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無銘〜怪異に堕ちた僕達〜  作者: ミリな所持金(ry
第二章 一回戦
62/138

2-51 嫁入りと獄卒2

 ーーウーvs獄卒(ごくそつ)ーー



 ーーゴウッ!!


 目の前で金砕棒(かなさいぼう)が通り過ぎる。速度の出ている車が通った時のように、風が吹く。金砕棒自体を振るうスピードは速いが、攻撃範囲は狭い。相手が振るうよりも早く範囲外に逃げれば良いだけだ。


「チッ。ちょこまかと……! ウゼェんだよ!!」


 ()、と。またも謎の威圧感に胸が苦しくなり、体が上手く動かなくなる。


「ぐぅ……!!」

「ハハッ! 隙だらけだぜっ!!」


 ーーゴウッ!!


 金砕棒が再度振われる。体が上手く動かず、完全に避け切れない。先ほど攻撃を食らった側の腕に掠める。ただやられるのも癪だ。オレの雷を喰らえぃ!!


 ーーバリィ!!


 腕へのダメージと引き換えに相手にもダメージを与える。だが、あまり効いていないようだ。


「ぐっ……!!」

(いて)ぇ!! チクショウ、やりやがったな!!」


 ーーウー:HP40/80。

 ーー獄卒:HP120/130。


「……ふん。筋肉ダルマ相手ではあまり効果がない、か。」

「調子に乗ってんじゃ……ねぇ!!!!」


 三度(みたび)、圧がかかる。間違いない。このプレッシャー、此奴(こやつ)の能力だ。


「オラァ!!!!」


 巨体から無造作に振われる、金砕棒。相手が阿呆だからだろうか、直線的な動きで振われるため見切るのも容易だ。しかし振り下ろしの際に飛んでくる地面の破片までは避けることはできない。最小限の動きで金砕棒だけは交わしつつ破片は食らい、反撃に電気を放つ。


 ーーウー:HP30/80。

 ーー獄卒:HP100/130。


「ぐぅ……!!」

「チマチマちまちまと……! これで殺してやるよっ!!!!」


 彼奴の威圧感が更に増す。マズイ。()()()()()()()()


「『灰塵に帰す(アッシュ・ドライヴ)』っ!!」


 金砕棒を地面に擦りながら思い切り振り上げようとする。これの直撃を喰らえば……死ぬっ!!


「死ねぇぇぇぇ!!!!」


 ーーゴウッ!!!!!!


 一際大きな風切り音を鳴らし、金砕棒は振り上げられた。舞い散る砂埃。それが晴れたとき……地面には深く抉れた後と、そのラインに倣って燃え上がる炎。残ったのはそれだけであり、ウーの姿はそこにはなかった。


「カッカッカッ!! なんだぁ? 跡形も無く消えちまったかぁ?」


 あの一撃を真正面から喰らっていたなら、確実に消え去っていただろう。しかし、残念ながら……()()()()()()()()()()()()。オレは龍形態に戻り、彼奴の背後の頭上高くに飛んでいた。そしてその姿を、()()()()()()()()()()


「幼女!! 此奴を拘束せよっ!!」

「はいっ!!」


 オレが発言するのと同時に、幼女は技を放ち、獄卒を拘束する。


「『攻の型、水龍(すいりゅう)』っ!!!!」

「な、なに⁉︎⁉︎ ぐわぁ!! ……あんだこれ⁉︎⁉︎」


 ーー獄卒:HP70/130。


 水龍に押さえつけられ、身動きも取れなくなる獄卒。必死にもがくも水は体から離れず、手は水を打つだけである。纏わりつく水を跳ね除けるために技を繰り出そうとするも、時すでに遅く……。


「『灰塵に帰(アッシュ・ドラ)』ーー」

「遅いわ!! 『轟雷(ごうらい)』っ!!!!」


 オレの技、轟雷が彼奴の金砕棒を避雷針に突き刺さる。


「ぐぅわあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


ーー獄卒:HP5/130。


 幼女との連携でも、彼奴を倒し切れない。しかしもう決着はついた。彼奴は倒れ、此方を見上げる。


「た……助け……。」

「疾く消えよ。貴様に猶予は与えん。」


 ーーバリィ!!


 最後の雷を持って、獄卒は動きを止め。体は粒子になり消えていった。……中々に厄介な敵であった。まずは1人。あとは天輪が相手をしている『嫁入り』を片付けるだけだ。

お読みいただきありがとうございます。

面白いと思っていただけましたら、是非ブックマークと高評価を宜しくお願い致します。

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