1:選定されし者
初作品の為不備が有るかと思いますがよろしくお願いします。
2016/09/12:行間調整。
俺は早乙女良一、現在22歳、だが二年前大病を患い2年間の闘病生活を送るも母親に看取られ死んだはずだが・・・
そこは見た事のない場所であった、ベッドに寝かされていた者は覚醒し、見知らぬ天井を見つめていた。
周りを見渡すとごく普通の部屋、ただし、何も無く殺風景でありその場にあるのはちゃぶ台に茶菓子と湯呑み茶碗が一つのみ、そして腰かけている男性と思われる人?が一人だけ
「やっと目覚めたようだのぉ、気分はどうじゃ?」
とりあえず自分の体を確かめてみる、体は有るが元の俺はこんなに体格は良くなかった、食事も出来ないほど弱ってたからなぁ、その時と比べれば圧倒的に今の方が良い。
そもそも俺の体じゃない点でおかしすぎる、魂があるのなら別の器とも言うべき体に入れられたのであろうか。
「死ぬ前と比べたら今の方が断然いいですね、ところであなたは誰で、ここは何処ですか?」
「それは何より、とりあえず此方に座って話そうぞ、緑茶で良かったかの?」
「ええ・・・」
なんの変哲もない丸いテーブルに申し訳程度の茶菓子に熱いお茶、そして何処から取り出したのか俺の分を対面に座れとばかりに置く男性、はっきり言って怪しすぎる、如何したら俺がこんな状態に・・・
「そう警戒するな、まずは自己紹介といこうかの、儂はそなたの住んでおった星を管理しておった者じゃ、名をカイエルと言う。
先の質問に答えるならば、管理人室とでも言うべきか。
そなたの事は知っておるので紹介は必要ないぞ早乙女良一よ」
星を管理って、神か?
「管理者? どういうことですか?」
「疑問に思うことは当然だろうな、まず今の状態を説明しようかの。
そなたは一度病で死亡し、魂のみを此方に連れて来られた、納得はできんでも理解してくれたら助かる」
理解も何も意識があり対面してる時点で寝ぼけているならともかく、茶を飲めば実体だと嫌でも分る、神と名乗る辺り何か用事でも無ければ呼ばれるわけがない、何をさせられるのか?
「はぁ、そもそもなぜ俺がこの様な場所に?」
「そなたの人生が不憫での、もう一度人生をやり直してみないか? 同じ星に転生させる事は無理だが別の星なら可能じゃ。
むろんそのまま放り出す事はしない、それなりのスキルなどを与える。
ここから先は心して聞くんじゃぞ、これからの説明終了後、転生までの時間が短ければ短いほど有用なスキルなどを与える事が出来るからの。
行先はアルタールと呼ばれてる星、語源や生態系や生活環境など色々な事が違うからの、会話や読み書きに関するスキルはどんなに時間が長引こうと与えるからの、有用なスキルが与えられるかはおぬし次第じゃ。
生態系としては人族や獣人などの意思疎通可能な種族や、意思疎通出来ず他者の命を狙う魔物が蔓延しておる。
魔物は害にもなっているが資源にもなっておる。
対抗手段として武器や魔法が発達しておる、そこで質問じゃ、転生するか?」
これが本当なら話に乗るのも手だよな、散々な人生だったからなぁ、車では引き殺されそうになったり、PC壊されたり履物ボロボロにされたり、あの糞親父にお返しすら出来なかったから後悔しかない、ま、最後の最後であの面見ずに死ねたのが良かったとは言えるが。
やり直せるならやり直したいな、それに凄いスキルを貰った方が後々の為だからな、なるべく最短で決めよう。
「転生させて下さい、お願いします」
「即決か、良い返事じゃ、それでは次じゃ、攻撃手段として物理攻撃か魔法攻撃、それともバランス良くか、スキルを与える基準にするからの」
どん臭いってほどじゃないが、球技は苦手だったんだよな、未知の魔法にも興味があるし、病気治療で長期間入院してる最は時間つぶしにノートパソコンを持ち込み動画見たりゲームしてたりしたからな、MMOだと魔法使いキャラが馴染みがあるんだよな。
「運動神経鈍いので魔法でお願いします」
「質問はないかの? 無ければアルタールの管理者の元まで送り届けるからのどうじゃ?」
知識はあった方が良いが、それは現地で注意しながら集めれば良いか、それに時間を取るのは以降の生活に影響出そうだし、質問無しにしよう。
「特に有りません、よろしくお願いします」
「そうか、では行くとしよう、与えたスキルに関しては転生後に【コマンド】と声に出すなり考えれば一覧が出るからのそこから見てくれればええ、では行くぞ」
コマンドか、RPGのゲーム染みてきたな、その方が慣れてるから好都合でもあるが。
視界が歪み新たな風景が映し出され、別の場所に移動した事が窺える、そこに女性が現れ話しかけられた。
「カイエル久しいわね、その子が例の早乙女良一? 私はエウシオンよろしくね」
あれ? 質問も済んで転生するのかと思ったらまだ違うようだな、今度は何だ?
