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24:国ごと買う?

 謁見当日の午前中は魔導書を見てダラダラと過ごし昼食後。

 やっとこの時が来たな、陛下も自重しない、ならばこちらも自重しない、肉もついでに付けようかな、陛下は龍だが竜の肉を食べるのか知らないが、って俺は食ったけどな。


「さて、行きますわよ」


「シャルさん、私たちもですか?」


「今回は結婚承諾の件もありますからシャロさん以外の五名で向かいますわよ」


「それでは屋敷にてお待ちしています、行ってらっしゃいませ」


「ちょっと待ってくれシャル、献上の品は何処で渡すと良いんだ?」


「楽しみにしておられましたからね、直接謁見の間で宜しいですわ」


「例の肉も渡す予定なのだが、地面に直接置いて渡しても良いのか?」


「それはそれで面白そうですわね、陛下がここに出してくれ、と言ったらその様にしてみては?」


「シャル、俺の首が物理的に飛ぶとか考えないのか?」


「陛下はそんな狭量な方ではありませんわ」


「わかったよ、いざとなったらシャルに言われたと暴露して巻き込むからな!」


「さて、そろそろ向かいますわよ」


「スルーするな!」


 何だか俺、今後玩具にされそうな気がするな、ティアには、すでにおもちゃにされてる気がしないでもないが、結婚決めたのは時期尚早だった気がしてきたな。

 貴賓室に通され数分待つ事謁見の間へ。


「お目に掛かれて光栄でございます陛下、屋敷の件では多大なご好意を受けまして大変恐縮でございます。

 前回お伺いした際にお約束した品を持参致しました、ぜひお納め下さい」


「気に入って貰ったようで何よりだ、確かに聞いていたが、口調が元に戻って無いかね?」


「確かにそうですが挨拶のみはきちんと礼儀正しく、と思ってますので失礼致しました」


「それで、品物を見せて貰えるのだろ?」


「シャル殿にも確認しましたが直接陛下の御前にと聞いてます、この場で出しても宜しいですか?」


「うむ、ぜひこの目で見てみたいのでな、頼む」


「・・・では遠慮なく出させて貰います」


 本来なら一kgのインゴットで出す処だがそれだと時間が掛かるので二kgのインゴットで取り出し山をいくつも作った。

 オリハルコン千kg、聖銀千kg、ミスリル千kg、金塊千kg、極めつけにストームドラゴンの肉一万kg


「がっははははっ、気合いを入れて来たと思っていたがこれ程とはな、マグロよ、国ごと買うつもりか?」


「多すぎましたか?」


「ああ、多すぎるな、どうやって集めた品なのか気になる所だがあえて聞かぬよ、そちの誠意、しかと受け取った、自分の家だと思って過ごしてくれ」


「あの、怒ってません? 肉の事なんですが・・・」


「そのような事は些細な事よ、気にしなくて良い」


 少しは嫌味を言われるかと思ったらシャルの言う通りに何でもないと言う風だった、かなりの度量というか懐深い御仁の様だ。


「寛大なご配慮感謝します陛下、それと二点お願いが有るのですが」


「なんだ? 申してみよ」


「シャル殿と結婚をお許し頂きたく思います、それと屋敷の維持管理の為の人材をご紹介頂きたいのですが」


「本人の希望だからな、元々此方から望んだのだ、断る理由が無いな。

 屋敷の維持管理だが、昨日シャルが来た時点相談を受けたのでな、前もって人員を此方で確保させてもらった、執事とメイド長並びに二十名のメイド達だ、今日中に行く様に申し付けてあるのでな、帰った時には迎えてくれると思うぞ」


