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無銘〜怪異に堕ちた僕達〜  作者: ミリな所持金(ry
第三章 二回戦
88/138

3-16 紅狐&あーちゃん1

 どうしよ。ウーがやられちゃった。『(たぬき)』は引いたみたいだけど、今攻められたらとってもマズい。今のところは狐火に反応ないけど、敵がマップを見たら本拠地付近が攻められてるチームは狙い目になっちゃう。


紅狐(くこ)さん……。どうしましょう……?」

「今はうごけない。とりあえず通信はしてみたほうがいいかも。」

「は、はい! (いぬ)さんと天輪(てんりん)さんに連絡をーー。」


 あーちゃんが言葉を言い切る前に、そばに引き寄せる。あーちゃんの居た場所に小刀らしきものが刺さる。


「……だれっ!?」

「クックック……。我が奇襲を見切るとは、見事。実に見事也。」


 ぬるり、と正面側の窓辺から小型の男が這い出てくる。爬虫類みたいな顔にウロコが湿っている……なにもの?


「トカゲ……?」

「トカゲ……。まあ似たようなものだな、我が名は『ニュートン』。なに、覚える必要はない、すぐに死ぬからな。」

「ひっ……! トカゲ……!」


 あーちゃんがプルプル震えてる。もしかして爬虫類とかにがて? 怖がらせるなんて悪いやつだ。


「『ニュートン』……? 『ニュート』……『Newt』?」

「……ほぉう、賢しいな。」

「そっか、正体分かった。ならアナタは勝てない。」

「……我が敗北すると?」

「ん。」

「……吠えたな、小娘。」

「アナタ、水辺じゃないと本領発揮できないでしょ?」

「……。」


 『Newt』。日本語に訳するなら『井守(イモリ)』。両生類で水辺にいる。いつも表皮を湿らせていないといけない。ならわたしの敵じゃない。


「あたり?」

「ふはは! それに答えるとでも?」

「おもわない。体に聞くからいい。」


 ーーゴウッ。


 手元に火の玉を出す。もし井守ならあーちゃんの力とは相性が悪いからわたしが戦わなくちゃ。


「あーちゃん、下がってて。」

「く、紅狐さんっ!!」


 あーちゃんの声に振り返る。あーちゃんの視線の先には……新しい敵。じーざすくらいすと。


「ふふふ。ご機嫌よう、お嬢様方。気分は如何ですか?」

「いま最悪になった。」

「ひぅ……!」

「はは、正直なお嬢様ですね。見目も麗しい。良ければこちらの仲間になりませんか?」


 真っ青な顔色に濃い隈、タキシードを着た細身のイケメンに口説かれる。でも……うさん臭くてあまり好みじゃない。それにニコッと笑った時に八重歯が牙みたいになってるのも見えた。絶対いや。


「いや。」

「そうですか、それは残念です……。そちらのお嬢様は?」

「わ、わたしも嫌です!」

「……なら仕方ない。戦う他ありませんね。」


 タキシードの上に羽織ったマントをはためかせて、一歩こちらに近寄る。戦うしかない……!


「あーちゃん、離れないで。」

「は、はひっ!!」

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