔法、光魔法の初級中級上級を二冊ずつ買って来たので三階の執務室に置いておくから各自、興味があれば見てくれ。
それとカロライナ、メイド達は生活魔法を取得してるのか?」
「一部、MPの制限で覚えていない者が居ます」
「俺のクランに入ってもらったから、時間が経てば解決するだろう、覚えてない人数分の取得用スクロールを買って渡しておけ、一週間もすれば覚えられるだろからな。
話は変わるが、踏み込んだ話になる、彼女達の結婚はどうなるんだ?」
「彼女たちは貴族の御息女ですから、実家が縁談を持ち掛けて来ると思いますわよ」
「なるほどな、その場合はクランから脱退してもらう、結婚祝い金として退職金を支払うから縁談があれば報告するように、考えてる額は金貨二百枚だが、在籍期間が長ければ+αと言う事にしておこう。
それと、カエラさんが商会を新たにする訳だが、そちらの方面で活動したいのであれば、カエラさんに相談したのち、俺に相談するように。
さすがにあの規模をカエラさん一人で切り盛りは不可能だからな、会話術に計算と能力のある者なら大歓迎だ、遠慮なく申し出てほしい。
その場合はクランからの脱退は不要だ、結婚祝い金も同じく支払うので心配しなくて良い。
他にも俺たちの姿を見て、冒険者になりたいって考える人も居るかと思うが、命のやり取りだからな、あまりお勧めはしないが、装備一揃え与えるのでこれも相談してくれ。
当面必要な説明は以上かな、マジックバッグは使いまわしてもらうとして、それでは受け取った者から解散だ」
「マグロさんありがとうございます、人材をどうするか考えてましたから、渡りに船です、貴族の御息女であれば、基本的な勉学を習学されてるはずですから適材です」
その後一週間ほど互いに魔法を教え合い、メイドの数名も参加して、新たに得た最上級と特級の魔法書を解読した。
ちなみに、シャルは火の最上級魔法書から広範囲に圧力と熱で焼き尽くす【フレアバースト】を取得しマグロに伝授。
マグロは【フレアバースト】を土台に風魔法の台風系と混合して【フレアバースト】を凌駕する広範囲魔法【フレアストーム】を開発して覚えた。
【フレアバースト】の火力を一点集中させて切り裂く魔法を開発した、風魔法書初級に書いてあった【エアカッター】との複合魔法【フレアスライサー】を開発した、効果は切り裂きながら断面を焼く仕様だ。
氷魔法と雷魔法の矢系統と槍系、【アイスアロー】【アイスランス】【ライトニングアロー】【ライトニングランス】を開発して覚えた。
セレスからは水魔法で相手を溶かすアシッド系を教えて貰い、対単体の【アシッドアロー】【アシッドランス】
風魔法との混合魔法で爆発拡散系の【アシッドブラスト】 風魔法との混合魔法で台風系の【アシッドストーム】を覚えた。
次は光魔法書の初級だ、魔力込めた分だけ辺りを光で照らす魔法【ライト】は覚えたが、その後が問題だ、光で攻撃? 浄化? 何だいそれって事で覚えられなかった、魔物の眼前に漂わせれば視覚を奪える為、支援魔法とも言えるか?
土の特級魔法書は【アースクエイク】であった為に取得を断念、理念は理解できたが地上では試す事も出来ず、ダンジョンで練習しては崩壊する恐れもあるからな、無限収納袋に永久にお蔵入りしそうだ。
回復の最上級魔法の書は部位欠損すら治療可能な【エクストラヒール】をティアが取得、マグロが教えて貰うもスキルレベル不足で断念し【ハイヒール】止まりだった、シャルも【ハイヒール】止まりだ。
シェルの新たに覚えた時空間魔法だが、シャルが師匠となり空間把握を伝授した。
これらの魔法を覚えた場所はダンジョン一階層だ、風魔法で空気の壁を作り安全対策も万全だ、だが、威力がありすぎてダンジョンの壁を破損し、一階層全てのウッドゴーレムが集まったが美味しく頂いた、全ての素材はカエラさんへプレゼントだ。
ちなみに建築料金は知らない、セルに白金貨入り巾着を二袋を渡して丸投げしたのだった。
カエラさんの方だが、希望者が五名で全員に許可を出した、未来の幹部候補だな。
店舗を買いに不動産屋に行ったり、購入した店舗を使いやすいように大工さんに改良を頼んだりと、着実に準備が進んでいる。
護衛隊の五名だがダンジョンに入りびたり、腕を上げる為に頑張っている。
シャロだが、土魔法に適性があり、土魔法レベルが一の為に【ストーンアロー】のみだが覚えて護衛隊に混ざってダンジョンに入っている。
セルからも例の報告を受け、一日の購入量上限が引き下げられた為に、人気店舗が売り切れたことが分かった。




