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22:新たな鉱物製作

戻る途中、ヨハンナの住む家、借りている宿舎に寄り、俺も収納を手伝い手短に済ませ我が家の本宅では無く別館の方にご案内、此方は二階建てで地下室は無し、これなら元のヨハンナの住んでいた宿舎がましな気がして来た、廊下も壁も石材むき出しだからな、生活環境は宜しくなさそうだ、早急に手を加えるかな。

 一部屋の広さとしては八畳ほどか、それに荷物を入れる押入れがある、一間しかないのか、部屋が足りるようなら補強して数部屋の壁をぶち抜き、寛げる部屋を作る方が良いかもな、

 屋敷の大きさを見る限りメイドさんを雇わせようと考えていたのだろう、あまり質のよろしくないベッドにタンス、テーブルに椅子のみの簡素な部屋、トイレは一階に男女共用の小部屋で水洗式が五つ並んでいる、風呂は当然無い、早急に手を入れるから今は我慢してと伝え適当に部屋を使ってもらう。

 ヨハンナに此方の事は任せ、俺達は本宅の方へと足を向け、改めてシャルに中を案内してもらった。


「では地下から参りますわ」


 地下一階は二部屋で手前は冷蔵機能付き食糧倉庫、奥の一つは巨大な倉庫兼宝物庫で専用の鍵付き。

 一階はエントランス、巨大なキッチンと併設された五十名ほど入れる食堂と更に広い大広間といっても何もない空だが、それと十名程度寝そべってゆったり入れそうな風呂場に二十名程度分のテーブルやいすにソファーが準備されている応接室に何も無い居間。

 二階は二十畳ほどの広さがある会議室が一部屋と十畳ほどの広さがある客間兼寝室が多数と。

 三階は何も無い十畳ほどの部屋が一つと二十畳ほどの広さで十名分のテーブルと椅子が置かれた会議室一つに十畳ほどの広さで本棚のみの書庫一つとこれまた十畳ほどの書斎一つに執務室1つ、十畳ほどの寝室が多数。


「見た目以上に凄いですね」


「さすがマグロにゃ、この屋敷の主なのにゃ」


「突っ込んで良いかな? シャル様」


「なんでしょうか? マグロ様」


「今俺達は五人な訳だ、でか過ぎね? それに大広間なんて百人余裕で入って寛げる様な広さなんですけど、何を想定して作ったらこんな事になってるの?」


「陛下がご自身で身内のみの五十名で暮らす、と考えた場合での基準ですわ」

 

 国王の立場と目線で発注するって事は国内外から客人が来ても対応可能、更に晩餐会とか開いても良い様に特注にしてるのか。

 俺も規格外と言われてるけど陛下も意外な方向に規格外だな、一般人目線で発注してほしかったな・・・


「なるほど、お客様への対応も含めてのこの規模って事ですか、冗談じゃないぞー! 五十名ほどが住めるって聞いて買ったのに、これじゃ百人規模で住めるじゃないか!」


「諦めて下さい、もう契約終わってますわ」


「もう良い、考えてたら頭パンクしそう、もうスルーしかないな」


「解決して何よりですわ」


(解決してねえ、諦めただけだよ・・・)


「マグロ、何か言ったかにゃ?」


「何でもないよ、さて、夕食済ませて風呂入って寝るか、食べるのは肉だしな、玄関先で焼き肉で良いだろ、だれも見ないだろうしな」


 ヨハンナも呼びガッツリ食べた、さすが高級品、話もせず皆黙々と食べたのだった。

 一階の応接室にはソファーも用意されている事だしとセレスを抱っこして寛ぐ、流石にセレスの胸を揉む訳にもいかず代わりにスラちゃんをモミモミして時間を潰す。


「さて、お腹もこなれてきたことだし、風呂にでも入るか」


「まだお湯を入れる魔石がありませんわよ」


「それなら心配ない、先に入らせてもらうよ」


「行ってらっしゃいにゃ」


適温のウォーターウォールで満たして入浴中、十分程度入っただろうか、四人も裸で乱入してきた。

おいおい、何で入って来るんだよ、順番で入るんじゃなかったのか、言ってなかったからか? 奇麗だしスタイル良くて押し倒したいけどこの状況は不味くね?


