2-33 追って追われて
神様からの助言から数十秒もしないうちに、赤い点2つと遭遇する。前を走っているのはどう見ても幼女。月明かりに照らされた綺麗な黒髪ロングを揺らしながら、浴衣姿で駆け寄ってくる。
その後方には全身緑色のタイツの小太りつるっ禿げ。足は速くないが、ハァハァ言いながら幼女を追っている。もうヤダ、ここ変態しかいないのかよ。
「た、助けてくださいぃ〜!!」
「ハァハァ……! お、お嬢さん待つんだな!!」
完璧に通報案件だぞこれ。事情は分からないが明らかにヤバい。幼女が助けを求めているのだ。助けない道理はない。身を乗り出そうとした瞬間、天輪が俺よりも早く幼女に駆け寄り身を挺して庇う。
「大丈夫かっ⁉︎⁉︎」
「⁉︎⁉︎ は、はい……。」
「もう安心だ。私の後ろに隠れていなさい。」
「ふぇ? あ、ありがとございます……?」
幼女の驚きと疑問が見て取れる。まあ変態に追われて逃げたら、その先にも変態が居たのだ。そうなるのも無理はない。だが会話が出来る変態の方がマシだと思ったのか、天輪の指示に従う。しかし幼女から不安の色は消えていないようだったので、一応フォローの為側に行き声をかける。
「大丈夫?」
「ふぇ⁉︎⁉︎ は、はい。大丈夫……です。」
「狗君とやら、すまないがそちらのお嬢さんを頼むよ。」
「ああ。お前はどうするんだ?」
「決まっている。変態にはお仕置きだ。」
「……ふぇ?」
うん、お嬢さん。言いたいことはよく分かる。天輪に特大のブーメランが刺さってるよな。それを言葉にしないだけ大人だよ君は。
全身緑色タイツの男、仮称“タイツマン“としよう。そいつは俺と天輪に阻まれ、足を止める。
「ど、退くんだな! ぼ、ぼくの邪魔をしないでほしいんだな!!」
「退くなど有り得ないな。可憐な少女を追いかけ回す不届き者め。私が相手になろう。」
「へ、変態は引っ込むんだな!!」
「ふん。私の美も理解できない単細胞が。それに、変態はお前だろうに。」
唐突に変態と変態の戦いが始まった。生き残った方が本当の変態に違いない。
「そ、その子はぼくの……! お、お嫁さんにするんだなっ!!」
タイツマンの手から水が射出される。まるで消防車から出される水のように勢いがかなり激しい。しかし天輪はその水を手にある円盾で完全に防ぐ。
「お前のような変態には過ぎたものだ。それにお前、こんな言葉を知らないのか?」
スゥ……。と大きく深呼吸をし天輪が叫ぶ。
「『YESロリータ! NOタッチ!』だ! この大馬鹿者がっ!!」
変態に変態をぶつけて何が悪い。笑
生き残った方が真の変態だ。
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