2-36 変態vs変態3
「ギィヤアァァァァァァ!!!!」
堪らず飛び出してきた河童が叫び声を上げる。その声を聞き、天輪が煽るように声を荒げる。
「変態らしい、聞くに堪えない汚らしい叫びだな!!」
「な、なんなんだなっ⁉︎⁉︎ お前一体なにをしたんだなっ⁉︎⁉︎」
「震脚だ、聞いたことくらいはあるだろう?」
震脚。中国拳法の八極拳の発勁技、だったかな? それにしても天輪、本当に色々な格闘技を使えるんだな。
「そ、そんなの知らないんだなっ! 卑怯なんだなっ!!」
「はっ。“ここに来る以前“の私が覚えたものだ。卑怯ではないだろう。」
「お、お前“記憶持ち“なんだな⁉︎⁉︎」
「ああそうだ。だが、これから消えるお前には関係のない話だ。」
「き、き、消えるのはお前なんだなあぁぁぁ!!!! 水流鋸っ!!!!」
今までで1番強く吠え、河童が技を発動させつつ迫る。声の大きさに比例し、水流鋸も2階位の大きさを発現する。直撃したら死なないまでも、大打撃は間違いない。
「『守の型 、反鏡』っ!!!!」
俺と天輪の後方。幼い子の声が響く。それと同時に、目の前に水の滝が現れて河童の水流鋸を防ぐ。
「この技は……?」
「狗、彼女の技のようだ。」
天輪がクイッと指差した方を向くと、先ほどの幼女が紅狐と共にいつの間にか近くにまで来ており、両手を突き出し技を使っているようだった。
「わ、わたしだって……。戦いますっ!!」
「可憐なお嬢さん、力添えをありがとう。戦神を味方につけたような心強さだ。これで私が負ける可能性はゼロになった!! 行くぞ、狗!!」
「お、おう!!」
滝が収まるタイミングに合わせて駆け出そうとする俺と天輪。しかしそこに怒声が飛ぶ。
「下がれ痴れ者共が!! 巻き込むぞっ!!」
ゴゴゴ、と上空に暗雲が立ち込める中ウーが叫ぶ。この雲はもしや……⁉︎
「天輪、下がれ!!」
「何故だっ!!」
「五月蝿ぇ!! いいから掴まれ!!」
説明している時間すら惜しい。予想が正しければウーの技だ。俺は大丈夫だろうが、巻き込まれたら天輪は多分死ぬ。彼の手を掴み無理矢理後方に下がらせる。幼女と紅狐もトテトテ、と自分で避難をしている。
「疾く消えよっ!! 『轟雷』っ!!!!!!」
ーーカッ。
眩い光と炸裂音が響き、目を瞑り耳を塞ぐ。戦闘機から爆弾の雨が降った時にはこんな風に、鼓膜が破れるような音がなるのだろう、と衝撃に体が揺さぶられながら考える。
……光が収まると。そこには河童の姿は跡形もなく黒い影のみが残っており、周りの水には電気が滞留してバチバチと音を鳴らす。凄まじい威力だ。神様が制限を設けたのも頷ける。
ーー河童:HP0/110。
選ばれたのは、天輪でした。
ウーくんは紅狐ちゃんを守るという約束のために技を発動させてます。
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作者が喜びで1日若者言葉縛りをします。