「・・・・」


「お背中お流ししますわ」


「いやいや、其処はゆったり順番で入ろうよ」


そんな事言ってるがアソコは準備万端、体と言葉が釣り合ってない、嬉しいが素直に言えないマグロだった。


「結婚するんだから気にしない気にしない!」


「分かった、俺だけが覚悟を決めていなかったって事だろうな、シャル様、俺と結婚してくれ!」


「結婚する間柄で様は不要ですわ、シャルと呼んで頂けると嬉しいですわ」


 少々嫌味も含めて様を付けたのだが、軽く流された。

 恥ずかしいけどこれも言っておかないといざって時にがっかりされてもな、お互い初心者だとどうなるか分からんし・・・


「わかったよ、だけど俺には経験が無い、四人同時は無理だぞ」


「それはそうだにゃ、話し合って順番を決めるにゃ」


こうして結婚する事を決意し、順番で夜を共にする事が決まった、結婚後の順番だがな、シャルが先頭で後はPT加入順となり同時だった二人はティアが先となった。


 もちろん事はしてませんよ、拠点を築いたら結婚をと話していたのでそこまで先にはならないだろうと、結婚後と決まった、めっちゃ揉んだりはしたけどね!

 そして翌朝の朝食後、応接室にて、絶対に聞いておかなければいけない事を失念していた為聞いてみた。


「すまない、肝心な事を失念していた、転生前では複数の女性との結婚は禁止されていたが、こちらではどうなんだ?」


「複数の女性を嫁に貰う事は認められてますわよ、魔物からの脅威を排除しなければ生きて行けませんから、女性も少なくはありませんが、男性の犠牲者が多いのですわ、一対一では女性の未婚者が増えすぎるからですわね、そうなると人口減少に歯止めが、と言う理由ですわ」



「なるほどな・・・それで結婚する際の贈り物とかどうなの? 結納の品とか納めるよね?」


「婿に入るか嫁を貰うかで違ってきますわ、貰う方が先方の家に贈り物を差し上げますわ、これは男女関係ありませんわね」


「3人は嫁ぐ形になるだろうけど、シャルの場合はどうなるんだ?」


「兄様がいるので婿に、と言う話にはなりませんわ」


 なるほど、シャルは家を継がなくて良いのか、それにしても兄がいるって事はその兄も当然エンシェントドラゴンだよな、属性も当然火か。


「それなら贈り物を準備しないとな、一般的にはどんな品が良いのか?」


「良い品が有れば武器や防具ですわ、家宝ともなれば絶大な繋がりが出来ますわよ」


「ふむふむ、武器だと何でも良いのか?」


「一般的には片手剣やフルプレートメイルですが、我が家では槍が重宝されますわね、竜騎士の一族だからとでも言いましょうか」


 なるほどな、龍になれるのなら魔法使えるの人材を乗せて戦えば戦力アップするのは確実だけど、流石にそう易々と載せたりはしないのだろう、プライドもありそうだしな。

 そうなると竜を手なずけて育て、自分たちが乗るんだろうな。


「それなら素材調達して作ってもらうか、それともう一点、ご家族は魔法は得意か?」


「我が家は火魔法のプロ集団だと自負しておりますわ」


「なら決まったな、今日は贈り物の調達の為にもダンジョンへ行く、総員フル装備で馬車に集合だ」


 不動産屋からは歩きだった為に時間が掛かったが、さすが馬車だ、結構な速度出ている。

 三十分ほど掛けダンジョン入り口に到着する。

 

 金貨1枚取り出し。


「ではヨハンナ、夕刻に迎えに来てくれ、それまではヨハンナの考えで行動してくれ、これは食費な、昼は適当に食べてくれ、作る人が誰も居ないからな」


「承りました、マグロ様」


「シャル、例の場所まで案内頼めるか? 先頭をシャルと俺、ティアが中心、後方をシェルとセレスとする、後方は頼むぞ」


「後方は任せて下さい、瞬殺します」


一階層、シャルが焼き払いマグロが【ストーンアロー】で穴だらけにして突き進み、最短距離で二階層へ、そこで敵に接触してシャルに尋ね話しながら進む。ちなみに一階層はウッドゴーレム。

 変だな、種類固定でゴーレムしか出てこない、普通は生き物も混ざって出るんじゃないか?


