3-17 紅狐とあーちゃん2
顔色の悪いイケメン、『病弱』はどうやら『ニュートン』と仲間らしい。目配せをした後、同時に仕掛けてくる。
「あーちゃん! トカゲに!」
「はい! 『守の型、反鏡』!!」
攻撃力の高くなさそうなニュートンに向けて、技を使わせる。これなら一時凌ぎになる。今のうちに虚弱の正体を見極めないと……!
「『炎陣』!!」
虚弱の位置ドンピシャに炎陣を張る。どう出る……?
「おやおや、危ないですねぇ。それに火遊び、感心しませんね。」
「なっ……!」
「えっ、えっ!?」
虚弱を捕らえた、と思った次の瞬間にはわたしの背後にいた。しかも無傷で。一瞬のうちにこんなに距離を詰めてくるなんて反則……!!
あーちゃんの腕を引っ張って距離を空ける。反鏡が消えて、ニュートンと虚弱が横並びになっちゃった。
「『伯爵』殿、どう見る?」
「ふむ……。まあ問題ないでしょう。さして障害にもなりそうにありませんね。」
「クックック…! 言い切りましたな!」
「か弱い女性二人相手、どうやったら障害になると?」
「確かに、相違ない! しかし伯爵殿、あの獣耳はなかなかに賢しいですぞ。」
こっちを嘲笑うかのように見下した目をしてる。むかっ。
「く、紅狐さん……?」
「あーちゃん、一応天輪に通信入れておいて。」
あーちゃんに指示を出していると虚弱改め、伯爵とかいうスリムイケメンが声をかけてくる。
「さて、お嬢様方。今の私の動きが見えましたかな? 見えなかったのでしたら……このまま戦えば貴女方は確実に負けます。ですのでどうでしょう? 私に忠誠を誓う、というのであれば本拠地の破壊だけで済ませてあげますが……?」
「もし、断ったら……?」
相手の出方を窺いながら、情報を引き釣りだそう。
「……殺しますね。正確には死ぬ一歩手前で拘束・放置、ですね。復活されても厄介なので。」
「……忠誠を誓うっていうのは? 口約束?」
「ふふふ……。この世界で口約束など何の意味も持たないでしょう。勿論違います。こうします。」
と言ったところで、伯爵は指で口角吊り上げ、わたし達に犬歯部分の牙を見せてくる。
「この牙で貴女方を操らせていただきます。ああ、口を利くくらいの自由は残しておいてあげますよ。」
指を放し、いやーな顔つきで笑う伯爵。ああいう笑い方するのも嫌い。紅狐式減点法でマイナス突入だ。
「牙で……操る?」
「ええ。私、戦闘はあまり得意ではありませんが、操ることに関しては優秀なので。」
まあ厳密に言ったら牙はそこまで関係ないですけど、と伯爵は小さく漏らした。『タキシード』に『牙』に『操る』……。それに『顔色の悪さ』と『貴族位』……。
「アナタの正体、分かったかも。」
「ほほう、それはそれは。是非お聞かせ願いたい。」
「『吸血鬼』。これがアナタの正体。」
「……なるほど、ニュートンさんの言う通り確かに頭は回るようですね。」
ニィ、っと笑い活きの良い獲物を見つけた目つきになった。これはビンゴかな。
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