「ご配慮感謝します。

 それで結婚の事なのですが、シャル殿と結婚決意前に三名と結婚する約束をしてまして、その・・・」


「シャルと同列の様に結婚する事を懸念してるのか?」


「はい、そうです」


「問題ない、甲斐性の有る人物にはそれ相応の人数を娶ってほしいとも思ってるのでな、無理やりは歓迎できんが、互いに了解済みならメイドを妾にしてもらっても構わんよ」


 陛下に、さらに増やしても良いとお墨付きもらっちゃったよ、四人でも手に余りそうだから、まったく増やすつもりは無いんだけどね。


「了解しました、式ですが先方の事もあるので断言はできませんが、結納の品が完成するのに二週間ほど掛かりますのでその後になります」


「ほう、そちは此方の知識が無い割には良くやっておるな」


「前世の地でも結納の品を送る習慣がありましたので」


「なるほどの、では式の開催日が決まったら使いを寄越せ、本日はこれまでとする」


「それでは陛下、失礼致します」


 帰路に着き、屋敷の扉を開けると、女性は統一されたメイド服を、執事らしき年配の男性は執事服を、両脇に花道の様に十一人ずつ並んでおり、男性が1歩前にでて深々と頭祖下げ挨拶して来る、同じく全員が頭を下げる。


「お帰りなさいませ、怪盗=マグロ様」


「もしかして陛下から言われた者達か?」


「左様でございます、陛下より賜り本日より執事を務めますセルラルファと申します、そして此方がメイド長のカロライナです、メイド共々よろしくお願い致します」


「メイド長のカロライナと申します、家事全般、生活環境管理などお任せください、宜しくお願いします」


「俺は怪盗=マグロ、マグロと呼んでくれ、それと俺の嫁になるシャル、セレスティーナ、ティルア、シェルアスだ、そしてそちらに居るのが昨日から仲間になり俺とPTを共にするシャロンだ」


「シャル=ヴァンティユですわ、シャルと呼んで下さい、よろしくですわ」


「セレスティーナです、セレスと呼んで下さい、宜しくです」


「ティルアですにゃ、ティアと呼んで下さいにゃ、宜しくですにゃ」


「シェルアスと言います、シェルと呼んで下さい、宜しくお願いします」


「シャロンです、シャロと呼んで下さい、宜しくお願い致します」


「セルラルファ、セルと呼ばせてもらうぞ、宿泊の部屋割りは済んだか?」


「は、別館にて割り振り完了しております」

 

 さてさて、紹介して頂いた陛下の顔に泥を塗るような生活はさせられないからな、食事を貧相にしたら陛下はどう思う? 給料を下げてこき使ったりしたらどう思う? そんな事はさせられないからな。

 最高の職場だと胸を張れる環境にしないとな、紹介して良かったと思われたいからな。


「そうか、ではこの屋敷の決め事を決めるぞ、各自楽な姿勢を取れ」


 さてさて、一つずつ詰めますかね。


「まず部屋割りな、執事とメイド長は本館二階に部屋を割り当て住むように、指示する者が別館住まいでは情報伝達に不都合が出るだろ、別意見があるだろうが決定事項だ、従え。

 それと給料とか食材や消耗品の購入等の金銭的な管理は執事のセルがおこなえ、資金も渡しておく、給料の金額は決まってるのか? 陛下にお願いしたのみで、その辺り聞いていないのでな」


「金額的にはこの地の平均額を頂くように契約されておりますが」


「平均額か・・・この立地の屋敷にしては安めなのだろ、具体的にいくら安い?」


「月額で金貨二枚から三枚ほどかと」


「言い難い事を言わせてすまなかったな、ではこれより月額金貨五枚上乗せする事をここに宣言する、これで紹介頂いた陛下の顔に泥を塗らに済む、反対意見は却下な。

 馬を管理する者が二名居るのでな、其方は本人から金額を聞いてくれ、倍額で引き抜いたが具体的な金額を聞いてないからな」


「本当に「まった、その言葉は最後にしよう、まだ決めている最中だ」


 お礼を言い始めたらきりが無いからな、最後で良いからと被せて発言した。


「後は衣食住に関してだな、先ずは服から、一ヶ月に一着分の服と下着を支給する、支給と言っても本人に買いに行ってもらうがな、一回の購入金額上限を金貨2枚とし支給する、清潔でいてほしいからな、その一環だと思ってくれ。

