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『バーチャル界に愛と笑いば届けるけん!~うち、今日からVTuber始めるけんねっ❤~』  作者: 優貴(Yukky)


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第5話 『ほんとに、うちでよかと…?』

夜0時12分。

配信後の静かな部屋。

みらいはベッドに座って、さっき届いたDMば見つめとった。

差出人――

天音ルカ

登録者数15万人の人気VTuber。

福岡出身、トーク力抜群、歌も上手い。

「……え、なりすまし?」

震える指でプロフィールを開く。

青い認証マーク。

本物。

DMの内容は短かった。

『昨日の切り抜き見ました。

博多弁、素直でいいですね。

よかったら今度コラボしませんか?』

「……は?」

声が裏返る。

「うち、まだ600人もいっとらんとよ?」

登録者数:598

現実感がない。

もう一度読む。

何度も読む。

夢じゃなか。

胸がドクドク鳴る。

「……なんでうち?」

嬉しい。

ばってん、それ以上に怖い。

“15万人の前に出る”

頭が真っ白になる。

翌日。

学校でも、ずっとそのことば考えとる。

ノートは白紙。

「花咲ー、ボーっとしとるよ?」

「……え、あ、ごめん」

心ここにあらず。

“断ったほうが安全やない?”

“失敗したら終わりやない?”

不安がぐるぐる。

でも。

あの夜の自分が言った言葉。

「二発目も三発目も撃つけん」

放課後、急いで帰宅。

パソコンを開く。

DMを打つ。

何度も消して、書いて。

『こちらこそ、ぜひお願いします!

まだまだ未熟ですが、精一杯やらせてもらいます!』

送信。

手汗びっしょり。

既読。

すぐ返信。

『来週金曜どうですか?

うちの枠でやりましょう。』

「うちの枠……?」

つまり――

15万人のホーム。

逃げ場なし。

「……やるしかなか」

その夜。

LIVE

「こんみらーい!」

同接:83

「ちょっと報告あると」

コメントがざわつく。

《なに?》

《重大?》

深呼吸。

「天音ルカさんと、コラボ決まりました」

一瞬、静まり返る。

そして――

《えええええ》

《すご》

《やば》

《急展開》

同接:120

「ちょ、増えすぎ!」

コメントの流れが速い。

《売れたな》

《もう遠い存在》

《コネ?》

胸がざわつく。

「コネとかじゃなかよ」

まっすぐ言う。

「うちも理由は分からん。

でも声かけてもらえたなら、全力でやるだけ」

コメント

《応援する》

《頑張れ》

《プレッシャーやばそう》

正直、やばい。

ばってん。

「うちね」

少し笑う。

「怖いけど、嬉しいと」

同接:147

「急に人増えすぎやけん!」

でもその中には、見慣れた名前もある。

初日からおるリスナー。

《最初から見てるよ》

《みらいはみらいでいい》

涙がにじむ。

「……ありがと」

配信終了後。

登録者数:1,102

「……1000超えた」

一週間前は0やった。

現実感がない。

ばってん、心の奥で思う。

「ここからが本番やね」

15万人の前で、うちはどうなる?

輝ける?

それとも、飲み込まれる?

スマホが震える。

天音ルカからの追加DM。

『緊張すると思うけど、

無理に面白くしなくていいよ。

そのままで来てね。』

その一文に、胸がじんわり温かくなる。

「……そのままで」

みらいは、鏡の前に立つ。

現実の自分。

そして画面の中の星乃みらい。

「どっちも、うちやけん」

深呼吸。

「逃げん」

小さな星は、いま――

大きな舞台に立とうとしとる。

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