2-50 嫁入りと獄卒1
「お目付役……でございますか。」
「そうだ。」
「え、えっと……。」
「私達は仲間だろう? ウー。」
オレの言葉を聞き、横から口を挟む天輪。貴様は仲間だが仲間と認めたくない。主に見た目が。
「おいおいおい……。失礼しちゃうよなぁ……。俺に向かって消えろ、だと?」
弩、と。獄卒からの雰囲気が変わる。えも知れぬ威圧感に胸が苦しくなる。天輪と幼女も同じような威圧感を感じてるのか、胸元を押さえる。
「キレちまったよ……。こりゃあお前達全員殺すまで……止まれそうにねぇなぁ!!!!」
獄卒は大きく振り被った金砕棒に全力を込めて横から叩きつける。威圧感のせいで反応が遅れオレは巻き込まれ、天輪と共に大きく吹き飛ぶ。
「がぁ……!!」
「ぐっふ……!!」
「ウーさん!! 天輪さん!!」
ーーウー:HP50/80。
ーー天輪:HP41/90。
「んん〜〜。気分爽快ってやつだぁ〜〜。」
「おやおや、堪え性のないお方。ダメですよ獄卒さん。こういう時は逃げられないように、まず足から狙わないと。」
彼奴の膂力、凄まじいな。単なる阿呆かと思っていたが、脳味噌から何から何まで筋肉になっているようだ。吹っ飛んだオレと天輪のそばに幼女が駆け寄る。
「だ、大丈夫ですかっ⁉︎⁉︎」
「……問題ない。羽虫が戯れてきた程度のものよ。」
「私は結構キツいんだけどねぇ……。そうも言ってられないか……。」
先に立ち上がり、天輪の手を取り立ち上がらせる。心配そうに此方を見つめる幼女の頭をポンポン、と叩き敵を見据える。
ーー獄卒:HP130/130。
ーー嫁入り:HP90/90。
……どうしたものか。獄卒とやらは見た目通りの体力バカだが……嫁入りの方はどう出るのか全く読めん。致し方あるまい、ここはオレが1人で獄卒を相手取るしかない。
「幼女。天輪。」
「どうした?」
「……?」
「貴様らはあの嫁入りとかいう女を相手しろ。オレがあの厚顔無恥な獄卒とやらを相手する。」
「……1人で、かい?」
「そうだ。」
「む、無茶です! 危ないですよ!!」
「五月蝿い。つべこべ言わず良いから従え。それと幼女、貴様は我々の前に決して出るなよ。死ぬぞ。」
「全く……。心配なら心配って素直に言えないのかね……。」
「ふん。あの程度の奴等、オレと貴様だけで十分だが……。貴様が余りにもボロボロなのは捨て置けん。疾く片付けて、さっさと戻るぞ。」
「……だそうだ、あーちゃん? 後ろから私とウーの補助、頼んだよ。」
「は、はい……。2人ともお気をつけて……!!」
ーー1歩、前に進む。
「ケッ。話し合いは終わったかよ?」
「……貴様のことだ、襲ってくると思ったのだが意外にも待っておったのだな?」
「俺ぁ、優しいからよぉ〜。仲良しこよしの最後の別れくらいはさせてやろうと思ってなぁ〜。」
「ふんっ……。その傲慢、後で泣きを見るぞ。」
「ほざけっ!!!!」
「ほっほっほ。私めの相手は、其方の御仁ですか?」
「ああ。不満かい?」
「滅相も御座いません……。寧ろ、無惨無惨此方にきていただきましたので、丁重に歓迎させていただきますよ。」
「生憎だが、私には既に心に決めた天使が付いていてね。歓迎はご遠慮願うよ。」
「お戯れを。では始めると致しましょう。」
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