3-1 二回戦開始
二回戦が始まった。目の前の薄い青色の壁がなくなる。それを合図に、俺は牛車状態の天輪に乗り、六角形の中央へと一直線に向かう。道路を走り、川を越え、中心にほど近い占領地を発見する。
「まずはここを占領しよう。」
「ああ、私は路地で待機をしている。何かあったら呼んでくれ。」
そう言い、天輪は牛車状態のまま待機をする。3階建ての建物内部に入ると、そこには赤い宝石のようなものが浮かんでいた。恐らくだがこれを確保、もしくは破壊すれば占領となるのだろう。一歩踏み出す。
ーーカタッ。
不意に音が鳴る。物が落ちたような、ぶつかったような音だ。
「誰だっ⁉︎⁉︎」
ーーニャーン。
鳴き声と共に現れたのは、猫であった。しかしその猫の様相は、通常の猫と異なっていた。体躯は60cm〜80cmで、着物を着、帯を巻き、小刀を差している。なにより1番特異な点は二足歩行で歩いてきたことだ。明らかに普通の猫ではない。咄嗟に距離をおき、構える。
「化け猫⁉︎⁉︎」
「化け猫とは失礼にゃん。」
「しゃ、喋った⁉︎⁉︎」
「ウチも妖怪だしにゃー。喋るくらいは当たり前にゃん。」
クシクシ、と顔を掻きながら答える。声色から女性らしく、猫らしくにゃんと付けているが、いかにも過ぎて若干あざとい。
「おにーさんもここを取りに来たんじゃにゃいの?」
「……ああ、だとしたら?」
「それなら……戦うしかないにゃん!!」
小脇に差していた小刀を抜刀し、こちらに向け構える。その拍子に着物の裾が捲れ、2本の尻尾が視界に映る。
「『猫又』……?」
「にゃ! なんで分かったにゃん⁉︎⁉︎」
「いや、尻尾2本になってるの見えたし、適当に言っただけなんだが……。当たりか?」
「……。」
どうやら勝手に自爆してくれたようだ。相手はこちらの正体には気付いていない。これなら戦いようはいくらでもある。
「俺は『狗』。種族は……まあ秘密だ。」
「にゃにぃ⁉︎⁉︎ なんで教えてくれないにゃん⁉︎⁉︎」
「いや、アンタが勝手にボロ出しただけだろ。」
「にゃにゃ……。まあいいにゃ、ウチは『猫又』の”ヴィナス”にゃ!」
「猫なのに美の女神ときたか……。」
明らかに美もクソもない見た目につい余計な一言を漏らし、鼻で笑ってしまう。それを聞いたヴィナスは烈火の如く怒り、威嚇を始めた。
「フーッ!! オマエ、嫌いにゃん!!」
「まあ敵に好かれてもなぁ……。」
「ムカついたにゃん! ボコボコにしてやるにゃん!!」
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