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第12話:『過去を裁く審判』

ようやく平穏が戻り始めたギルド本部。

しかし、そこに突如として“審判”の適合者、真壁レンが降臨する。


彼のスキルは、メンバーたちの過去ログを映像化して晒すという、まさに“公開処刑”のようなものだった。


黒歴史を暴かれ、精神崩壊寸前に追い込まれるシンたち。果たして、彼らはこの“強制反省フェイズ”を乗り越えることができるのか!?

ギルド“アークタロット”の拠点、アストロラーベにて。


“月と太陽の幻覚フェス”という名のカオスからようやく落ち着きを取り戻しつつあった一行だったが、平穏は長くは続かなかった。


《システムイベント告知:審判の間 開廷》

《発動者:真壁レン(審判)》

《参加条件:ギルド“アークタロット”所属メンバー(強制)》


「また強制かよ……しかも“審判”って、絶対ロクなもんじゃない……」


御神楽シンの警戒をよそに、足元の床が光を放ち、ギルドメンバー全員がまるで有罪判決を受けたかのように床下へ吸い込まれていく。


次に目を開けた時、そこは白と黒の大理石で構成された荘厳な空間。神殿のような造形の中央に、静かに立つ一人の青年。


白銀のローブをまとい、まるで教会の神父のような佇まいのその男こそ、タロット“審判”の適合者——真壁レン。


「ようこそ、審判の間へ。皆さんの“過去”を、今ここで見つめ直しましょう」


そう言うと、彼の手に浮かび上がる書物。“審判の書”と名付けられたそのアイテムは、対象者の行動ログ、発言、スキル使用履歴など、ありとあらゆる過去データを引き出せる能力を持つ。


《スキル発動:“記録の扉”》

《効果:対象の過去ログを映像化/精神負荷 小〜特大》


「ちょ、まって、それ再生しなくていいやつーッ!!」


シンの叫びも虚しく、空中に浮かぶ巨大モニターに投影される映像。


・初ログイン時の爆発事故(拡大スロー付)

・NPCからプロポーズされるもパニクって“はい”を連打したシーン

・裁判イベントで自分の無実を必死に主張していた言い訳シーン(字幕付き)


「アアアアやめろおおおおお!! それモザイク案件だろ!!」


さらに、次々と仲間たちの“ログ”も再生されていく。


レイ:ツンデレ発言総集編(照れ顔統計データ付き)

ミツル:詠唱失敗ランキングTOP10(エフェクト暴発付き)

カエデ:筋肉会話ログと筋肉による誤解ランキング

ヒカリ:音痴ライブ未公開シーン

ミナト:スロット“凶”連続引き記録


《スキル連鎖:“贖罪の鐘”》

《効果:対象の心に過去の選択を突きつけ、自己評価を問う》


「……これ、イベントっていうより精神拷問じゃね?」


「違います。“自己の内面と向き合う啓発の場”です」

と、レンは静かに微笑む。


「過去を否定せず、受け止めましょう。それが、未来への道標になります」


空気が、妙に真面目になったその時——


「でも俺の未来、毎回爆発してんだけど!!」

と、シンの悲鳴が響き渡る。


「うるさいぞ愚者ァ!!」と仲間たちのツッコミが飛び、ようやく場に笑いが戻った。


最終的に、

全メンバーが“自分のログ”に打ちのめされつつ、少しだけ自己を見つめ直す機会となったこのイベントは、“強制反省フェイズ”としてシステム記録に刻まれることとなった。

◆ 真壁レン(審判)

白銀のローブをまとう青年。過去ログを可視化するスキル“記録の扉”と、精神的内省を促す“贖罪の鐘”を操る。理知的で真面目な性格だが、その正義感がたびたびギルドを精神崩壊寸前まで追い込む。


◆ 御神楽シン(愚者)

毎度おなじみ爆発と誤爆の常連。今回は自身の過去ログを映像で晒され、モザイクすら許されず精神的にノックアウト寸前。


◆ 神代レイ(恋人)

クールな常識人ヒロイン。ツンデレ発言のログを晒され赤面必至。だがシンへのツッコミは忘れない。


◆ 不破ミツル(塔)

詠唱失敗と中二発言集を大画面で公開され、黒歴史ランキング1位に輝く。むしろ誇りに思っている様子も。


◆ 陣内カエデ(力)

筋肉誤解ログの披露により、筋肉人格に関する疑惑がさらに深まる。筋肉は正直だった。


◆ 星乃ヒカリ(星)

音痴ライブの未公開映像により、ファンの好感度がなぜか上昇。アイドルの道は険しい。


◆ 小野ミナト(運命の輪)

スロット“凶”の連続記録が公式に証明される。本人は運命なので仕方ない、とケロッとしている。



過去の黒歴史を次々と晒され、全員が打ちのめされるという、ある意味最も精神的に厳しいイベントでした。

「審判」レンの真面目すぎる正義感が、今後どうギルドに影響していくのかも気になるところですね。


そして、次回……ついに物語は新たなステージへ!


次回、『アルカナ戦争、始まるってよ』、お楽しみに!

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