2-40 紅狐と二人きり
紅狐ちゃんと技の教え合いと索敵。
念入りにウーへと2人の護衛をお願いし、松濤美術館を後にした。回復チームは元の世界での原宿方面へ向かうとの事だったので、俺と紅狐は代官山方面へ向かうことにした。
3人と別れて10分ほど経った頃だろうか、マップ上に赤い点が1つ表示される。『他プレイヤー』が索敵に引っかかったようだ。様子見しようと紅狐に声をかけようとしたが、マップの点がこちらに向かってかなりのスピードで近付いてくる。敵は2対1でも構わないようだ。
「紅狐、敵が近付いて来ている。」
「2人?」
「いや、1人だ。どうやら2人相手でも自信があるみたいだ。」
「むか。なめられてる。」
少しムスッとしながら頬を膨らませる紅狐。金色の瞳に闘志を燃やす。やはり綺麗だ。
「この調子だと……。恐らく数分もしないうちに鉢合わせになるな。」
「ん。」
「そういえば紅狐。新しい技ってどんな感じなんだ?」
「ーーで、ーーーーってかんじ。」
「ほー。それはなかなかいい感じだ。早速使えそうだ。」
「わんちゃんは?」
「俺か? 俺の技はーーーーで、ーーーーなるな。」
「おおー、すごい。」
「これ、2人の技組み合わせたらなかなか楽に戦えるんじゃないか?」
「ん。そうしよ。」
俺と紅狐はお互いの技の情報を交換し、これから現れるであろう敵に備えて作戦を練る。上手くハマれば相当有利な状況から戦える。
……ここにきて、はたと気付く。最初は恐怖し十全に戦えなかった。2度目以降はできれば戦いたくないと言いつつ、段々と力を使うのが楽しみになっていると。
もしや……。これも姿に引っ張られている影響なのか? 紅狐も戦いを避けようと言う素振りも見せない。
『おやおや、狗くん気付いちゃったかな?』
またしても急に、脳内に神様の声が響き渡る。ビックリしたのもそうだが、気付いちゃっただと?
『ククク…! そうだよ、君たちは姿に引っ張られつつある。妖怪として能力を使い、脅し、相手を傷付ける本能にね……!』
……無論、その本能だけではないんだろ? 他にも神様の介入があるはずだ。
『良く分かったね〜。クククっ、あの残り人数のチャット送ったついでに、プレイヤー達の戦闘意欲を高めていたんだよね〜。チャチャっと終わらせる為にはこういう調整も必須だろ? 良くできた運営だよね〜、ボク!!』
……なるほどな、俺の今の感情や戦闘への恐怖が薄いのも神様の仕業ってわけだ。それにマップに表示されている敵さんの行動も頷ける。……まあいいさ、俺は紅狐と一緒なら戦える。絶対に生き残ってやる。
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