華と光の共演舞台 終幕
後ろに跳んで退いたアレイシアを追いかけ、蔦野郎が本体ごと飛び掛かっていく。
真っ直ぐに繰り出された蔦の攻撃はあわやと言うところでなんとか、避けたが、
「アレイシアッ!!」
咄嗟に名前で呼び掛けてしまったが、今はそれに構っていられない。
威力は劣るが、大鎌を大きく振り闇の刃を繰り出し、同時に爆撃も当てたが蔦野郎の動きは止まらない。
先ほど受けた攻撃のせいで倦怠感に崩れそうな体に鞭を打つ。
斬擊も爆撃も通じないが、なんとか少しでも彼女の受けるダメージを減らす手はないかと、双方を追いかける俺がたどり着く前に。
『気持ち悪い!どっか行って!!』
力の籠った言葉と共に強烈な光が生まれた。
眩しさもだが、何よりその威力がついさっきの気取った呪を唱えた時とは比べ物にならない。
その光の塊が凝縮し、ばかでかいナニかを形作り、蔦野郎を本体まるごと吹っ飛ばした。
「……………は?」
蔦野郎を吹っ飛ばした光は………握りこぶしの形をしてるように見えたが………。
あまりの展開に俺は思わずポカンと立ち尽くした。
同じくアレイシアも自身の仕出かした事に、なんなら攻撃を受けた蔦野郎もポカンとしている。
ハッといち早く俺は立ち直り、
「追撃しろ!!」
駆けつけた勢いそのままに俺は大鎌を振り下ろす。
効かずとも妨害出来れば充分だ。
『融けて巡りて絡みつけ』
大鎌を突き刺したと同時に大鎌の形を解き蔓へと変え、再び蔦ごと蔦野郎に絡める。
あの時は俺と感覚を繋げたままにしていたが、意識に干渉されるなら独立した紐として縛るだけだ。
「光の!」
止めをとアレイシアに呼び掛ければコツを掴んだのか力強く頷き、
『食らえ!正義の鉄拳!!』
と、自身の拳を振り落とすのに同調して再び巨大な光の拳が現れ、蔦野郎を叩き潰さんと振り下ろされる。
―― ォオオぁアオぉオォぉ――――ッ! ――
心なしか俺を相手にしていた時より遥かに必死な抵抗をしているように感じた。
まぁ、あんな呪で顕現されたあの見てくれの≪異能≫で倒されたら悔やんでも悔やみきれない未練が残りそうだ。
俺の考えが正しいのかは分からないけれど、蔦野郎は蔓を引き千切ろうともがく。
が、流石にそこまで簡単には千切れない。
なす術なく、蔦野郎に光の拳が下された。
絶望的だと思っていた状況がどんでん返しか、よくある大衆向けの勧善懲悪のストーリーといったところか。
まぁ、≪正義の味方≫様の必殺技は些か難があるが。
「流石は≪正義の味方≫様……って奴か。」