「早乙女良一です、よろしくお願いします」
「久しいな、元気そうでなりよりじゃ、儂の用事は済んだからの、後はお願いする、それでは早乙女良一達者での」
説明もろくにしないまま、エウシオンに預けられる良一だった。
「ありがとうございました、失礼します」
「手短に済ませるわね、カイエルから聞いてると思うけど転生までの時間が短ければそれだけ恩恵があるわ、心して決めて頂戴ね。
転生後の種族、年齢、性別や容姿や体型を決めましょう、先ずは種族ね、候補は人族、犬族、狼族、猫族、エルフ族、ドワーフ族、竜人族ね。
戦闘スタイルは各個人違うけれど種族で大まかな得手不得手があるわ、それを考慮して決めた方が良いわね」
なるほど、俺は人のまま送られると思っていたが選択可能なのか、それなら好都合だな。
MMOで馴染みのある種族が大半か、だけどその知識を鵜呑みには出来ないな。
エルフが筋骨隆々の前衛職の適性が高い、とかだとしたら致命的だしな。
ここは最低限でも質問しないと後が怖いな。
「魔法を主体にと考えてますが、体の頑強さもほしいです、そうなると候補はどうなりますか?」
「魔法に慣れ親しんでるのはエルフね、ただ体が細身だから物理防御面では劣るわね。
頑強さだとドワーフ族と竜人族、敏捷から考えると竜人族がお勧めかしら、だけど魔法主体ならドワーフは候補から外れるわね。
元の人族なら可もなく不可もなく能力は平均的で突出してもいないわね」
この返答内容ならMMOの知識で大丈夫だろうな、魔法の面と敏捷の面からもドワーフは除外だな。
エルフだと敏捷が高く魔法適正も高い、細剣とか弓の名手だな、だが物理防御がなぁ、魔物の知識が無い以上、この選択も外すとしたら竜人族か。
体表を鱗で覆われてるとしたら物理防御面ではトップクラスだろうな、それにブレスとか出せたら火力面も最強だろ? 竜という当たりから物理面のスキルは無くとも力の面でも強そうだしな。
「竜人族でお願いします」
「わかったわ、次は年齢ね、ちなみに成人は十五歳、冒険者ギルドへ登録するなら最低でも15歳は必要よ」
未成年で放り出されたら生活資金すら稼ぐのが怪しくなるからな、未成年にするのは論外だな。
冒険者ギルドか、魔物退治や護衛の依頼を請け負いお金を稼ぐ冒険者が加入している団体と考えれば良いか。
俺が生活するうえでお金を稼ぐならこの団体に所属するのが一番手取り早いだろうな。
ただ低すぎるとつけ込んで来る、もしくは裏道とかに引きずり込まれて身ぐるみ剥ごうとしてくる奴が居るかもしれない、高すぎるのも遅い登録だとこれも悪目立ちするか、低すぎず高すぎずか。
「16歳でお願いします」
「わかったわ、次は性別と容姿や体型ね、平均的な顔にするとか高身長や横幅とかね、後は髪の色ね」
元の身長が違和感無く馴染めるだろうな、その後の成長は自然に背が高くなるから大丈夫だろう、後は好みか。
「性別は男で顔は種族として平均より良い程度で、身長は175cmで、体格は前衛職として平均から若干痩せてる程度で髪の色は白銀でお願いします」
「これで全て決定ね、質問は有るかしら?」
転生場所を決めておかないと、送られて即死亡じゃ洒落にならないからな、お願いしてみよう。
「質問ではありませんが、転生場所をお願いして宜しいでしょうか」
「賢明な判断ね、良いわよ、ある程度の融通はしてあげる」
「有難うございます、町から3km圏内で初心者用の敵しか出ず、町まで障害無く行ける場所にお願いします」
「結構細かく要件を出すのね、だけど最適な要望ね、了解したわ、他にあるかしら?」
「以上です、有難うございます」
「少しアドバイスね、魔法主体との事だったからその発動方法ね、無詠唱のスキルが与えられているからその視点から教えるわよ。
魔法はイメージをはっきり思い浮かべて発動させる事、この応用で複数の属性を混ぜる事も可能だわ。
後はあなた次第ね、それでは転生させるわね」
「ありがとうございました、エルシオンさん」
こうして早乙女良一は転生するのだった。