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EPISODE3、試してみるっきゃないよね!

 わたしは、アリハナちゃんを抱きかかえて、洞窟から飛び出すと洞窟が押し潰されてしまう。


 間一髪!


 外に飛び出してみれば…。


「気付いたのか」


 口角を釣り上げる男。


 そして、上空には従者が一人いた。


 さっき襲撃してきた転生者だ。


 頭上から魔法の反応があったと思ったけど、気付けてよかった。


「感知能力に優れた従者か、アリハナちゃんの攻撃を受けたフリをしたってことでしょ」


 アリハナちゃんを下ろす。

 もう一人が居ないのは気になるけど。


「勘のいいやつだな。もう一人を捜しているのか?そこの従者の攻撃を避けられなかったみたいでな」


 元木の言葉の真偽は置いといて、避けるにしても魔力が消失していた。

 遠くまで吹き飛ばされたと思っていたけど…。

 こいつの能力?

 瞬間的に魔力を消せる?

 魔力操作が出来る?


 思考を巡らせ1つの可能性を導き出す。


 ーー転移系の能力…!


 って事はもう一人は潜伏してるかも。


 アリハナちゃんが放った派手な魔法は威力も高いけど倒したかどうか確認できない面もある。


「ユイリ様、あの従者は私が…。そちらをお任せします」


「オッケー」


 ◇◆◆◇


 どう戦おうかな。

 能力が分からない以上、様子見をするべきかな?


 わたしに出来ることは、魔法とか魔力の操作だけど魔法を発動させるのに、ちょっと感覚がズレるから当てにくいし。


 返って隙を与えちゃう。


 命を大事にいきたいけど、うだうだ考えても仕方がない。


 これは、ガンガンいくしかないよね!


「せいやっ!」


 わたしは脚に魔力を集中させて急加速。

 元木の懐に飛び込んだ。


 顔面目掛けて蹴りあげる。


 ?


 避ける素振りを見せない…。


 なら、これで決まりだ!


 すると、わたしの蹴りは空を切った。


 避ける様子はなかった。


 決まったはずだけど、感触が伝わらない。


 ーーすり抜けた?


 わたしの蹴りは確かに顔面を捉えていたけど、元木の顔をすり抜けていた。


「なるほど。目で捉えられないほどの加速に、空気を震わせる蹴り。身体能力強化の類いか」


 元木はわたしを分析している。


 けど、これならどうだ!


 地面を踏み締め、固めた拳の連打。


 どれか1つでも当たればいいんだけど。


 こっちの連打に対して、元木は悠々と語り始める。


 わたしの拳は透過するばかりで決定打に欠けるな。


「身体能力強化がいくら強力であっても、当たらなければ問題はない」


 余裕こきやがって…!

 絶対ぇぶん殴ってやる。


 透過する体…。


 これは本体じゃない?


 どっかに本体がいるのか?


 ブスリ…。


「おぼっ…」


 わたしは腹に灼熱感を覚えていた。


 視線を落とすと腹へ殴っているはずの元木が、短剣を突き出していた。


 今の状態は攻撃にガン振り。


 防御が疎かになっていたせいで、防げたはずの短剣が刺さっていた。


「おや?こちらの攻撃が通ったな」


 短剣を払い除けて、一旦距離を取ろう。


 いてて…。


 刺さったのは脇腹だけど、めっちゃ痛い…!


 血も結構出てるし…。


 ちきしょうめ!


 実体がある?

 こっちの攻撃は通らなかったに、あっちは攻撃が通るのか?


 ぶっつけ本番だけど、魔導書は読み漁ったんだ。


 試してみるっきゃないよね!


 魔法を。


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