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決意
何も含まない澄み切った空気と小さな雪の粒がふたりを包む。不思議な空気だ。
「四季くん。私ね、まだやりたいことがたくさんあるの。長く続く未来には、いろんなものが詰まってるはずなの。でも、私にはその未来が保障されないんだ。すごく悔しいの。死ぬのをただ待つのは、もう未来に生きる希望を持ってない人の過ごし方。私は、たくさんの希望を持ってる。だから、一緒に詰め込んでくれる?私の保障のない未来に。」
強い意志とさっきはなかった動揺が律の目には写っていた。
でも、僕は、律の彼氏としてここで自分が動揺し続けるなんて違うことだけはわかっていた。
「もちろん。僕は律の彼氏だ。たくさん詰め込もうよ。希望をさ。」
「ありがとう。四季くん。」
また見ることができた律の笑顔に肩の力が抜けた。時間を無駄にはできない。
「律は何を詰めたいんだ?」
律は少し考え込んでひらめいたような顔をした。
「まずは、バンジージャンプ。一回はやってみたかったの。もちろん、四季くんも一緒にやってくれるよね。」
実は高所恐怖症だ。律はそれを知っているけどや、やるしかない!