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プロローグ 『画面の向こうに救われた夜』
夜11時。
みらいはベッドに寝転んどった。
天井ば見つめながら、ため息。
「はぁ……また噛んだっちゃん……」
クラスの発表。
言い直そうとしてさらに噛む。
男子の笑い声。
女子の微妙な空気。
「向いとらんとよな、目立つと」
スマホばなんとなく開く。
おすすめに出てきた配信。
――タイトル
『今日も元気に雑談するばい!』
軽い気持ちで押した。
画面いっぱいに広がる笑顔。
『今日も来てくれてありがとー!』
コメント欄があったかい。
《声で元気出た》
《今日つらかったけど救われた》
《ありがとう》
みらいの胸がぎゅっとなる。
「……こんな風に、誰かの役に立てるって、すごか」
涙がぽろっと落ちた。
「うちも…なりたい」
小さく、でも確かに芽生えた夢。
その夜、みらいは検索しまくった。
“VTuber 始め方”
“安いマイク”
“配信 ソフト”
朝3時。
「……やってみよ」
震える指で押した
“チャンネル作成”。
それが、物語の始まりやった。




