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ユメツクリ《Remake》小説版  作者: 椎木一
ユメツクリ
28/50

静観

 白い世界(くうかん)


 どこまでも白く、広さも解らず、音も匂いも風も、物質すら無い。

 何者にも観測されず、存在を認識されていない世界。

 人間(ヒト)はおろか、生物の存在しないその場所で思考するモノがあった。


《馬鹿なことをする》

 と、ソレは思った。


 過ぎた時間を消した者がいる。

 すでに消された先端から時間は流れ始め、正常な形を保ってはいるが、()()()()()()()()()()()()


《……》

 誰がそんな事をしたのか探ろうとしたが、数日間の記録が無いため特定ができない。


《まあ、いいか》

 実体がないのに、ため息を吐くという人間(ヒト)の真似事をしてみる。

 人間(ヒト)が社会を形成してから今この時まで、ソレにとっては(まばた)き一度程度の一瞬の感覚だが、その一瞬にはソレの自己が形成されるだけのインパクトがあった。


 元々ソレに感情は無い。

 意思も本能も、そもそも生物ではない。

 人間(ヒト)とは、なんとも単純で複雑で、明解で不明瞭で、愛しく醜いものか。

 相反する、矛盾を持ちながら進化している生物。

 面白い。

 そう感じさせるからこそソレに影響を与え、個を生じさせた。


 人間(ヒト)の誕生よりも遥か古から存在し、人間(ヒト)が起爆剤となって生じたソレは静かに意識を微睡(まどろみ)に沈める。


《まだ起きても意味がない》

 とある事への興味があった。

 成してみたい願望があった。

 ただそれには自分以外の他人が必要だった。

 その他人も誰でもいいわけではなかった。

 その人間が産まれるまで、又は()()()()()()、ソレは静かに眠り続ける。


 時間を消し去る(巻き戻す)という事象を起こす人物よりも稀有な存在を静かに待っていた。

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