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虹の魔道士Ⅰ  作者: あず
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第三十六話 テッラの試練

私たちはまずギルドハウスに戻り、先ほどの出来事を話した。すると、ギルドハウスの受付のお姉さんが”ちょっとお待ちください”と言って、奥に行ってしまった。


三人で顔を見合わせて頭の上にはてなマークを浮かべていると、しばらくしてお姉さんは戻ってきた。


「お待たせしました。お話は聞きました。先ほど洞窟内から辛くも逃げ延びてきた魔導士がいまして、あなたたちと同じ服装の方にトレインしてきたと報告を受けました。その魔導士には罰則として金貨の没収と数日間の謹慎を言い渡してきました。あなたたちが無事に帰ってきてくださって安心しました。今日はゆっくりとお休みしてください。」


「そうなんですね…。私たちは大丈夫ですから。その魔導士さんへの罰則はなるべく短くしてください。」


「いいのですか?」


「はい。あの数のモンスターを狩るのは難しいでしょうし。」


私がこくりと頷くと横からパッシアさんが顔を覗かせて、一言を添えた。


そうしてギルドハウスを後にした私たちは宿屋に戻った。


「今日はマティに頼りっぱなしだったし、今日はマティからお風呂に入っていいわよー。」


「ありがとう、パッシア。イヴもいい?」


「はい。どうぞ。マティさんも疲れたでしょう?」


「まぁ、いつもより精力的に魔法を使ったから。じゃあ、お言葉に甘えて。」


そういってマティさんはお風呂に入りに行った。


「イヴは今日、新しい武器の使い方を実践してみたけど、どうだった?」


「そうですね…。手ごたえはありましたね。あれほど多くのモンスターを殲滅できたのは大きな収穫ですし。」


「あの使い方なら、敵に包囲されても対処できるしね。さてと、三人がお風呂に入ったら、明日の作戦会議をしましょうか。」


「はい!」


私の元気な返事を聞くと、パッシアさんはお風呂に入る準備をし始めた。私もそれに倣って準備をし始めた。


しばらくすると、マティさんがお風呂から上がってきて、お風呂で温まった体を冷やさないようにパジャマに着替えていた。


その後、パッシアさんがお風呂に入り、私は一番最後にお風呂をいただくことにした。


私もお風呂をいただくと、二人は既に作戦会議を始めているようで、ベッドの上に座り、あーだこーだと話し合っていた。


「あ、おかえり、イヴ。明日の作戦だけど…。」


「ガーネット、まずはイヴちゃんの髪の毛を乾かしてからにしましょ。濡れたままはかわいそうよ。」


「あ、そうね…。先に髪の毛を乾かしてきて頂戴。それまでにこっちも情報をまとめておくから。」


「はい、すみません、直ぐに乾かしますね。」


私はお言葉に甘えて、髪の毛を乾かすことに専念した。とは言っても、タオルでよく拭くだけなんだが。

あらかた髪の毛が乾いたところで、脱衣場で鏡をみながら髪の毛を梳かした。私の髪の毛は癖っ毛なので、櫛でよく梳かさないとぼさぼさになってしまう。よく梳かしたところで私はベッドの上で議論している二人の元に戻った。


「お待たせしました!」


「おかえり。さて、明日の試練の内容だけど。恐らく私たちの時と同じ試練の内容であれば、モンスターを一定数討伐することで試練を突破できるはずよ。またその数字がおかしな話でね。全部で五百体。まず序盤にスライム二百体、次に狼シリーズが二百体、最後にゴブリン、百体ね。制限時間はないはずよ。」


「えげつない数よね…。それを笑顔で誘ってくるあの竜は一番恐ろしいわ。」


私もマティさんの意見に賛同し、こくこくと激しく頷いた。とりあえず物凄い数なのは分かった。それをいかに早く倒して、ゴブリン戦までに体力を残しておくか、が大事だった。



私たちはしばらく、作戦会議をして、遅めの二十四時頃に就寝した。明日は、お昼前に宿を出発して、神殿に赴くこととなった。



翌日。私が目覚めると、マティさんが既に起きていて、髪の毛を梳かしていた。


「あら、おはよう、イヴちゃん。申し訳ないんだけど、パッシアを起こしてくれる?一番先に寝た癖に起きるのは一番遅いのよね。」


確かに。いつも起きるのは私が先だった。そんな風に思い返していると、パッシアさんがむくりと起き上がった。


「あ、起きた。」


「おはよー…、イヴ、マティ…。んー…、眠い…」


「あれだけ寝たのに、まだ眠いのね…。」


呆れた様子のマティさんに私が苦笑いしていると、パッシアさんはもそもそと服を着替え始めた。



三人の準備が整うと、私たちは宿屋の一階にある酒場で、朝ごはんを食べた。その後、三人で神殿へと向かった。神殿に入ってから、右に曲がってフラーウム様がいる空間に訪れると、松明が灯り、フラーウム様が姿を現した。


「お、来たね。待ってたよ~。あれ、隣の二人は前にも僕の試練を受けたよね?」


「覚えてていただき光栄ですが、今回も試練を突破させていただきます。」


「ふふ、僕はなんでも覚えてるし、何でもお見通しだからね。」


「話はそれくらいにして、試練を受けさせてください。」


「そう気を早まらないでよ。僕との会話も…」


「あなたとの会話を楽しむ暇はありません。」


なんとか私たちを引き止めようとするフラーウム様にパッシアさんとマティさんはつっけんどんな態度で会話を進めていく。竜にそんな態度を取るのは、宝石将である二人だからできることだろう。それに前にも試練に挑戦したともあれば、旧知の仲…ではなさそうだ。


「それじゃあ、僕の試練に挑戦してくるといいよ。無事に五体満足で帰ってきたら。雫をあげるよ」


フラーウム様が不気味なことを言うと、私たちが入ってきた通路とは逆の神殿に入って左側の通路が開いた。


「よし、行くよ!」


「はい!」


私は元気よく返事をして、左側の通路に入って行った。


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