2-47 回復チームの凸と凹
ーーええい、忌々しい。
ーー何故オレがこんな変態と共に行かねばならんのだ。
イライラが収まらん。オレの気など知らず、目の前の天輪はあーちゃんとやらに声をかけ続ける。
「あーちゃん、君の力は凄いねぇ。私が戦ったら圧倒的な差で負けてしまいそうだよ。」
「そ、そうですか? えへへ。」
「ああ。もっと自信を持って能力を使う方がいいと思うよ。」
「ありがとうございます♪」
ふん。くだらん。こんな状況下で幼子を口説くなど気がしれん。……紅狐は無事だろうか。……少々癪ではあるが、狗の奴がついているから、問題はないであろう。
「くだらん会話をしている暇があるのならば、『人』を探せぃ! この痴れ者が!!」
「ひゅい⁉︎⁉︎」
「こらこら、ウー。私のあーちゃんが驚いてしまっているだろう。もう少し語調をだねーー」
「喧しいわ! それにオレは貴様に言っているのだ! そこの幼女には言っておらん! それに貴様の幼女ではないだろうに!!」
「ああ、そうだった。こんな可愛い子を独り占めするのは難しいよね。みんなのあーちゃんだ。君も丁寧に接するように心がけて。」
「このっ……!!」
なんなのだコイツは、イマイチ会話が噛み合わず更に苛々が増す。相手にするだけ疲れる。一度放置しておくのが正解か。
「幼女よ。」
「は、はいっ!」
「……なに、取って食いはせぬ。少しは落ち着け。」
「ふぇ……? は、はい。」
「貴様の能力、なかなかにオレの能力と相性が良い。『他プレイヤー』に襲われた場合を考え、互いの技の情報交換といこうではないか。」
キョトンとした顔をして、此方を見上げる幼女。ふむ。紅狐ほどではないが整った顔立ちをしている。変態が入れ込む理由も少しはわからんでもない。しかしオレは小児愛者ではない。あそこまで露骨になることはないな。
「あの……。」
「どうした、幼女?」
「ウーさん……でしたよね? 雷を操れるんですか?」
「そうだ。河童にトドメを刺した『轟雷』が我が技よ。」
「あの技凄かったですねぇ、爆弾が爆発したのかと思いましたよ!」
「……ふん。大した事ではないわ。」
真正面から褒められるのは、なんとなくだが面映いな。つい顔を背けてしまう。
「えっと……。」
「大丈夫だよ、あーちゃん。ウーは照れてるだけだから。」
「ちっ……。黙っていろ変態!!」
「変態ではないぞ。愛の使者で少女の守護者だ。」
「それが変態だと言っておるのだ! 愚か者め!!」
「なにぃ⁉︎ 私ほど健全な人間はいないぞ!!」
「あ、あはは……。」
余計な茶々を入れおって、会話が進まんではないか。改めて、幼女の技を聞く。
先の戦いで出した技は『守の型、反鏡』というもので、目の前に厚い水壁を出現させ、攻撃を防ぐ防御技とのことだった。また、もう一つの技は『攻の型、水龍』という、水の形を龍の様に形作り、相手へ叩きつける攻撃技だそうだ。……なるほど、龍ときたか。本格的にオレと相性が良いようだ。
そんな事を話していると、す魔ほのマップに青い点が2つ固まって現れる。回復の良い機会だ。さっさと天輪を回復させて紅狐に合流しよう。
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