3-25 災厄
天輪から通信を受け、回復アイテムを集めつつ本拠地に向かう。6個ほどアイテムが落ちており、これだけあれば一先ずは安心だろう。
ーーキィン!!
川向こうの方角、建物街の外れから金属音が鳴り響く。恐らく誰かが戦闘をしているのだろう。情報はあって困らない。戻り掛けに少しだけ様子を見ておこう。
「身を隠せ、『色』!」
ーー建物外広場ーー
色で身を隠し、上空から戦闘をしている奴等の顔を見る。総勢5名。その中の1人は絶対に会いたくない人物だった。
「クハッ! そんなクソ雑魚ゲロカスのクセによく僕に喧嘩売ろうと思ったね!」
ーー神様だ。
大きい槌を振り回し、自身を囲む4人を難なく払い除ける。
「ほらほらっ! ちょーしに乗ってイケイケ状態だっただろ! もっときなよ!」
「クソがっ!! オラァ!!」
「全員アイツに合わせろ!!」
「「おうっ!!」」
4人のうち1人が神様に飛びかかる。髪が赤いから『赤』と仮称しておこう。赤の攻撃に他の3人『青』、『白』、『茶』が合わせ、神様に迫る。
しかしその攻撃は届かない。神様の眼前10cmくらいだろうか? そこで攻撃が止まり、弾かれる。
「はい雑魚〜! もっと火力上げてから出直しな!」
「ぐわぁ!!」
「今だっ!!」
「「ッシャア!!」」
赤の攻撃が弾かれたタイミングで、青、白、茶の3人が三方向から一斉に攻撃を仕掛ける。だが、これも神には届かない。
「お前達もさぁ〜、弱過ぎて話になんないっ!!」
ーーブォン!!
大槌を一周させ、全員をまとめて吹き飛ばす神様。攻撃が一切効いていない。
「はぁ……。期待外れもいいとこだよ、僕出てきて損した気分だ。君達そんなんでホントに勝てると思ってたの?」
大槌を肩に乗せ、神様は深くため息を吐く。攻撃自体は武器によるものしかしておらず、防御は神様の能力だろう。透明で強固な結界でも張ってあるかのように、神様に傷一つ付けられていない。
「ぐぅ……! まだ……!」
「もう飽きたからお前達は終わりだよ。さっさと死んでゲームに戻りな。」
「と、止めろぉぉぉ!!」
「うおぉぉぉぉ!!!!」
大槌を地面に置き、神様は祈りのような体勢に入る。何をしようとしているかは分からないが、マズいことだけは分かる。神様があの体勢に入ったときから、冷汗と鳥肌が止まらない。何がくるか分からない、巻き込まれないように距離を取る。
「砕け散れ、『天墜輝』」
ーー瞬間。
ーー辺りは眩い光に包まれた。
……次に目を開けた時。神様の周りには誰もおらず、あるのは四人が居た位置に残る黒い跡のみだった。
「はぁ……。まあこれで少しはスッキリした……かな?」
神様はコキコキと首を鳴らす。疲労した様子もなければ目立った傷もない。敵を一撃で屠る技に、絶対防御。このゲームに於いて、まず間違いなく『最強のプレイヤー』だろう。
(まだ気付かれてないよな……?)
こちらを向く気配のない神様に安堵しながら踵を返す。後ろを振り向いた瞬間……。
ーートンッ。
ーー俺の肩に手が触れた。
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