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エピローグ
白い光が晴れると、彼は自分の部屋にいた。
――帰って……来たのか?
二階にある自分の部屋を出て、一階にあるリビングに向かう。
リビングに向かう途中の一階の廊下で母親と出くわした。
「秋人!あんた今日一日何やってたの?夏休みだからって部屋に篭ってないでちゃんと外に出なさい!」
いきなりまくし立てられる。
「……いや、一日走ってたよ。……うん、とにかく走ってた」
そういうと母親は困惑したようだ。
「あっ、あらそう。なら良いのよ。インターハイ来週よね?あんまり無理しちゃダメよ」
「うん。わかった」
秋人はリビングでテレビをつけた。
時間は夜の十八時過ぎだ。
――なんだったんだいったい?
こうして秋人の夏休みの貴重な一日が潰れたのだった。