「シャル、ゴーレムばかりだけど、どうなってるんだ?」


 とサンドゴーレムを倒す。


「このダンジョンはゴーレムしかいないですわ、下りれば下りるほど硬く力が強くなると考えれば良いですわ」


「なるほど、硬質化するなら素材も変わってくるのかな、そうだとしたら鉱山の代わりにもなってる訳か」


 なるほど、これが交易の正体だったんだな、家が石材だらけなのもこのゴーレムが素材って訳か。

 当然砕かれる訳だが加熱して溶かし、改めて整形すれば目当ての構造物も作りやすいって事か。


「それでそれぞれの素材を扱う買取場が入り口に併設されてるって寸法なのですわ」


「やたらと荷馬車が多かったのはその為か、軍を送り込めば強くなり資金も稼げるか、それでその罠は一ヶ所のみか?」


「偶数の階層に一つずつ在りますわ、例外で十階層のみはダンジョンボスのみですわね」


「なら八階層で大量に倒すのが一番の修行になるのか、まぁ順番に試して安全を確認しながら降りるか」


 二階層罠部屋の中。


「はい、ここでストップですわ、この部屋中央のあの模様が有る部分に入ると約一秒間隔で二十体以上五十体以下のランダムで出現しますわ」


 罠なんて素人が目て見て判断しろは無理だからな、それなりの訓練を受けて技術を身に着けるか、俺の様に空間把握で壁や地面の空間の空きとか魔力感知を絡めて判別するしかないからな。

 この部屋の罠には直ぐに分かるよう、目印として周囲に金属のインゴットが置かれている、利用者が回収し、帰る際に設置するのだろう。


「それなら発動前にやりたい事が有るから待ってくれ」


 陛下へのお土産も新たに作らないとな。


「了解しましたわ」


 灼熱の魔槍を見つめ素材を観察する、とりあえず通路に向かって100倍【オリハルコンウォール】

 金色とまではいかないが黄色味を帯び鈍く光沢のある金属が出現した。


「・・・マグロ、何してるんですの?」


「うはっ、これも作れるのね」


「知ってる鉱物を、マグロは魔法で作ってるのです」


「うんうん、さすがマグロにゃ」


「作るって・・・規格外の範疇にすら収まりませんわよ!」


「成功だな、もう一つ試したいことが有るから、そっちは皆で倒してくれ、ティアは気をつけてくれよ、俺はまだ部位欠損とかの重篤な治療はした事が無いからな。

 骨折されても治せないかもしれないからな、俺は端でじっくり試させてもらうよ、素材回収はセレスがしてくれ」


 残りのマジックバックを4つともセレスに渡しておいた。


「その時は自分で治すから大丈夫なのにゃ」


「わかりました、お任せを」


オリハルコンを回収してマグロは部屋の角隅へ、そこでミスリル千kgと聖水一樽取り出し蓋を開けた、自身に【クリーン】をかけて左手を徐々に樽に差し込み、右手でミスリルに触れる。

聖属性を感じ取り、魔力を同調させてミスリルに流し込む、一気に流し込む事はせずじっくりと時間を掛け魔力を飽和させた。

 飽和とはそれ以上蓄える事が出来ず、漏れ出すまで魔力を流し込む事だ。


「よし、成功したかな? 鑑定!」

 

