3-21 秘技・柔
「『秘技・柔』っ!!!!」
紅狐さんの目の前に迫ったニュートンの小刀を、技でもって制する。ついでに腕から肩にかけて関節を決めて、動きを止めさせた。新手の出現に、伯爵とやらは警戒し動かない。
「ぐおぉぉぉ!!」
「て、天輪さん!!」
あーちゃんが泣きながら声をかけてくる。……泣きながら?
「あーちゃん、紅狐さん。間に合って良かった。」
「ギリギリ……。」
「て、天輪さぁ〜ん! もう、ダメかと……!」
「もう大丈夫だ。私が来たからには安心してくれ。」
ギリギリと関節を決めたニュートンの腕を締め上げる。あーちゃんが何故泣いているんだ……?
「ところであーちゃん……。君を泣かせたのはこの無礼者かい?」
「え? ……えっと、あとそっちの伯爵……さん?」
「手籠に……されかけた……。」
「手籠……だと……?」
ギリギリと締め上げた腕をさらにキツく締め上げる。
「ギャアァァァァ!!!!」
「……ふ、ふふふふふふ……!!」
自分の中にドス黒い感情が渦巻く。泣かせて手籠だと……?
「……この無礼者共がぁぁぁ!! 皆殺しだぁぁぁ!!」
ーーボキィ!!
「あ″あ″ あ″あ″ あ″あ″!!!!!!」
ニュートンの腕をあらぬ方向に捻じ曲げ、叫ぶニュートンを伯爵に向けて蹴り飛ばす。伯爵はバックステップを踏み、避ける。
「『狐火』っ……!!」
吹っ飛ばした先には紅狐さんの陣があったらしい。ニュートンは真上に来たところで狐火の火柱に当たり、背中がこんがりウェルダンになっていた。
「許さん……! 貴様らは私がまとめてぶちのめす……!!」
「おや? ……少し雲行きが怪しくーー」
「噴っ!!!!」
こんな奴等の話に耳を傾ける価値などない。一気に距離を詰め、崩拳を叩き込む。……正確には叩き込もうとした。
気がつくと私の攻撃は空を切り、伯爵は壁際まで移動していた。
「危ない危ない。聞く耳持たぬとはこのことーー」
「勢っ!!!!」
伯爵に駆け寄りさらに連撃を繰り出す。今度は移動をせず、血のようなものでできた刀剣で応戦する。
「ちょ……まっ……!!」
「五月蝿い!! 死ね!!」
話など聞いてやるものか。幼女の涙は正義、泣かせた奴は悪。殺す。慈悲はない。
「『血ト狂暴』っ!!」
「『剛震滅脚』っ!!!!」
伯爵が血で槍を作り出す。それを円盾で弾きつつ、剛震滅脚で床を崩しながら炎で炙る。
「敵味方お構い無しですか……!」
「私の味方は優秀だからな、気を遣う必要などない!!」
実際、あーちゃんと紅狐さんは無事だ。あーちゃんがちゃんと水で守っている。ニュートンは巻き込まれて一緒に落下中だ。
「食らいなさい!! 『血ト狂暴』!!」
「『秘技・柔』!!」
伯爵の血の刺剣を技で弾く。『秘技・柔』。物理的な攻撃も非物理的な攻撃も全て受け流す。私の防御技だ。……あまりに強く、神から回数制限をかけられているが知ったことではない。幼女を泣かせたものは必ず殺す。出し惜しみは無しだ。
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