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ふたりの日々  作者: 鳥頭
1/7

○月○日

-朝-

鋭い破裂音が鳴り響く弓道場に顔を出すと、あいつは今日もひとりで弓を引いていた。

俺に気付いたあいつが弓を下ろすのを確認すると、俺はいつものようにペットボトルを投げ渡す。


あいつは中身を口に含んでから感謝の意を表すと、「あんたも毎朝暇人ね」と呆れながら片付けを始めた。

俺の話に声を上げて笑うあいつ。俺たちは昇降口へと入ると、下駄箱で分かれる。




-昼-

屋上の扉を開けると、今日もあいつがシートを広げて座っていた。俺が靴を脱いで向かい合わせに座ると、あいつは楽しそうに弁当箱を広げ始める。


「今日は何が良いんだ?」

俺はあいつにリクエストを聞くと、食後の運動とばかりに購買へと駆けていく。

弁当を分けてもらう代わりに、デザートと食後の飲み物を調達する。それが俺とあいつとの約束だった。




-夜-

特に部活動をしていない俺は、今日も図書館でのんびりと過ごす。

その日の課題を終えて、適当な本をぱらぱらと捲り、頃合いを見計らって校門へと向かう。


「本当に暇人ね」

そう言って笑うあいつを確認すると、俺たちは連れ添って歩き出す。あいつが扉の向こうへと消えていくのを見届けると、俺も自宅のドアを開けた。


暫くすると携帯電話が震えだす。

開けてみると一通のメールが入っていた。

送り主はあいつ。内容を見ると、「いつもアリガト(^_^)」と書かれていた。

俺はそれを確認すると、夕食の準備を始めた。


これが俺の日常だった。

物心が付いた時から一緒にいたあいつとの、変わりのない日々、いつもの光景だった。

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