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ホダ村の戦い

 村のすぐ近くまで魔王軍の軍勢が押しかけてきていた。

 初めての戦いに一瞬怯みそうになったが、彼は仲間たちに向かって叫んだ。

 「行くぞ!」

 後ろから、オォォォォ!……という声が上がった。

 村から出てきた勢いをそのままに、彼は魔物の軍勢に突っ込んでいく。

 すると賢者マーリーンがアキトに声を上げる。

 「ここはワシに任せるのじゃ!」

 賢者マーリーンは走りながら杖を掲げ呪文を唱える。


 「大気に住まう風の精霊達よ。荒れ狂う風の刃となりて眼前の敵を薙ぎ払え……ウインドストーム!」

 風の流れが一瞬止まる。

 そして前方五十メートル程先にパチッっと光が輝いたかと思うと、天を貫く巨大な竜巻が発生した。

 ……ゴォォォォォォゥ……。

 暴風が敵を切り裂き、巻き上げ、吹き飛ばしていく。

 竜巻は十秒程で姿を消したが、目の前の敵の軍勢は跡形もなく消え去っていた。

 賢者マーリーンが走りながらアキトに話しかける。

 「魔王軍の大群が東のダイダロス平原にて決戦を挑もうとしておる。急いで向かうのじゃ!」


 勇者一行は東のダイダロス平原に向けて全力疾走をした。 



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