第一話
家族は大事ですか?
家族をテーマにした30分で泣ける小説を書く作家Hikari
さんの小説出版のお手伝いをしています誠也です。
前作「大切な約束」で10万部のスマッシュヒットを出し
てから早2年。沈黙を経て再度夏ごろを目処に執筆再開
です。
ぜひ一緒にHikari小説&Hikarを盛り上げ
てください。
2007年・6月18日
公式携帯サイト【News cafe】ニュースカフェにて、
掲載されました!!
無料サイトなので、拝見してみてください。
サイトURL:
http://newscafe.ne.jp/
「何のために生きているの?」
「家族を守るためだよ!」
「意味分かんないよ!!」
少しピースの足りないパズルのような家だった・
父さんは元々仕事人間。ほとんど家庭を顧みることなんてなかった。何でもかんでも母さんにまかせっきり。
いつも仕事ばかりで、家に帰ってくるのは、いつも私が眠ってしまったあと。
とにかく忙しかった。
休みなんてなかった。
たま〜の休みは、いつも寝てばかり。
会話らしい会話なんてほとんどなかった。
母さんはそんな父さんの愚痴なんて、一切言わなかった。
口癖のように
「父さんは大変なんだよ」
「父さんは私たちのために頑張っているんだよ」
いつも言っていた。
私は不満だった。
父さんに聞いた事がある。
「どうして父さんは忙しいの?」
そしたら父さん笑って答えた。
「ごめんな。忙しくてごめんな。」ちょっと答えになっていなかった。
母さんにはよく愚痴を言っていた。
「父さん家にいてもいつも寝てばっかりじゃん」
そしたら母さんもいつも笑って答えた。
「父さんは疲れているから、ゆっくりさせてあげなさい」って。
「父さんはあなたと私を守るために頑張ってくれているんだから、父さんに文句とか言ってはいけないんだよ」って
心の中ではいつも疑問符が浮かぶのだが、母さんに言われると、納得した振りをするしかなかった。だって大好きな母さんに言われるのだから・・・・・。
大好きな母さんとちょっとだけ好きな父さん、そして私。
ちょっと不恰好だけど3人の幸せの形だった。
父さんが家にいない分、母さんはどこの家庭よりも私のことを守ってくれた。物凄く優しくて、綺麗で、若くて、やさしくて、自慢の母さんだった。
特に料理は絶品だった。学校の行事に持っていく弁当は私がもっとも優越感にひたれるときだった。可愛い弁当箱に色とりどりの料理。きれいに盛り付けられた弁当は友達の間でもちょっとした注目だった。
母さんは小さい頃、貧しくて、弁当の時、いつも恥ずかしい思いをしていたらしい。だから娘の弁当だけは腕によりをふるって、最高なものを作るようにしてくれていた。
何もかも私中心に、考えてくれた母さん。そんな母さんがいたから、父さんも好きと思えた。母さんがいたから父さんが、どんなに忙しくしていても、自慢の家族でいれたんだ。
だから、母さんの死は、体を突き抜けるような衝撃を受けた。あまりにも突然すぎる出来事だった。
読んで頂いた方達へ、
今後、活動にあたりまして、
励ましの言葉、感想などありましたら、励みにしてゆきたいとおもいます。
Hikari実行委員