次はお前な!
僕の二つ前の席、そこにずっと背中に黒い影が纏わり付いてる子が座っていた。
その黒い影はいつも不気味な何かを発していて周りに誰も近づかなくしているように感じてた。
彼には友達がいなかった・・・僕以外には!
僕はそんな彼の影の存在なんて気にすることなくその子と仲良く遊んでいた。
いつもは気にしない、きっと触れちゃいけないものなんだ、そう思い背中の影の事は彼には絶対言わないと心に決めていた。
だがある日のこと、その子が学校の階段で転んで足を怪我した。
その時影に違和感を感じた。
ニヤァって笑ったように感じた。
「えっ??」となった僕は怪我して擦り剝いた所にハンカチを縛りながらその子の背後をジッと見てしまった。
「後ろ、気になるかい?」
「え!いや、そのさぁ!!」
僕はどう言い訳したらいいか分からなくて悩んでいた。
「いいんだよ、僕も知ってるからコイツのこと!君が気を遣ってずっと黙っていた事も知ってるから!」
「え!!いやさぁ、その、えっとぉ・・・」
「怪我看てくれてありがとう、もう大丈夫だから帰ろうか!」
彼はそう言ったっきり背後の影については一切なにも喋らなかった。
明るい顔をして僕の手を引っ張って一緒に家に帰った。
その道中、影の中からかすかに現れた白い顔から白くて血走った目をひんむいて影が僕を睨んでいた。
鬱陶しい者を見るかのような、獲物を見つけた動物のような、気味の悪い目をしていた。
その顔が脳裏に焼き付いて離れなくなった。
恐かった。
その日の夜だった。夢の中にそいつが現れた。
僕は夢の中でその子と遊んでいた。楽しくボール遊びをしていたが、その間に割って入ってきて友達を連れ去っていった。
「いつも邪魔ばかりしやがって!」
そう言って近づいてきた影はハッキリと白くてしわくちゃな老人のような顔を浮き上がらせ、目をカッと開いて僕に圧をかけてきた。
「次はお前の番だ!」
そのタイミングで目を覚ました。
汗が止めどなく出ていた。
もの凄くリアルで気持ちの悪い夢だった。
そんな時だった。フと友達の事が頭に浮かんだ。
「ヤバい、もしかして!!」
時計を見るともう時刻は7時50分、いつもなら家を出ている時間だ、僕は急いで朝食を済ませ身支度をして直ぐに学校に向かった。
遅刻ギリギリだった。
教室に駆け込み友達の席を確認した。彼はそこに居た。
いつもと変わらずにいつもの席に座ってた。
僕はホッとした。
だが、異変に気付いた。
彼の背中に黒い影が無い!「え?なんで??」
その時だった。僕の顔に夢で見たあの不気味な顔がニュッと現れ、ニタァ~っと汚く笑った。
「次はお前だ、迎えに行くからな!」
そう言って影がスッと消えていった。
友達の前からも、僕の前からも消えていなくなった。




