EPISODE16、決着?
◇◇◇◇
雰囲気が変わった?
シセイを流れる魔力が増えた気がする。
あんにゃろ、まだ余力を残してんのか。
はやく決着付けないと、わたしが負ける。
魔力の制限を解いてみたけど、体が軋むし、関節の節々が痛え。
高熱出した時みたいな症状だ。
汗も止まらんし、魔力も凄い勢いで放出されてるし、また制限かけたら、魔力を巡らせられない気がする。
「行くぜいっ!」
わたしは加速して、シセイとの距離を詰めていく。
すっげぇ!
軽く地面蹴っただけで、この急加速。
何だって出来そうだ!
力いっぱいに蹴り上げる。
シセイは避けずに受けてみせた。
ってことは、反応出来てねぇ。
魔力の流れは見えてないはず!
すると、わたしの脚に激痛が走る。
シセイは、ただ受けるだけじゃなく、攻撃に合わせてきた!?
今度はわたしが押される。
この距離だと、はっきりと魔力量が分かんないけど、さっきよりは増えたにしても硬すぎん!?
「あだっ!?」
わたしの攻撃をことごとく打ち崩して来る。
その度にわたしにダメージが入ってるし!!
「こんにゃろ!!」
拳を打ち下ろすと、自分でもびっくりするくらいの威力が出た。
かわされたけど、地面が叩き割れた。
どうなってんだこりゃ!?
解放しただけで、この威力ってまずいかも!
初めてわたしは、置かれた状況を理解した。
イメージとしては、転生者としての魔力を解き放ったつもりだ。
でもこれは、壊れた蛇口だ。
栓を閉めても水が止まらない。
そんな状況になっている。
「焦ったな」
「あっ!?」
わたしは、シセイから目を離してしまった。
後ろに回り込まれてる。
「がっ!!」
やられた…!
シセイから放たれたであろう一撃が首元にくらう。
意識が…飛ぶ…!
「なんの…ッ!これしきっ!!!」
わたしは舌を噛みちぎる勢いで噛んで、意識を保つ。
それしか思い付かなかった。
そのまま、シセイに掴み掛かる。
決着が付いたと、シセイも油断したんだろう。
掴めた。
「これでも…くらえっ!」
「おいマジか!?」
ごんっ……!
わたしの自慢の石頭…だっ…!!
◆◆◆◆
形はどうであれ、結莉の決死の頭突きは、シセイに与えるダメージが確固たるものとなった。
シセイは鼻血を噴き出し、片膝を着く。
「なんつー…石頭だよ…!」
視界が歪みながらも苦笑いを浮かべる。
魔力防御が完璧に叩き割られた。
それでも、頭蓋骨にヒビが入る程度で済んだのは不幸中の幸いだ。
「そこ…は…倒れ…ろよ」
結莉のか細い声が響く。
「本当に驚くぜ…やめだやめ」
そう言って、シセイは倒れ込む結莉を支え、ゆっくりと地面に寝かせ、隣に座り込んだ。




