第2章 第9話『嵐の前の光』
最終審査ライブを終えた翌週。
世界ツアー正式決定。
スケジュールは前回よりさらに過酷。
三人、疲労はピークに近い。
朝。
みらい、目覚めると喉が少しかすれている。
「やばい…今日はフルリハやん」
レイは横でストレッチ。
「俺も声がまだ完全じゃない」
ルカは既に資料確認中。
「海外スタッフとの会議、3本ある」
三人揃えば、空気は自然と戦場。
午前。
振付リハ。
舞台が巨大で、高低差あり。
移動距離も長い。
息が合わないと事故。
みらい、ステップを踏むたび、汗が流れる。
レイも同じく。
「集中…集中…」
ルカは冷静に観察、指示。
「ここはもっと早め、ここは強調」
昼。
衣装と光の最終確認。
衣装チームが焦りつつも完璧に仕上げる。
舞台上に立つと、光の演出が三人を包む。
「これ…本番、どうなるんやろ」
みらい、少し緊張。
レイが小さく笑う。
「嵐の前の静けさや」
ルカも頷く。
「ここで負けたら、世界には立てん」
午後。
音響チェック。
会場は東京ドーム級。
声の反響、光との同期、全てを確認。
レイの耳が敏感に反応。
「少しハウリング…調整」
みらいはその間、心の中でつぶやく。
“ここまで来た…三人でここまで来た”
夕方。
海外メディア取材。
「世界ツアー初日、注目ポイントは?」
みらい、少し緊張しながら答える。
「私たち三人の絆、そして成長です」
レイも。
「誰も置き去りにせず、全力で魅せます」
ルカ、まとめる。
「Lumièreは世界で戦うために、常に挑戦し続けます」
夜。
前夜リハ。
舞台袖。
緊張感がピーク。
観客席はまだ空。
だが、バーチャル同接予測は既に200万超。
三人、目を合わせる。
みらいが微笑む。
「私たち、やるだけ」
レイ、拳握る。
「全て、出し切る」
ルカも頷く。
「燃え尽きても後悔はない」
最後の確認。
ライト、カメラ、音声、アバター動作。
全てパーフェクト。
でも。
小さなミスが出る。
ルカ、即座に調整。
「大丈夫、明日、本番では完璧にする」
深夜。
三人、控室で円陣。
みらい。
「私たち、世界に挑むけん」
レイ。
「受けて立つ」
ルカ。
「全力で、最後まで」
そして。
夜明け。
東京上空、朝日が差し込む。
空気が澄む。
嵐の前の光。
三人、深呼吸。
世界ツアー初日――
全てはこの瞬間のために。