 早速明日にでも二交代で買いに行くように。

 次は食事な、全員同じ物を食べる事、メイドたち用にと別に作っては手間が増えるからな、だからと言ってランクを落とす必要は無い、そうそうヨハンナ達の分も頼むよ。

 次の住は、さすがに全員本館でとなると風当たりも悪くなるし、建てて在る意味が無くなってしまうからな。

 但し、あの部屋のつくりは不味い、本館と同程度にする為に手を入れてくれ、それと二部屋か三部屋余ってるなら一階の壁をぶち抜いて寛げる場所を作れ、崩れない様に補強もする様に、合わせてテーブルやソファーなどもきっちり人数分は確保しろ。

 それと家具や寝具は俺たちと同じく同ランクの品とする、一気に総入れ替えは無理だろうからメイド長、順番に入れ替えてくれ、それと風呂だが何時でも入ってくれ、仕事で汗だらけ、泥だらけでは差し支えるからな。

 以上だ、何か問題はあるか? って一つ忘れてたな、セル、食堂ががらんどうだ、あれに見合う食卓と椅子一式を購入してくれ」


「承りました、ですが、貴族家の常識から逸脱してしまいますが本気でしょうか? マグロ様」


「本気で言ってる。

 そうだ、もう一つ抜けてたな、今着てる服、メイド服か? セルが着てるのは執事服?芭蕉服? 良く分からないがその購入も資金から出すからな、自腹で買う必要は無いぞ、必要だと判断した数だけ購入してくれ、以上かな? 他に何かあるか?」


「マグロ、支度金をお支払いした方が良くありませんか? 今着られてる服や引っ越しに際し、少なからず出費されていると思うのですが」


「確かにそうだな、それじゃ一律金貨十枚を早速配っておけ」


「ご厚意に報いるよう努めてまいります!」


 白金貨一袋と金貨十袋を取り出してセルに渡す。


「これが当分の資金な、一割切ったら教えてくれ、その都度渡すから」


「はっ、ご期待に沿えるよう精進致します」


「フレンドリーに話してもらって良いんだがな、もっと砕いて話して良いぞ」


「それでは周りの者に示しがつきません、なにとぞご容赦を」


「はぁ~仕方ないか、以上だ解散してよし!」


 解散後三階の執務室にて。

 机も椅子も本棚もと揃ってるけど本棚は空っぽだな、使ってると言う実感がこれっぽっちも無く寂しい状態だなぁ。


「明日、ダンジョンに入る予定だったが、キャンセルして防具一式発注に行こう、どれだけの期間が掛かるか不透明だからな、早めに注文しておきたい。

 それとシャロンの武器の発注と出来上がるまでの繋ぎ用の武器を購入だな、素手で付いて来いでは無謀すぎるからな、防具は買いに行かないと何があるか分からないからとりあえず保留だな。

 俺も一時しのぎの防具買おうかなぁ、一応買う予定にはしてるけど。

 防具と言えばあの子達でしょ、セレスとこのスラちゃん、片方出ておいで」


「なんのごようですかぁ?」


「何このスライム? 色が違うけどって喋ってるし!」


「何度も名前を聞いてるだろ? 今日からPTに入るシャロンな、今後一緒に行動して守って上げてくれ」


「りょうかいしましたー」


「あ、あの、宜しくお願いします」


「おし、引継ぎ完了っと、これでスラちゃん達も全員ペアになったな、何処かスライム居ないかな? どうかな? シャル」


「この辺りには居ませんわね、魔力だまりの様な地だから強い魔物しかいないですわ」


「この辺も解決したいな、当面予定は後四匹か」

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