2-37 ぅゎょぅι゛ょっょぃ
戦いが終わり、俺は紅狐・ウー・天輪と幼女のそばにいた。あの変態こと河童に追いかけられていた経緯を聞くためだ。
「大丈夫かい? 可憐なお嬢さん。」
「は、はひっ! だいじょぶれすっ!!」
「はっはっは。慌てなくても平気だよ。ゆっくり深呼吸するといい。ああ、私の美しい姿もご覧にいれよう。落ち着くだろう?」
むんっ、と両手を後頭部で交差し腰を突き出す天輪。幼女も困って苦笑いをしている。
「やめとけ天輪。話が進まなくなる。」
「私が美しすぎてか?」
「……アア、ソウダネー。」
「ふふふっ、困ったものだなぁ……!」
「……チッ。忌々しい。少しは大人しくしておれんのか貴様は。」
「うえぇ。」
各々素直な反応をしながら、幼女に向かって話を切り出す。
「さて、少しは落ち着いたか?」
「え、ええ。ありがとうございます。」
「俺は狗。種族は『天狗』だ。他の奴らのことは後で紹介するとして……。君の名前と、なんで追われてたかを教えてもらえるかな?」
出来るだけ怖がらせないように、腰を落として目線を合わせ、なるべく優しくゆっくりと話しかける。対応のおかげか幼女は落ち着きを取り戻し、話を始めてくれた。
「わ、わたしは『雨女』の“ああああ“と言います。さっきの河童さん? に追われていた経緯ですがーー。」
「ごめん。ちょっと待ってくれるか。」
「は、はい。」
「名前……『ああああ』っていうの?」
「……はい。神様に頂いた名前です。」
「……なるほど。」
神様、昔のゲームの名前入力みたいな名付けしたのか。彼女、少し泣きそうな顔になってるぞ。
「わんちゃん。『あーちゃん』だね。」
「そうだな。紅狐は良いセンスをしているな。」
「えっへん。」
「遮ってごめんな、続けてくれ。」
「わかりました。それで河童さんに追われていたのは、他プレイヤーに襲われないように美術館の裏の公園を通って逃げていた時なんです。」
あーちゃんの話を聞いたところ、公園の池の近くを通りがかった時に河童に目をつけられ、撃退しようとしたが同じ水使い同士、決定打に欠けて倒せないと思い必死で逃げてきたとのことだった。
「クソッ、あのハゲモグラめ……! 私のあーちゃんを追いかけ回すなど羨ま……けしからん!!」
「あ、あはは。」
待て、真の変態。『お前の』あーちゃんではないからな? あーちゃんも苦笑いしてるし、横見てみろ。紅狐とウーがゴミを見るような目をしてるぞ。
「事情は分かった。1人で行動するのも危ないし、俺たちには紅狐って女の子の仲間もいる。よかったら仲間にならないか?」
「ほんとですか⁉︎ ありがとうございます!!」
俺の手を握りぶんぶんと振り回すあーちゃん。その背後から鬼の形相をしている天輪が見える。ごめんあーちゃん、嬉しがってくれるのは良いけど俺は殺されたくないから、なるべく早く手を離してくれないか。
「あ、そうだ。天輪さん……でしたっけ?」
俺の手を離して天輪の方へくるっと振り返るあーちゃん。あーちゃんが振り向いた瞬間、満面の笑みになりやがったな天輪……。
「ああ。私は天輪だ。どうかしたかな?」
「お礼がまだでした。助けてくれてありがとうございました。」
ぺこっと可愛らしくお辞儀をしながら、お礼を述べる。そのあまりにも可愛らしい姿を見た天輪はその場に崩れ落ちた。
「ぐっはぁ⁉︎ ……我が生涯に……一片の悔いなし……。」
二次元ロリは大正義、最強。
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