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チュートリアル6、女神の加護?

「随分なご挨拶しといて、働けだぁ?」


 マイホーム半壊してるんだけど!?


 そんなことより、こいつってアリハナちゃんが言ってた転生者達かな?

 随分荒っぽい連中だな。


「魔王討伐とかいうふざけた思想を持ってるとも限らないから念の為にな」


 脅しってわけね。


「魔王討伐って、皆が望んでる使命じゃないの?」


 魔王討伐の為に与えられた力だ。

 討伐しないってこと?


「笑わせんなよ。魔王討伐したら、この世界には居られなくなるって話だ」


 え?帰れるって事じゃん。


「俺達はここ(・・)で一生暮らしたいんだ。分かるだろ?」


 なるほどねぇ。


 元の世界に戻れば、授かったチート能力は無くなる訳だから思うがままに暮らしたいって訳か。


「理解できるわけありませんわ。転生者なのにこんな辺境で暮らしているんですもの」


 なんか上品っぽそうな護衛が口を挟んで来た。

 おお。

 金髪ロング…どっかのお嬢様みたいだ。


「そう言うなよ。可哀想だろ?転生者達の国家、世界の統率者(ヴァルテン)。俺はそこの四天王、爆帝の炭田だ」


 なんじゃそりゃ。

 四天王なんてものもいんの?


 マジか…。

 女神の加護(デーア・ギフト)もないし、序盤ステージに四天王って負けイベじゃん。


「俺が貰った爆破で吹き飛ばす魔力ダイナマイト・マジックは、あらゆる物を吹き飛ばす…こんな風になッ!!」


「危ない…!」


 アリハナちゃん?

 ヤバい!

 吹き飛ばされる…!


 爆帝の炭田が放った爆破で吹き飛ばす魔力ダイナマイト・マジックは範囲が広かった。

 半壊していたわたしのマイホームは木っ端微塵。


 アリハナちゃんは庇おうと魔力を発動させようとしてたみたいだけど…。


 ◇◆◇◆


「ふっ。つい殺してしまったか」


 炭田は勝ち誇る。

 殺す気で放った爆破で吹き飛ばす魔力ダイナマイト・マジックに余程自信があるようだ。


「そんな…」


 アリハナは落胆していた。

 守れたはずの転生者、結莉を死なせてしまったのだから。


「なんだ、雑魚がもう一匹居たのか」


 炭田はアリハナへと狙いを定めている。


「くっ…!」


 アリハナは急いで魔力を巡らせようとしたが、この場にいる全員が驚きの声を上げた。


「ぺっ…ぺっ。痛ぇなちくしょうっ!それに誇りぽいしぃ!」


 巻き上がる土埃から、結莉が姿を現したのだ。


「え?無事なんですか?」


 アリハナから見ても、さっきの一撃は葬り去るのには十分過ぎる威力だった。

 五体満足でいられるはずがない。


 炭田自身も有り得ない事だと苦虫を噛み潰したようような表情を浮かべていた。


「全然無事じゃない…」


 結莉は悲痛な表情だ。

 その表情は深刻そうだった。


「わたしの家がアアアアアアッ!!」


 自分の体よりも木っ端微塵になったマイホームに落胆し血涙を流さんばかりだ。


 呆気に取られているアリハナだったが、炭田が再び爆破で吹き飛ばす魔力ダイナマイト・マジックを発動させる。


 爆風が吹き荒れアリハナも吹き飛ばされていた。


「久々に本気で発動させたが、この威力の前では貴様も耐えられないだろ」


 高威力の爆破。


 しかし、結莉は怒りに満ちた表情となっていた。


「てんめぇ…!わたしのマイホームを爆破しやがって…許さん!!」


「な、なっ!?この威力でも…?何なんだ貴様は!!」


 炭田の転生歴は5年。

 今まで自身の扱う爆破で吹き飛ばす魔力ダイナマイト・マジックに耐える者は居なかった。


 だが、結莉という存在だけは耐えている。


 そればかりか致命傷を受けた素振りさえない。


 結莉の扱う女神の加護(デーア・ギフト)の力なのか。


 謎でしかない。


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