無口な海賊と時々人魚な私
復活記念です^ ^
海賊さん、憧れます♪( ´▽`)
〝婚約破棄だ″
私の婚約者と、
異世界から来た新しい聖女は
真っ白となる私に、彼女達は
残酷に、楽しげに、偉大な事のように
そう叫び、キスをした。
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私を引き取ってくれた家族達には、
牢屋に鉄の塊に繋がれる私を解放するように王に進言したら、現聖女に心を囚われた男達によって、身に覚えのない罪を着せられ、みんな、みんな消えて行ってしまった。
私に愛を囁いていたあの人も、
牢にいる私を冷たい瞳で、
言葉で傷つける。
私が15の時まで過ごしていた
あの森の様にこの牢屋の中は
とても冷たかった。
牢の中の私は助けを請うた。
「だれか、だれか、私を助けて」
そして、ボロ布だけを着せられた私は、
今の私を見て、悲しみに、怒りに泣き叫ぶ私を変わらず愛してくれる大勢の国民の前で、罪人専用の船に乗せられ、誰もいない、
深く暗い海に捨てられた。
………って、
ふっざけるんじゃないわよーっ!!!!!
そう、言わずもなが、前世の彼女の記憶、
いや、彼女を呼び起こしてしまった。
ゴブォッ!
足に5トンの鉄の塊があるが、
そんな物は彼女には通用しなかった。
今はきらめいて見える海を我が物のように
感じ、足を動かす。
前世では、なぜか彼女はこう呼ばれた。
「目指せ!オリン◯ックぅゔ!!」
〝人魚″と
ウォォォォォォッ!!!
なんで死にそうになっているの私ぃぃぃ!
こんのくそったれ〜!!!
迫力ある顔で地上を目指す彼女は
まだ気づかない。
海中の中で息をしている事、
足にしがみつく鉄の塊は、
なくなっている事、
いつの間にか、彼女のやせ細った足は、
虹色の鱗を輝かせた人魚の尾に
なっていることを…。
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そんな海でもがいていた私は
突然上から降ってきた網で
すくい上げられた。
「ゲホッゲホッッ」
自然現象で出た涙で滲み、
揺れる視界の中、
私が確認できるのは、
透き通る青空ときらめき、
無邪気に広がる青の海、
自分の足が尾になっている事、
そして、私を見つめる暖かみ1つも
感じられない冷徹な瞳の男だった。
誤字等がありましたら、
申し訳ございません♪( ´▽`)