 鑑定

 聖銀:ミスリルが長年魔力を貯め込んだ鉱物


「成功したな、ミスリルより輝いてるか? さて、後倍だな」


 更に聖銀を千kg作り合流した。

 後になって失敗した事に気がついた、二回目は光魔法と土魔法の混合魔法、尚且つウォール魔法で作る方が早かったと。


「やっと終わったよ、そっちはどうだった?」


「千体以上は倒したにゃ」


「は?」


「だから千体にゃ、マグロは終わったのにゃ?」


「その言い方されると締められた様に聞こえるな、まあ良いか、こっちはおかげさまで予定通り終わったよ」


「それならもう帰るのですわ、出たら夕刻近いと思いますわよ」


「そんなに時間が掛かってたのか、すまないな、一体たりとも倒さなくて、帰りは任せてくれ」


 魔力探知して相手のコアが丸わかりだと帰還中に気が付き、それからは一発で仕留めて地上へ帰還した、使った魔法は【ストーンアロー】だ、重さによる貫通力が必要だからな。


「ご無事にお帰りなさいませ」


「待たせた様だな、それと一つ頼みが有る。

 ヨハンナ一人だと休日が無い状態だろ、お前と同じ条件と待遇で迎えるから、知り合いで腕の良いのを一人引っ張て来てくれ」


「ご配慮感謝します、近しい友人が以前勤めていた所に居ますので引き抜いてきます」


「なぁ、それ不味くないか? 俺が言うのもなんだが」


「先方の待遇が良ければ辞めないでしょう、そう言う事です、気にせず引き抜きましょう」


「まぁ良いか、任せるよ、そっちの引越しも終わるまでマジックバッグは貸しとくよ、直接帰っても料理作るのが手間だからな何処かで食べて帰ろう。

 そうだった、約束してた金貨10枚を渡してなかったな、もう一人の分も合わせて二十枚渡しておくよ」


 金貨二十枚を渡しておいた。


「あそこの馬屋さん、大丈夫でしょうか、マグロが引き抜くから潰れたりして?」


「マグロさんが引き抜いたとばれても手出しは無理でしょう、王宮の隣ですし」


「何気に反撃受けるって話になってる?」


「すでに遅いのにゃ、引き抜く前提だからにゃ」


 食後の帰って居間にて。


「明日は休日とするがシャルにはお願いがある、陛下への献上品が揃ったのでお伺いしたいと、都合の良い日時を決めて来てくれないか? 此方の予定はあって無いようなものだし気にしなくて良いからさ」


「了解しましたわ」


 本格的にレベルアップに励む前に近接か斥候の担当をPTに入れておきたいな、後になればなるほどレベルに差がつくから最前とも言えるか。


「シャル、この地に奴隷商人っているか?」


「いますわよ、人数を増やすおつもりで?」


「そうだ、近接専門と斥候担当がいないからな」


「それは宜しいですわね、今のままだと少々バランスが悪いですものね」


「シャルが予定を聞いて戻ってから出かけるとして。

 武器の発注と公式な場に出る際の服と結婚式の際に着る服と、普段着もだな、それから着飾る為のアクセサリー類も買っておかないとな」


「それは必須ですわね」


「マグロさん、服も重要ですが、鎧も購入されては如何ですか? 防御力的にマグロさんが一番低い気がします」


「確かに鎧部分だけが普段着では格好が悪いか、それなら一セット購入するかなぁ。

 しかし体が足りないな、しなければいけない事とやりたい事が結構あって手が回らないし」


「それって何ですにゃ? 手伝える事があるなら言うのですにゃ」


「そうだな、帝都の魔道具屋で購入した各属性の本を読んで魔法を覚えて、それを利用しての新たな魔法の構築だろ、それとオークションで競り落としてきた本の解読とその会得、それとHPMPポーションの製作だな」


「火の上級程度なら使えますわよ」


「セレスには水と風を教えてもらう約束をしてるんだ、他の属性も頼めるか?」


「各属性を使える者が教え合い、マグロしか出来ないのはマグロが担当して、ポーションは如何しましょうか?」


「まだ製作スキル取得用のスキルスクロールは使ってないからな、十枚あるぞ」


「十人も居ませんがそんなに必要ですの?」


「言って無かったか? 最終的に俺のPTは十人規模にする予定だ、内訳は近接職が2-3、遠距離職が4-5、回復職が1-2、斥候職が2、それで現在が近接職0、近接職と遠距離職どちらでもが1、遠距離職1、遠距離職と回復職どちらでも行けるのが2、回復職1だな、後は近接職2と斥候職2を入れて、後はその時次第で3職から1名だな」


「それなら特訓開始直後の今が一番の入れ時なのですわね」


「全員取得してないが結界魔法に関して知ってる人いるか? いれば優先的に解読を頼みたいが」


「私がしたいです、村にいた頃に見せて貰えるように頼んでましたけど、見せて貰えなくて、ずっと見たいと思ってたんです」


「そう言えば話してたな、ならシェルに任せる、好きなら覚えるのも早いだろう、時空間魔法は俺が担当だな、そうなると覚える事が多いから、当分の間は取得の為の勉強日にして試し打ちが必要になったらダンジョンに入ろう。

 その方が覚えた魔法を即実験可能だからな、急用が入ればその都度臨機応変にな」


「了解にゃ」


「それじゃ風呂入って寝ようか」

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