ア~ブ~ダ~ク~ショ~ン~
同日 午前9:30
タカオ転送ポータル
転移魔法でタカオへとやってきた俺達を某宇宙戦艦なアニメのクルーみたいな体のラインがはっきりとわかるような黄色いスーツの女性が出迎えた。しかし彼女は無表情に敬礼をするし言葉も発しようとしない。俺は返礼をする。
「ふむ、バイオロイドの製造と配備は問題なく進んでいるようだな。」
「な、なんですかここは、いったいいつのまに。」
沙織があたふたと騒ぎ出した。前に話したはずだがと返すと。
「銀河帝国だとか帝国軍の軍人だとかゆうあれですか、まさかホントのことだったんですか?てっきり先輩が中二病だと。」
失礼なことゆう恋人だ本気にしてなかったとは、あとでおしおきだな。
「はっそうすると先輩は地球人じゃなくて、宇宙人さん?わたしアブダクションされてる最中?」
「そうゆうことだ、取り乱しているのか、肝が据わっているのかわからん女だな。メディカルルームへ向かうぞこの機会にお前を生体改造してこっちの世界にこさせるからな。」
生体改造ってなんとか女とか怪人にするつもりですかとか言い出す沙織だが、わずか100年も生きられないままだと俺達の平均寿命からすると永く一緒にいられないと説得して理解しきれていないようだが納得させる。
メディカルルームに着くと今度はピンク色のスーツの女性たち3人に出迎えられた。彼女たちはメディック用に専門知識をインストールさせたバイオロイド達だ、さきほどの女性より多少表情があるが三人ともそっくりな顔をしている。
「同じ顔が三つならんでいる………。」
俺達にはそれほど不思議な情景じゃあないが、沙織には居心地が悪いようだ、クローン技術を応用した人工生命体で人手不足を解消するのに使っていると説明する。
手近の一体に耳打ちして、沙織を診察させる、ナノマシンを利用した長命化と生体強化の予備診断だが………
「艦長、艦長の仰るとおり、この女性は妊娠しています。」
「えっ?妊娠?先輩との赤ちゃんがこのなかに?」
突然告げられたことに吃驚しながらも自分のおなかを愛おしそうになでる沙織、可愛ええのう。
「お兄様、原生地球人と私達の間では子供はできなかったのでは?」
「できにくいだけでできないわけじゃあない。」
ここ千年程の間、わが月守家や月影家などに周辺の豪族や戦国武将などから嫁を娶ったこともあったが彼女たちのほとんどは子をなすことができなかったが幾人かは、子供を産んだとゆう記録が残っている。
「だが死産する可能性もある、そうならないようにいまのうちに手をうっておく必要もあるだろう、このまま彼女に生体強化の施術と胎児の遺伝子調整を。ふたりとも沙織に付いていてやってくれ、俺は艦橋にいく。」