3-7 キリコと菅笠
伝えるべき事は伝えた。あとは戦って上手く捌くのみだ。最悪相討ちでも構わん。二回戦のルール上、一度倒れるのは織り込み済みだ。
「ほう、仲間への連絡手段か。若者は機械が得意じゃのう。」
「ふん。貴様等とてそれなりに使えるだろうに。」
「狸ぃ! もうヤッちまって良いかい⁉︎⁉︎」
「堪え性の無い奴じゃのう……。まあ良いわ。菅笠、お主とキリコ2人で相手をせい。ワシは本拠地を落としにかかる。」
「オレがタダで行かせると思うのか?」
「かかっ! ワシの姿も追えておらんかったクセによう抜かすのう!」
3人のいるビルの中心に移動をし、完全に人型の姿に戻り構える。小さい龍形態の状態でも攻撃を当ててくる相手だ、人型の方が相手の狙い場所が分かりやすくまだ避けやすい。
「アタシ好みの面だねぇ! 昔殺った男を思い出すよぉ! ねぇ、菅笠!!」
「……殺す。」
「貴様等……。”記憶持ち”か。」
「ああそうさ! アタシ達は元々夫婦でねぇ、色んな奴等を殺したもんさ! 晩年まで続けたけどやっぱり殺しはやめられないねぇ!!」
「下衆が……!」
神の言った通り、居なくなって問題のない人間だったのであろう。救いようの無さに吐き気すら感じる。こういう手合いは早々に退場させるに限る。
「これこれ、キリコ。喋っとらんでさっさと殺ってしまわんかい。」
「うっさいねぇ! アタシの勝手だろう!!」
「ふん。貴様等なぞ記憶に残す価値も無い。消し飛ばしてくれるわ。」
「……吠えたな、小僧。」
「事実を言ったまでだ。貴様等はここでオレが倒す。」
「かかっ! 言われておるぞ!!」
「いいねいいねぇ! 活きがいい獲物は最高だよ!!」
キリコと菅笠が武器を構える。狸は動く気配はない。本拠地まで行かれないよう視線で行動を制止する。先ほどからす魔ほの通信で誰かの声がしているが応えている余裕はない。……が、一応此方の情報を共有すべく、通信は繋げたままにしておくのが吉であろう。画面を見ずに操作をしておく。
「どこから刻んでやろうかしらねぇ!!」
「……キリコ。いつも通りだ。」
「あいよ、アンタ!!」
ーーダッ!!
菅笠の一言を切っ掛けに、二人同時に動き出す。左右に分かれ、攻撃を読ませないつもりだろう。キリコは包丁で突きを繰り出してくる。かなり直線的な動きだが速度が尋常ではなく速い。避け損ない頬や腕に傷ができる。対して菅笠はキリコの攻撃の合間に斬りかかってくる。刀で斬られたらひとたまりもない。雷撃を放ち、牽制をして直撃を避ける。
「かっかっか! なかなかやるのう、小僧!!」
「造作もない! それにオレの名はウーだ、小僧などと無粋な呼び方は止めろ!!」
「アンタ本当にいい獲物だねぇ、アタシ等相手に怯みもしない! 最高の玩具だよ!!」
「五月蝿い! 貴様の玩具になった覚えはないわ!!」
ーーバリィ!!
最大出力の雷撃を放ち、キリコと菅笠との距離を離す。離れたタイミングで屋上に転がっていた鉄パイプを手に取り構える。以前から考えていた力を試す良い機会だ。
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