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無銘〜怪異に堕ちた僕達〜  作者: ミリな所持金(ry
第二章 一回戦
21/138

2-11 休息

 狗、残り体力:HP63/100。


 4割近く体力を持っていかれたか。かなり危なかった。太ももと二の腕に刺さった竹を抜き、冷静に戦闘を振り返る。


 ーー殺した。


 抜いた先から痛みが走る。血は出ていないが、急に動かすと力はあまり入らない。


 ーー自分の意思で。


 (かえで)は強かった。新しい能力と使い方を思いつかなければ、消えていたのは自分だっただろう。


 ーーこの力で。


 ……頭をよぎる。臓物(はらわた)をぶち撒けて、倒れた楓の姿が。思い出さないようにしようとしても、頭から消すことはできない。俺が、この手で、殺したのだ。


「うっ……!」


 堪らずそばにあった植込みに内容物を吐き出す。仕方のなかったこととはいえ、落ち着いた今だからこそジワジワと実感が湧く。人1人の命を奪ったのだ。これまでの人生では起こり得ないことを起こした。そのプレッシャーに押し潰されそうな気分になる。


(それでも……俺は死にたくない……。)


 口元をグッと拭い、立ち上がる。まだ一回戦は終わっていないのだ。兎に角失った体力を戻さなければ。弱った状態で敵に襲われたらひとたまりもない。

 ふと、す魔ほが震える。


(いぬ)くん勝利おめでとーう! 高慢ちきなゴミカス女を処分できて清々したかな?(^^)』


(……清々するわけないだろう。寧ろ最悪だ。)


『そうそう、これは全員に発信してるけど、現在のプレイヤー数が43人になりましたー! みんな頑張ってるねー! その調子でゴミ掃除頑張ってねー!』


 果てには″ゴミ掃除″ときたか……。あの神様らしい物言いだな、と思いふっと鼻で笑ってしまう。残りのプレイヤーが30人になるまで続く、というルールだったはずだから(ようや)く折り返しに近づいた、といったところか。ついでにマップの機能で周辺を確認する。

 青い点は5個ほどあり、赤い点は皆無。体力を回復するなら今が好機だろう。早いところ回復をしないと。


『P.S.因みにこのステージのテーマは″暴食″だよ! みんなじゃんじゃん敵を殺して、″人″を食らって生き残ってね!』


 テーマ……″暴食″……か。なるほど、この悪辣な思考も頷ける。要は生物ヒエラルキーの底辺から這い上がれ、と言いたいのだろう。虫唾が走る。


(生き残るためだ、やるしかない。)


 俺は決心をし、北谷公園を後にした。目的地は一番近くにいる青い点だ。

お読みいただきありがとうございます。

今後も頑張って更新していきますので、応援していただけると嬉しいです。

宜しくお願い致します。

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