2-32 君の名は
『度し難い変態がいる。貴様に交渉の機会を譲ってやる。早く来い!!』
ウーからの連絡を受けて、二人に合流すると見事な変態がいた。アレはマジで変態だ。ウーが可愛く見えるレベルのヤバさが漂っていやがる。
「え、本当に俺に行かせようとしてる?」
「ん。」
「貴様が適任であろう。オレは紅狐を守ると約束した。行くが良い。」
「……ウー、その役目俺が変わってやるぞ。」
「喧しい!! さっさと行けい!!」
ウーに怒鳴られ、渋々行くことにする。……まあ、ウーに任せたら会話にならんだろうしな。仕方ない。割り切っていこう。
「あー……そこの金髪さん?」
「……私か?」
声をかけると、金髪ロングは首を傾げながらこちらに目線を向ける。良かった、とりあえず話は出来そうだ。変態だけど。
「ああ。俺は『狗』という。」
「初めまして。私は『天輪』。声をかけてきたところを見ると、戦う気がないと思っていいのかな?」
「その通りだ。今のところ戦う気も敵意もない。」
良かったー!! この人見た目以外マトモだ!! ちゃんと会話が成り立ってる!!
「そうか。こちらとしても助かるよ。」
「ところで天輪さん、ここでなにを?」
「呼び捨てで構わないよ。いやなに、私の美しさを周りに見せつけようと思っていてね。」
バァァァン! と音が聞こえてくるように謎のポーズを取る天輪。前言撤回、やっぱりコイツも変人だった。
「そ、そうか……。」
「ああ。君も私の美しさに惹かれてきたのだろう?」
「う、うん……。まあそんなところ?」
「だろう? であればもっと存分に見ていくといい。なに遠慮することはない。美を見せつけるのも私の責務だからね。」
話しながら違うポーズをとり始めた。ヤバい、凄くこの場から離れたい。関わり合いに行ったけど、すっごい後悔し始めてる。ウーとは別のベクトルの変人っぷりに面倒くささだ。
「……。」
「ふはは! 私の美しさに言葉を失っているようだね! まあ無理もない! 私ほどの者になると神をも魅了しかねないからね!」
だそうですよ、神様。貴方魅了されてるんですか?
『魅了は有り得ないけど、愉快だよねー。輪っか。』
不意の神様の声に驚き跳ねる。ビックリした、頭が読めるのを時々忘れてしまう。
『まあ頑張ってねー。他プレイヤーも近付いてきてるし。』
……ん? 今さらっとアドバイスをくれなかったか? とりあえずマップを確認してみる。神様の言う通り、赤い点が2つこちらに近付いてきている。
??「全く、度し難いな!!」
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作者が喜びで荒ぶる鷹のポーズをします。




