3-22 へんたいよくできました1
「な、なんですその技っ⁉︎⁉︎ 狡くないですか⁉︎⁉︎」
「五月蝿い!! 死ね!! 殺す!!」
もはや口もきくのも面倒だ。崩落した建物の床を蹴り飛ばし、伯爵に迫る。
「なんなんですか……! 貴方、頭おかしいんじゃないですか⁉︎⁉︎」
「幼な子を泣かせる貴様らに言われたくないわ!! 死ね!!」
顎狙いのフックを血の武器で弾かれたところに、間髪入れずハイキックを叩き込む。ようやく当たった。身体能力は痩せっぽちな見た目通り、あまり高くないらしい。逃げの技は脅威的ではあるが。
「おぶぇ……!!」
「殺す!! 死ね!!」
「語彙がおかしく……って危なっ!!」
ハイキックを繰り出した足を地面につき、逆足で後ろ回し蹴りを放つもギリギリで避けられてしまう。
「調子に……乗るなぁぁぁ!! 『血ト狂暴』っ!!」
空中に先端を捻じ曲げられたような血の杭が数本出現する。剣、槍、杭……。なんでもありだな……。私には通じないがな!!
即座に車輪形態へと変化し、杭を避けつつ伯爵へと迫る。
「挽き肉にしてやろう!!」
「くそっ!! 『影ノ虚』!!」
目の前に迫ったところで、また姿が消える。幼女以外と鬼ごっこをする気はさらさら無い。周囲に意識を向け、小さな音や動きに反応できるようにする。
ーーガサッ。
ーーカツン。
「そこか! 『剛震滅脚』っ!!」
音の方向に向かい、技を放つ。建物自体の崩壊を防ぐため火力は抑え、伯爵の動きを止めようと試みる。
「ぐっ……!」
伯爵は大きな瓦礫の陰に隠れており、案の定技に足を取られていた。
「幼女を泣かせた罪……! とくと味わえ!!」
車輪形態で伯爵に迫り足を目標に刎ねる。この手の輩は動きを止めねば一生捕まらず、こちらのジリ貧になってしまう。火力を抑えたせいで動きの抑制が不十分だったためか、伯爵は既の所で回避してしまう。しかし、先程からの戦闘で一つ気づいた事がある。
伯爵の『影ノ虚』という移動技、恐らくだが連発はできない。先ほど攻撃が何度か当たったり、相手が回避したことから、クールタイムが必要な技のようだ。
「くそっ……! くそくそくそっ! なんなんですか、貴方は!!」
「少女の守護者、『天輪』だ! 貴様のような悪、捨て置けん!!」
「このっ……! 変態があぁぁぁぁぁ!! 『血ト狂暴』っ!!」
こちらの攻勢に堪え切れなくなったのか、伯爵は私に向かい小型ナイフのような血の武器を射出してくる。車輪形態で避けてはいるが……攻めて避けての交互制では埒が明かない。ここは、紅狐さんとの連携が必要そうだ。
しかし、今の状態では会話もままならない。頭に神と紅狐さんを思い描き、会話ができないか試してみる。すると、頭の中に声が響いた。
『なんだよー輪っか。こっちも現場行く準備で忙しいんだけど!』
『神よ、あーちゃんと紅狐さんの連携技を思い付きました。許可をもらえませんか。』
『……ふーん。連携技か……。なるほど、その技なかなか面白そうだねぇ! 許可する! 今狐っ子とロリっ子と話させてあげるよ!』
数秒と経たないうちに今度は紅狐さんの声がする。声はしないがあーちゃんもいるのだろう。
『天輪……?』
『あーちゃんとの連携技を思いつきました。協力してもらえませんか?』
『……ん。』
『技の詳細はーー。』
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