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四季と
きっと思い出。
第0章
~ 新世界~
彼女の余命は残り0日。
僕は初めて「幸せ」に恐怖を感じ、災いとは幸せの中にこそあると知った。
2095年、彼女は自分の人生を変えた。
「世界初」という肩書きは人生で1度くらい欲しいと思うものだろう。
でもこれほどまでに欲しくない「世界初」はない。
彼女はそれを手にした。それは病でだった。
不健康でも痛くもないから治せない。
精一杯生きるその一刻も死と隣り合わせで、生きる。
訳は分からない。
この世でいちばん怖いのは
「死」を感じることの出来ない「死」だと思う。