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無銘〜怪異に堕ちた僕達〜  作者: ミリな所持金(ry
第三章 二回戦
99/138

3-26 絶望1

(いぬ)くぅ〜ん? 僕を無視してどこに行こうっていうんだーい?」


 肩に手を置いた人物は他でもない。神様だった。畜生、バレてたか! 


「そりゃ来た時点でバレてたよ〜、僕神様だぜ? 君達ゴミカスの位置把握くらい難なくできるさ。」

「思考も読めるしな。」

「いや、今は思考読むのやめてるよ。だってどう来るか分かったらつまんないじゃん! 君は単に顔に出過ぎなだけ!」


 おいおい、俺ってそんなわかりやすいか? わかりやすいにしても仮面着けてるんだぞ、洞察力がなきゃできない……って相手は神様だ。ステータス的に言うならオールカンストくらいしててもおかしくないよな。


「さてさて〜? 不幸にも僕に会った哀れな子羊ちゃん? 今、君が取れる行動は二つだ。」


 ニチャア、と黒い笑みを携え神様は続ける。


「一つは今すぐ命を諦めて、復活を待つ道だ。諦めるのはつまらないけど、時間の無駄をしたくないからね。一撃で殺してあげるよ。」


 随分と優しいことで。それで? 大本命の2番は?


「二つ、僕に全力で抗って本拠地に逃げ込むことだ。さあどうする? 好きな道を選びなよ?」


 クックックッ、と笑いながら神様は猶予をくれる。そんなもん一つしかないだろ……!


「くっ……! 『(しき)』っ!!」


 諦めて死ぬなんてあり得ない! 全力で抗って逃げおおせてやるよ! 俺を舐めきっている今しかチャンスはない。全力を持って逃げてやる!


「クハハっ! いいねぇ、やっぱり狗くんはそう出るよねぇ! 楽しい楽しい鬼ごっこの始まりだぁ!!」


 ーー地獄のような鬼ごっこが始まった。

 ーー後にも先にも、これほど肝が冷えたことはない。


(まずは……距離を離す!!)


 仲間への通信をONにしつつ、全力で空を駆け、ビルの隙間を抜けていく。遮るものがない空中高くは不安要素しかない。ここはビルの間を全力で抜けるのが吉……!


「狗くんは大層『色』を過信してるみたいだけど……。」


 ーーパチンっ!


 神様が指を鳴らすと、建物の隙間に炎が張り巡らされる。たまらずビルの屋上方面へ向かう。


「はい、一本釣り! 『空間制御(エリア)』!」


 逃げ延びた先で、見えない壁に激突する。これが神様のもう一つの技か……!


「クッソ! 『鎌鼬(かまいたち)』っ!」


 突破しようと鎌鼬を放つも……無傷。見えない壁は壊れる気配がない。厚みは大してないのか、ガラスを叩いた時のような音が響く。


「ハハハっ! 無駄無駄ぁ〜! そんなちゃっちい攻撃じゃ破れないよ〜ん!」

「クソがっ!!」


 俺の位置は神様にバレていて、『色』は意味を成さない。一旦解除をし、その分の力を防御に割く。


「おお? どうするつもりだい?」

「こうするんだよ! 『絶破(ぜっぱ)』!!」


 見えない壁に手を付き、絶破を発動する。今、この見えない壁と手の間は真空になり、密着状態だ。これがダメならあとはヤケクソだっ!!

 壁とくっついた手を強引に引っ張る。すると壁はビキビキ、という音を立てながら徐々に壊れ始める。


 ーービキビキビキッ!!


「うっわぁ〜、狗くんたら大胆だねぇ〜。で・も。それを僕が大人しく見てーー」

「『(くう)』っ!!」


 会話に返答している余裕も時間もない。話を無理矢理遮り、空を発動して神様を一時的に抑える。その隙になんとかこの壁を破壊しないと……!!


「おーおー、大盤振舞いだねぇ! それじゃ、僕も()()()()()()()()()()()()()()……!」


 ーーおいおい、冗談だろ?

 ーーまだ力を隠してやがんのか?


「さーいくぜぇー! 『天弓(アポロン)』!!」


 ヒュンっ! …と音がして通り過ぎたと思った時、俺の左で壁がグシャグシャに壊れる。通り過ぎた時にとてつもない熱を感じたことから、正確には『溶け落ちる』といったところだろうか。


「おいおいマジか……! 防御と近接だけじゃなくて遠距離まであんのかよ……⁉︎⁉︎」

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