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無銘〜怪異に堕ちた僕達〜  作者: ミリな所持金(ry
第二章 一回戦
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2-38 齟齬と天輪の種族

 あーちゃんの会心の一撃により崩れ落ちた天輪(へんたい)が元に戻るまで待ち、今度は天輪に向けて話を切り出す。


「天輪、聞きたいことがある。」

「うっ……ふぅ……。……なんだ?」


 おい、なんか聞き捨てならん声がしたぞ。でも触れたくない。無視して話を進めよう。まずは改めて紅狐(くこ)とウーの種族を話し、天輪自体についてを聞く。


「天輪、お前“記憶持ち“なんだよな?」

「ああ。ここに送られる以前の記憶も持っている。約2週間後に控えた12月の新作発表会に向けて最終調整をしていたところだった。」

「……1()2()()? それ、本当なのか?」

「? ああ。本当だとも。」


 ()()()()。俺の記憶ではまだ9()()()()()()()()()だった筈だ。


「……天輪。真面目に答えて欲しい。お前の送られてきた日は()()()()だった?」

「2019年の11月末だ。すまんが日はしっかりと覚えていない。」

「……そうか。ありがとう。天輪、驚かないで聞いてくれるか?」

「ん? なんだね、改まって?」

「俺も“記憶持ち“だ。そして俺が送られて来た日は2()0()2()1()()9()()なんだよ。」

「……なにっ⁉︎ (いぬ)くん、それは本当か⁉︎」

「ああ。本当だ。嘘を言う必要がない。」

「ということは……。私達は()()()()()から集められているのか……!」


 ……どうやら天輪と俺は別の時代の人間のようだ。いや、突飛な発想だがもしかすると()()()()()()()()()()()もある。それだけ重要な話を聞けた。しかし、答えは神様しか知らない。今は捨て置こう。それよりも天輪自身の話を聞く方が優先だ。


「狗くん、ありがとう。有益な情報を得られた。」

「いや、こちらこそだ。話は変わるが、天輪。お前の種族はなんなんだ? 確か元の姿とか言っていたよな?」

「ああ。聞いていたか。私の種族は『輪入道』。本来は馬車の車輪のような姿か、牛車(ぎっしゃ)になる。」

「牛車? それはどんなものなんだ?」

「そうだな……。平安貴族が乗っていた牛や人が曳く籠と言えばイメージできるかな?」

「あー、なんとなく分かった。因みに車輪状態の時は……?」

「車輪の中央、車軸と繋がる部分に私の顔が出てくるな。」

「……うわぁ。」

「……わーお。」

「貴様……!! なんて姿を……!!」

「あ、あはは……。」


 天輪以外の全員がその姿をイメージしてしまう。反応を見るに、やはりキツいものがある。あーちゃんに向ける全力の笑顔のまま、車輪と回る天輪の顔……想像しただけで気持ち悪すぎる。


「……? 皆、どうしたんだ?」

「いや、気にしないでくれ。ちょっと思うところがあっただけだ。」

「私と狗くんの時代の差……か。確かに驚くのも無理はないな。私も心底驚いている。」


 うんうん、と勝手に納得し頷く天輪。本当は違うのだが、良い方に勘違いしてくれて良かった。


「天輪、それと技についてだけど……。」

「『剛震滅却(ごうしんめっきゃく)』か?」

「ああ。他に技はあるのか?」

「いや、ないな。それと元の姿の時には使えない。元の姿の時は、炎上の状態異常付与の力を持って相手を轢くくらいだよ。」

「炎上?」

「うーむ、何と言ったらいいか……。持続ダメージと言うのかな? 一定時間経過の度にダメージが入るのだよ。」

「やけど、違う?」


 同じ火を使う者だからか、紅狐が割って入る。


「火傷とは違うね。常に服が燃えている、とでも言ったら良いのかな?」

「なるほど。りかい。」

「紅狐さん……だったかな? 君ももしや火を?」

「ん。同じ。」

「ほうほう。それなら私の力と合わせたら相乗効果に期待できそうだね。」

「……うん。」


 あ、ちょっと嫌そうな顔をした。俺は良くて天輪はダメなのか。なんとなく少し嬉しい。……というか、天輪(へんたい)。うちの紅狐姫さまには反応しないのか?


「ああ。私は12歳以下の少女を守る守護者だからね。それくらいは感覚でわかる。なに、嗜む程度の力だよ。」


 ……うっわぁ。真性の小児愛者(ロリコン)じゃねえか。しかもなんだよ、そのクソほど役に立たねえ特殊能力。気持ち悪い通り越して怖すぎだよ。種族『輪入道(ロリ専)』に変えた方がいいだろ。

お読みいただきありがとうございます。

ここからまた少しずつ話が広がっていきます。


是非ブックマークと高評価を宜しくお願い致します。

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